紙の本
市民参加が進まないのはなぜ
2016/12/15 20:22
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投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
SNSなどで人と人が結びつきやすくなったのに、市民参加が進まないのはなぜだろうか。市民の参加や公の市民との交流などの事例等が書かれている。
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元サンフランシスコ市長であり、カリフォルニア州副知事の著者が自身の体験から新しい政府の在り方について提言する。
現在はゴリアテのような大きな政府の時代から、小さな政府と自ら動く市民の時代に移りつつあり、政府は可能な限りデータを公表し、余計なことをしないのが望ましいとしている。
そして、党派対立から国政や州政治が停滞する中、都市こそがイノベーションの前線であると主張している。
タイトルは奇抜だが、内容は地に足が着いている。
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いまでこそ「特区」であったり「産学官連携」という言葉が主流になりつつあるが、でも政府はどこかアナログ。しかも「規制」という大ナタをちらつかせているうちは、本書が提言するような真の民主主義とは程遠い。かといって「政府はプラットフォームを提供し、その中で民間の力を活躍させよ」という考えも手放しで共感することはできない。ミルトン・フリードマンの新自由主義を彷彿させるようで何か気持ち悪い。
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政府は暮らしのすべてと結びついている。呼吸する空気、飲む水、灯す明かり、車を走らせる道路に至るまでだ。私たちは直接・間接に、1日も欠かさず政府のサービスと接している。しかし政府はナイキ社と違ってすべてのサービスに独自のロゴマークを付けることはできないので、人々はその事実に気づかない。政府にはイメージアップを図る宣伝部もないので、人々はどれほど政府の恩恵を受けているかを知らぬまま、日常生活を送り続ける。(p.39)
「その人が見るべきものではなく、みたがるものをインターネットが見せる。そんな世界へと、私たちは急速に移行しています」。しかもそれを決めるのは倫理規範を持った人間の編集者ではなく、数字を処理するだけのコンピュータのアルゴリズムだ。アルゴリズムは関連性に最も高い価値を置く。しかし倫理的に複雑なこの世界にあっては、関連性だけを基準に触れるべき情報を決めるのは誤りだろう。バリサーも言うように、市民がある程度の情報の流れに触れていなければ、民主主義は機能しないのだ。(p.70)
アップルは、他人が開発したアプリを売ることで年に何百万ドルも稼いでいるのだ。ただ単にAPI(アプリを容易に製作できるプラットフォーム)を公開することによって、アップルは自社にとってだけでなく、その顧客にとっても莫大な価値を創造した。(p.123)
この世代の決定的な特徴は、2000年以降に成人したことではありません。彼らはネット世代、すなわちデジタル時代に入って初めて成人した世代なのです。彼らはテクノロジーを恐れません。あなたが冷蔵庫を恐れないようにね。彼らは従前とことなるアプローチをこのみ、大きく違った政府観を持っています。何かを実現するために自ら組織化することをいといません。(p.200)
新聞社には記者を増やすような余裕はない。では。どこからその大量のコンテンツを調達すればいいのか?答えはー多くの新聞社は可能な限り抵抗したのだったがー読者だった。(p.267)
こう言うとへそ曲がりに聞こえるかもしれないが、私はある意味で金欠が好きだ。新たな物の考え方をせざるをえないからである。(p.335)
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民間分野において、テクノロジーの活用により、よりよいサービスが提供されているのに、行政は進歩していない。
その問題を解決する多くの事例が紹介されている。
行政が全て抱え込み解決できる時代ではなく、積極的な情報開示と人間の持つ競争意識を使って、双方向のコミュニケーションを実現する。それが大事だとおもった。
翻訳本によくあるが、言い回しがくどくて、読みにくさが感じられた。
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テクノロジーが政府をも変える。そして、誰もが影響を受けることが目に見える中でどう変化していく必要がある?
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理解が追いついてない部分もあるけど、面白かった。これだけ個人同士がつながったりコラボしたりできるようになったのに、テクノロジーの進化によってビジネスの世界もどんどん変化しているのに、政治の世界、政府や行政が関わる領域だけ時が止まったかのようにアナログのまま。もっともっと変えていける、市民たち自身が変えていきたくなるには何が必要?すでに変わってきているところの事例、出てきている色んなアイデアがたくさん紹介されていて、これが実現してどんどん広がっていったら面白くてワクワクして、そして生きやすい社会になるんじゃないかな、って思った。
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ガバメント1.0とは、自動販売機のように容積が有限であるため、必要なものが出てこないと、揺すって叩いて、引き出すような対象であるという。
ガバメント2.0とは、クラウド上のゲーミフィケーション的世界観の上に成り立ち、人々が参画し協働しながら、善行を積むことを楽しみ、結果を目の当たりできることで、より良い社会を手にしている実感を育む場であるという。
要点は、市民と政府をつなぐこと。
1. 政府は完全な透明性を持ちデータを公開する
2. そうしたデータを活用して人々がツールを開発することを奨励する。クラウドソーシングや、集合知の力を結集できるようにする
3. 世代ごとにデジタルセンスは違えど、それぞれが望むやり方で政治参加をさせなくてはならい
4. 政府を通さずとも、市民が自ら課題に取り組むことを奨励する
5. より創造的・起業家的な思考様式を政府に植え付ける
民間の資金を呼び込み、国民がすでに費用負担している政府のデータをもとに、第三者が価値を創出するという完璧な生態系
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[二進法で政府]21世紀型のテクノロジーを20世紀型の政府に接ぎ木し,行政の刷新を訴える一冊。現在の政府は旧式のOSで動くコンピュータのようなものと指摘し,新たな政治の可能性を模索していきます。著者は,カリフォルニア州第49代副知事を務めたギャビン・ニューサム。訳者は,映像メディアの翻訳も多く手がける町田敦夫。原題は,『Citizenville: How to Take the Town Square Digital and Reinvent Government』。
自分の問題意識と重なるところを突いてきたタイトルと紹介文だったので思わず購入。アメリカの,しかもシリコンバレーの位置するサンフランシスコですら試みは道半ばであることに少し驚きつつ,新しい技術と,それに伴う新しいアイデアの導入の実例を知ることができました。
〜21世紀の未来的な最新テクノロジーによってのみ,私たちは昔ながらの「コモンウェルス」(コミュニティに存する公共の善や福祉)の概念を取りもどすことが望めるのだ。〜
あまり日本に類書がない気もするので☆5つ
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行政にITを活用する試みの紹介。
ミレニアル世代はプライバシーの意識が低い。
政府の課題の多くは外部からの提案で解決する時代が来る。そのためアイデアコンテストは重要。
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著者は元SF市長で現カリフォルニア州副知事。理想の政府として、プラットフォーム型政府を提唱。オープンデータ活用と関連して、日本でも注目され始めた考え方だ。ただ、それがそのまま日本で通用するかは未知数。なぜなら、日本では行政を自分事と捉える風潮が米国より弱いからだ。公的サービスはお上から与えられるという感覚があり、受益と負担の連関意識も弱い。オープンデータを市民が自ら活用して問題解決を図ろうという機運が盛り上がるのかは不明だ。先行自治体は鯖江市で、市民にどの程度この機運があるのか気になるところ。
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未来を考えようシリーズ。起業家でもあり、30代でサンフランシスコの市長に就任し、ICTを活用して数々の行政改革を実現してきた氏による著書。成功事例の羅列かと警戒しながら読み進めたが、著名経営者や市民活動家、連邦の政治家との対話など、氏の真摯で率直な考えが滲み出ていて、そうそうこういうことなんだよと膝を打つ。もちろん、事例そのものも参考になるので、多くの行政マンや活動家の参考になるだろう。巻末のまとめに「国より市単位の方が、身近であり成果も見やすいので参加意識を高めやすい。その分、地域のリーダーは結果責任を問われる」とある。国に対する不信感・乖離感が高まる中で、今後は市単位の活動が活性化するのではないだろうか。
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大統領選が展開されたアメリカの話を聞いてもなぜあんなに時間がかかるの?と仕組みが理解できなかったが、この本を読んでもわからない(笑)
だが、政府(官)が一生懸命世の中を良くするためにしようとしても、予算も時間を無い為うまく行かないが、オープンにすることで民間主導で様々な解決策が手弁当で作り上げられる。
すべてがそのようにうまくいくのかは、わからないですが、うまくいくケースも多く、事例が事例を呼び広がっていくのではないか。
日本でもそのような動きが出ていると思う。PDFではなくCSVファイルでデータがオープンにされる事もその一歩。マッシュアップされたアプリが世に出てくるようになり、更に使いやすく改良が繰り返されるというのもすばらしい。
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協同体管理するソシャゲのように、現実世界に良い事が出来るはず。というのはその通りだが、ゲームで動かせば良いの指だけで、現実世界では身体を動かす肉体労働必要があるので、同一とは言えない。
指を動かす命令だけで現実世界に影響できる領域からならば始めやすい。
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ワクワクする話がたくさん出てくるのは面白いのだが、いい面ばかり強調している感じがする。
オープンデータを使ったサービスの多くはベンチャー企業が作り継続性に欠けることが多かったり、市長がSNSで市民のリクエストに答えていたらあっという間にそれだけで時間がなくなってしまう、というような話はあると思うのだが。