紙の本
もう少し詳しく知りたかったです
2019/06/26 15:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:satonoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジャーナリストが書いた文章なので、読みやすかったです。
何事も一朝一夕で事が成り立つわけではなく、皇室外交もまた然りだと思います。
上皇陛下ご夫妻をはじめとした皇室の方々、皆さんを支える宮内庁や外務省などなどのご苦労に思いを馳せながら読みました。
今上陛下が上皇陛下のなさりようをそのまま踏襲されるのではなく、お心を受け継ぎながら今の時代の親善外交に尽くしていかれるのだろうと思います。
知らなかったことが多々書かれていて興味深く読みましたが、もう少し詳しく書いてあってもよかったのではないかと思ったり、「キチンと」は「きちんと」と正しく表記してほしかったと思ったり、少し残念な点もありました。
投稿元:
レビューを見る
本書は各国外交についてその儀礼的側面から(特に食事会のメニューによって)読み解いてきた著者による、両陛下の軌跡を手繰った新書である。
2016年10月に刊行された本書は、古くは今上の陛下の皇太子時代(戦後)から10年代に至るまで両陛下が切り開いてきた日本と各国の関係を詳らかにするものであり、そうした意味で(過去へと話が飛ぶなどして)やや錯雑とした構成も目立つ。
しかし、退位を示唆したメッセージが巷間の話題となった2016年のことを思えば、ここでの刊行は非常に意義あるものであり、必携と称してもいいほどの内容だったと言っていいだろう。
内容的には示唆に富み、その指摘は鋭く、長らく外交の現場を歩いてきた著者の経験に基づく記述も少なくない。一冊の新書としても内容の濃い良書である。
タイムリーという意味も踏まえれば、やはり星五つと評価すべきだろうと判断した。
ただ、そうでなくとも内容面でもそれに遜色ないものである。若年の身には知らぬ話題も少なくなく、勉強させていただいた思いである。
投稿元:
レビューを見る
皇族、特に天皇皇后の諸外国首脳との交流、外国訪問が、どれだけ日本全体が外国に与える印象を好ましいものにして来たかを、実例によって説く。
・誰に対しても平等にもてなすこと
・庶民と真近に接すること
・戦後日本への悪印象を保っていた国々の多くの人の印象を塗り替えたこと
・諸王室との交流を長く続けていること
・慰霊の旅を続けていること
日本の庶民が知らされていなかったことの多さにも、呆れるけれど。
投稿元:
レビューを見る
これを読むまで「ほんとに皇室って必要なのかな?」と思ってた。
政治にかかわらないという前提はあるものの、外交上重要な役割を果たしている皇室。
政治と切り離されているという建前があるからこそ持てる親しみというのもありそう。
またどの国賓もすべからくできうる最高のおもてなしをするという点で日本の皇室は特異である。
投稿元:
レビューを見る
知らない世界。1人の皇族の寿命と比べると、皇室の諸制度もそんなに安定的なものでもないのだなあ… そもそも安定性を重視すべきなのか、本人の想いなのか、世論か、政権か、というところだけど。国民からの人気のない皇族が出てきた時、果たしてどうなるのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
天皇制は便利だなー。外交関係が柔らかくなるのって、とっても大事。ノブレスオブリージュはあり続けるべきである。
政治家や政府外交官だけが外交をすればいいのか。そんなことをしたら、即物的で、利害関係しか追究しない外交戦略ばかりになるんじゃないか。そんなスケベな国は国際関係上、好意を持たれるわけがない。
日本は政治から独立した皇室がある。そのおかげで、政治とはワンクッション置いた外交ができる。そのおかげで、温和な外交交渉ができてきた。そういう実績がある。
日本が第二次大戦の太平洋戦争で犯した失敗を償って、補償するという困難な外交も、皇室外交があったからうまくいっただろう。そうでなければ、うまい汁だけ吸われて、日本なんて干からびていたんじゃあないか。
民主主義のくそなところは、下等な賤民が政治に口出しして権利を主張しすぎるところである。そのポピュリズムに迎合して、政治に高貴さが亡くなれば、社会倫理は崩壊し始め、国家は崩れていくだろう。
日本は、天皇というノブレスオブリージュの象徴があったから、高貴さを保ってきたところもあると思う。そういう意味で、天皇家には感謝しきれない。
皇室の存在の是非を問う人間がいるが、そんなことより、皇室が2000年以上存続し続けたことに感謝すべきである。
そういうことができない、正義に固執する人がいるんだろうけれど、そういう人が国を亡ぼすんだよなぁ…。
もっと粋を大事にしてほしい。
そうすれば、天皇家のありがたみもわかるだろう。
投稿元:
レビューを見る
ちきりん氏の推薦本。
皇室外交が日本の重要なアセットであることは理解した。
個々のエピソードは感じる人は居るのだろうけど、あまりピンとこなかった。
投稿元:
レビューを見る
生まれてから亡くなるまで変わらない皇族という在り方による長期的な外交がいかに日本の国益に貢献してきたか、ということを具体的なエピソードを集めて教えてくれる。実利的な外交と、観念的な外交の両輪が日本にはあって良かった!
投稿元:
レビューを見る
これを読むと、日本人でよかったという素直な思いと皇室に対して敬虔な気持ちになります。課題は多々あれど、我々が色々な国と良好な関係を維持できるのは、皇室や宮内庁・外務省などの報道されない尽力あればこそと痛感しました。
外交には歴史がつきもの。オバマ大統領、ミッテラン大統領、イギリス王室との関わりなどが書かれていますが、特にインドネシアでの戦争捕虜の取り扱いから、オランダとの外交修復にこれほど紆余曲折があったということは初めて知りました。「皇室は日本にとって最高の外交資産」というのは全くそのとおりと頷けます。
一方、宮中晩餐会など「誰に対しても最高のものを」というポリシーを掲げ、国のために力を尽くされている様子はもっと国民に知られても良いと思いました。チコちゃん的で恐縮ですが、今こそ全てのニッポン国民に問いたい一冊です。
投稿元:
レビューを見る
皇室に外交はない筈だが、実際は国際社会における日本国にとって大きな役割を果たして来たということが分かる本。
戦後オランダとイギリスは反日感情が強かったことさえすっかり忘れてしまっていたが、すっかり忘れられていたのは皇室外交のお蔭とも言える。
「インドネシアの占領中、オランダの婦女子を含む約9万人の民間人と、約4万人の戦争捕虜と軍属が強制収容所に収容されたが、死亡率は約17%に上り、これはシベリア抑留で亡くなった日本人捕虜の死亡率約12%より高い。」
「日本軍の捕虜になった英軍将兵の死亡率が25%なのに対して、ドイツ軍の捕虜になった英軍将兵のそれは5%と言われている。」
今同じ状況になっても同じぐらいの死亡率を叩き出しそうで恐ろしい。
昔から「皇室別に要らなくない?」と思っていたが、少なくとも日本国にとって必要かつ重要であることは理解した。
投稿元:
レビューを見る
天皇だからとかでなく、人として平成天皇は尊敬できる。それを改めて感じた。しかし、外交は毎回毎回フランス料理の同じメニューで、羨ましいけど飽きちゃいそう。お皿は大変でも日本料理がいいんじゃないかな。
投稿元:
レビューを見る
近年の日本外交はメタメタと勝手に思っていたが、この本を読んで、少し見方が変わった。変わったのは外交官の努力というより、皇室の存在する意味とその外交における力だ。王家を大事にしている国に対しては、その存続年数を誇れる日本の皇室は使える武器だということがよくわかる。また、日本の象徴という意味において、東南アジアの国々への威光はまだあるようだ。経済的に落ち目の日本において外交が非常に重要度が増すが、そのひとつの武器となるのが、皇室であることが分かった。そういう観点でみると、天皇が健康なうちに退位というのも、戦力ダウンを未然に防ぐという意味で、非常に重要なことだと思えた。
投稿元:
レビューを見る
元号も変わったしということで、ちきりんがおススメしていていつ読もうかと思っていた本を読みました。
天皇陛下や皇室というのが日本人である我々にとってはある種当たり前のものになっている一方で、万世一系であることからも諸外国から大変な経緯を表せられる存在であり、諸外国との関係に大きな役割を果たしていることがよくわかりました。このタイミングで読んで良かった。必読書と言うのも納得。
皇室、とりわけ天皇となる立場の方は、いつぐらいからご自身の立場を理解し、ふるまいを考えるようになるのだろう。諸外国から見たときのご自身の立場は。戦争への責任、それに対する感情。ご自身が日本人を代表する存在として。考えれば考えるほど気が遠くなる。
そして食事の場面も様々。ワインが世界共通の飲み物ということが本書で強く感じられた。宗教上の理由なら飲まないだろうけど、お酒の弱い天皇陛下だったらどうするんだろうと、不謹慎ながら考えてしまった(笑) 同じ作者が書く「ワインと外交」も気になるな。
投稿元:
レビューを見る
1.この本を一言で表すと?
皇室外交の中身と役割と背景を解説した本。
2.よかった点を3~5つ
・ オランダ、英国の反日感情
日本の新聞は「青年時代に大きな影響を受けた欧州各国を再訪する〝センチメンタルジャーニー〟」と位置づけた。「戦争体験者の反日感情に対する目配りはなかった」。日本のマスコミのレベルを痛感した。
陛下とエリザベス女王とのスピーチは食い違い「戦争にいささかも触れなかった昭和天皇」に英国では批判が起こる。お言葉が外交上、とても重要なのがわかった。
皇室の海外訪問によって関係を修復・向上させるケースがあることを初めて知った。
・皇室主催の晩餐会がフランス料理で、ワインもフランスの最高級のものを供する理由
どの国に対しても最高のおもてなしをするというポリシーがあるとは知らなかった。
・天皇とフランスの元首相との会話
90年代初頭に元首相が「日本は技術と経済で世界を席巻します」と言ったことに対して、
「いや国の基本は地方の豊かさです。貴国は国の基本を備えておられる」と答えた。今上天皇の教養深さ、本質を見抜く力に驚いた。
・「長く一貫した系統を保持している皇室は、日本にとって最高の外交資産」
国際社会から多くの敬意を集めているというのは知らなかった。
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・ 特になし
3.実践してみようとおもうこと
・特になし
5.全体の感想・その他
・天皇制を考える上で、非常に役に立つ本だと思う。
・皇室外交と政府外交を使い分けられ日本の今の制度は絶対残すべきだと思う。
・日本のメディアの国際感覚の欠如はなんとかならないかと思った。
投稿元:
レビューを見る
今上(平成)天皇の皇太子及び天皇としての他国首脳との交流が、戦後の日本の地位向上に重要な役割を果たしていたという実例を挙げている。
なぜか食事の内容紹介がむやみに詳しい。たぶん最初はほかの趣旨で書いた文章をつなぎ合わせて改変して作ったのではないかと思う。
しかし、外交の内容に関して、このように詳しい事実が書かれている書籍は貴重