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商品説明
僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。長谷川さんが姿を消した夜から10年。僕ら5人の仲間は、鞍馬の火祭りの日に再会した。「夜行」とは何か。彼女と再会できるのか−。『STORY BOX』掲載を全面改稿。【「TRC MARC」の商品解説】
僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。
私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。
旅の夜の怪談に、青春小説、ファンタジーの要素を織り込んだ最高傑作!
「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」
【編集担当からのおすすめ情報】
春風の花を散らすと見る夢は
さめても胸の騒ぐなりけり
--西行法師【商品解説】
収録作品一覧
尾道 | 16−64 | |
---|---|---|
奥飛驒 | 65−109 | |
津軽 | 110−158 |
著者紹介
森見登美彦
- 略歴
- 〈森見登美彦〉1979年奈良県生まれ。京都大学大学院修士課程修了。「太陽の塔」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。「夜は短し歩けよ乙女」で山本周五郎賞を受賞。
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書店員レビュー
丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年11月号より
書標(ほんのしるべ)さん
森見登美彦さんの待望の新刊が発売された。今かまだかと待っていた甲斐があって、不思議感たっぷりのファンタジー?怪談?初めての感覚だった。ストーリーはずっと暗くいつも夜なのに、全く嫌な気分がしないのは何だろう、この感じ。嫌な気分どころか、まるで闇に吸いこまれるように読み進んでいた。
10年前に失踪した彼女はどこにいるのか、生きているのか、果たして…仲間5人と繰り広げる連続ストーリー。最後の最後まで混線する展開に、ただただ呆然とした。
森見登美彦10周年記念作品。同時に発売された初の対談集『ぐるぐる問答』(小学館・1200円)もおすすめだ。
紙の本
“恒川光太郎”的な雰囲気漂う快作
2016/12/20 20:50
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タンポポ旦那 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「きつねのはなし」を読んだ時、モリミーにはホラー風の作品は合わないのかも……と感じたものだったが、著作を重ね、やはり期待に応える力量に感心した。「ペンギン・ハイウェイ」で全く新しいモリミーを見せたのと同様に、どこまでその世界を拡げていくのか、いま最も目が離せない作家の一人だ。
本作は恒川光太郎の「夜市」を思わせる雰囲気を漂わせながら、夜に魅かれ、朝に焦がれる独自の美世界を構築している。銅版画に魅かれる主人公達と、不可思議な画家との関わりが、魅力ある物語を紡ぎだしている、と感じた。
電子書籍
夜に惹かれる人に
2017/07/14 21:09
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:唯 - この投稿者のレビュー一覧を見る
不安と安心を行き来する不思議なお話です。
何回も同じ本を読む事は珍しいのですが、読み返したくなりました。
紙の本
せつない話だ
2020/04/20 15:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公・大橋君は、長谷川さんが失踪した鞍馬の火祭を久しぶりに英語教室の同僚だった仲間と見に行くことにする。偶然にも参加者全員が岸田という版画家が作製した「夜行」というタイトルの作品に関りを持っていた。というあらすじなのだが、「夜行」がある世界では大橋君は存在するが、「夜行」がない世界では長谷川さんは岸田さんとけっこんしていて存在するが、大橋君は存在しないことになっているというストーリーがいい。簡単に言ってしまえばパラレルワールドものなのだが、大橋君に感情移入していると切なくなってしまう
電子書籍
惹き込まれる
2018/09/29 19:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:朱里 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『きつねのはなし』や『宵山万華鏡』でも魅せた森見登美彦の怪奇物ですが、本作は今まで以上に何とも言えない薄気味の悪さと、浮遊感のある不安が作品全体に漂っていて、気付くと一気読みしてしまいました。
ただ、一度だけでは理解しきれないところも多かったので、また読み返したい作品です。
電子書籍
森見登美彦10年目記念作品
2018/09/23 03:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Takashi - この投稿者のレビュー一覧を見る
約4時間で一気読み。パラレルワールドに迷い込むならどちらが幸せなのか。一人の女性を中心に交錯する朝と夜。帯を見ただけでは全く違う展開に引き込まれる。「世界はずっと夜なのよ」読み出したら止められない、ビックリした~!
電子書籍
魅力的な夜の世界
2017/06/25 19:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
少し怖くてぞくぞくしたけれど、とても面白かった!京都が舞台じゃないとなんかしっかりしてる森見さん。久々のめり込んだ読書だった。「夜行」「曙光」表裏一体の世界。どっちにも「私」はいるけれど、全然違う人生を歩んでいるんだ。これは今までに出会ったことのない視点だ。人生違うなら行ったり来たりしてみたい。どちらかというと「夜行」の世界の方が好みかな。夜行列車も好きだしなあ。青森の五能線、ストーブ列車、飯田線など鉄男と鉄子が唸るチョイスもなかなか。五能線はいい。また乗りたい。私を「夜行」の世界へ運んでおくれよ。鉄道。
電子書籍
不思議だ。
2017/06/04 19:58
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
不思議としか言い様のない出来事が積み重なって、逆転して、逆転して。私が知ってたモリミーワールドとはまた違う、でもどこかで続いてる。「怖さ」というより「不安・不安定」って感じですかね。読み進めるにつれ、中断が出来なくなる中毒性が現れて、結末が気になってしかたなくなるお話でした。
電子書籍
洗練されたストーリー
2017/01/01 21:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぎんまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても面白かったです!
いつも物語の構造が理系的なのに、表現力が細やかで大好きです。
ストーリーがパラレルだけで終わらず、収束、また分岐という今までの森見さんと違う展開で、何回か読み返して反芻したいです。
夜と朝の世界の対比に、「世界はつねに夜なのよ」、ガガーリンの「地球は青かった」が解釈のキーワードである気がしました。
続編、というか裏写しのストーリーも読みたいお話しです。
紙の本
夜行
2016/12/11 19:41
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やぎ - この投稿者のレビュー一覧を見る
待ちに待った森見登美彦さんの10年目の作品はミステリアスであり、登場する女性に毎回心踊らせています。
紙の本
ちょっと不気味で不思議なお話し。
2016/12/03 21:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
異次元に足を突っ込んだような、異空間を覗き込んだようなお話でした。
森見さんの明るくてあっけらかんとしたお話も大好きですが、今回のようなちょっと不気味なお話も大好き。
きっかけは鞍馬。現代の京都でもちょっと不気味な雰囲気を残してる地域ですよね。
いまでも神隠しがあっても可笑しくない感じ。
不思議な絵、消えた女、記憶の齟齬、いろいろ織り込まれ上手い具合に調和し不思議な結末へと向かいます。
紙の本
夜の世界
2016/11/01 13:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:D - この投稿者のレビュー一覧を見る
森見先生の作品はこれまでに何度も読んでいますが、『夜行』ほど読者に不安を感じさせるものはなかったと思います。夜の世界の不気味さが、視覚、聴覚、嗅覚、触覚から伝わってきます。自己の存在が揺るがされ、自分がいったい世界のどこにいるのか何度も考えさせられました。夜が明けて欲しいという思いからついつい夜更かしして読み終えてしまえるものでした。
紙の本
不思議な話
2019/08/31 17:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ワガヤ - この投稿者のレビュー一覧を見る
1枚の絵の、裏と表から出入りするような、不思議な話。はじめは気味が悪い感じがしていたが、だんだん面白くなってきた。
電子書籍
独特の世界観
2018/07/25 03:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まりな - この投稿者のレビュー一覧を見る
森見登美彦さんらしい独特の世界観に惹き付けられた。表と裏、未来と過去の世界を行き来しているような感覚。過去の選択が変えられたら…と考えされられた。
電子書籍
ぞわっ
2018/05/09 21:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くれーぷ - この投稿者のレビュー一覧を見る
何気なく手に取った本だった。話は数人がぽつぽつ語るような形だが、読んでいくうちに何か恐ろしくなって来てしまった。私まで引きずりこまれそうで、しばらくTVをつけっぱなしにして気を紛らわせた。本当の世界はどっちなのか…最後まで謎めいていた。
電子書籍
夜行
2017/06/02 09:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おじ屋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
森見登美彦の新たな一面。
じわりと効いてくる恐怖感は、どこか懐かしい感覚も伴って
不思議に読み終えた時の感じが持続してしまう。
パラレルワールドが、連作の絵によって引き起こされるアイデアも素敵だ。