- カテゴリ:一般
- 発売日:2016/10/24
- 出版社: 河出書房新社
- サイズ:25cm/253p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-309-25564-4
- 国内送料無料
紙の本
描かれた病 疾病および芸術としての医学挿画
【ブリティッシュ・ブック・デザイン・アンド・プロダクション・アワード最優秀作品賞】カラー写真がなかった時代に描かれた、美しくもおぞましい、疾病をめぐる挿画の旅。世界中の希...
描かれた病 疾病および芸術としての医学挿画
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商品説明
【ブリティッシュ・ブック・デザイン・アンド・プロダクション・アワード最優秀作品賞】カラー写真がなかった時代に描かれた、美しくもおぞましい、疾病をめぐる挿画の旅。世界中の希少な医学書から、病に冒された患者の詳細な挿画を集めるとともに、歴史的な地図、先駆的な図版、当時の症例記録も盛り込む。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
リチャード・バーネット
- 略歴
- 〈リチャード・バーネット〉ケンブリッジ大学で科学史、医学史、および進化論史について教鞭を執る。2011年、ウェルカム財団エンゲージメント特別研究員の資格を初めて授与された。
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書店員レビュー
物語としての医学
ジュンク堂書店ロフト名古屋店さん
医学書の棚に、ひときわ目を惹く異質な表紙。
ハードカバーに箔押しの装丁で恭しく飾られた中心には、青ざめた女性が虚ろな瞳で佇んでいる。
オリジナルのキャプションによるとこの肖像画の女性は23歳だが、コレラ特有の極度の脱水によって顔には皺が寄り老婆のようにも見える。
1831年、ヨーロッパで勃発した初めてのコレラ流行のさ中で、彼女はなすすべもなく死んでいったのだという。
まだコレラの的確な治療法が不明だった当時は、無慈悲にも病院さえコレラ患者の受け入れを拒むことが多かった。
彼女も、その一人だっただろうか。
社会そのものを切り出して紙の上に写し取る絵画は、時に実物よりも生々しさを感じることがある。
美しく完成されていながらも、溢れんばかりの痛みや苦しみの姿を映し出した絵画の数々は、まさしく人と病との壮絶な戦いの痕跡だ。
様々な映像技術が発達した現代だからこそ、是非手に取ってほしい一冊。
医学書担当 宮澤