紙の本
予測は難しいが、精度は上げられる
2017/05/22 16:02
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投稿者:ミスターマーケット - この投稿者のレビュー一覧を見る
トンボの視野、トリアージ、挑戦と分析など、
予測精度を上げる考え方が書かれている。
ますます不確実な世の中になってきている
現在において参考になる。
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ポイントは
質問分解
類事例の発生確率を基準に
対立する見解を考え統合
新しいエビデンスに従いアップデート
結果を検証
例にもよく登場するように株価予測に役立つと思う。
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『超予測力』
-不確実な時代の先を読む10カ条
フィリップ・E・テトロック/ダン・ガードナー 著
土方 奈美 訳
早川書房
2016/10 408p 2,200円(税別)
原書:SUPERFORECASTING(2015)
1.楽観的な懐疑論者
2.「知っている」という錯覚
3.予測を評価する
4.超予測力
5.「超頭がいい」のか
6.「超数字に強い」のか
7.「超ニュースオタク」なのか
8.永遠のベータ
9.スーパーチーム
10.リーダーのジレンマ
11.超予測者は本当にそんなにすごいのか
12.進むべき道
付.超予測者をめざすための10の心得
【要旨】天気予報を考えればわかるように、未来に対する人間の「予測」は、
しばしば外れるものだ。「平均的な専門家の予測の的中率は、チンパンジー
が投げるダーツとだいたい同じくらい」という研究結果もある。その結論を
導き出したのが本書の著者の一人、フィリップ・E・テトロック氏だ。そう
言い切ったテトロック氏だが、米政府機関IARPA(情報先端研究開発局)とと
もに行った人間の予測力に関する実験では、驚異的な予測の的中率を叩き出
す複数の「超予測者」と出会う。本書では、専門家でも特別に訓練を受けた
わけでもない超予測者たちが、なぜ優秀な結果を残せるのか、彼らの予測の
方法を観察、分析することで探っている。テトロック氏はペンシルバニア大
学経営学・心理学教授。共著のダン・ガードナー氏はカナダのオタワ在住の
ジャーナリストで、『リスクにあなたは騙される』『専門家の予測はサルに
も劣る』などの著書がある。
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●「優れた判断力プロジェクト」で見出された“超予測者”は58人
2010年夏、二人のIARPA(情報先端研究計画局)職員がバークレーにやって
来た。サンフランシスコのホテルで彼らと会ったが、そこで聞いたニュース
はすばらしいものだった。(政府機関の)情報分析官が日々行なっているよ
うな予測を立てるのに最適な方法を編み出せるのは誰か、IARPAがスポンサー
となって大規模なトーナメントを実施するというのである。
1年めには数千人のボランティアが名乗りを上げ、そのうち約3,200人が一
連の心理測定テストに合格し、予測を開始した。われわれ(※著者のフィリ
ップ・E・テトロック氏ら)は自らのチームと研究プログラムを「優れた判
断力プロジェクト(GJP)」と名付けた。
GJPに参加した被験者は国際問題について約500の設問を出され、合計で優
に100万個を超える予測を立てた。ダグ・ローチは1年めだけで1,000個近い
予測を立てた。量だけでなく、ダグの予測の正確さも目を見張るものだった。
人間に適用しうるあらゆる指標に照らして、ダグ・ローチの結果は驚異的だ
った。
ダグ・ローチは切手収集やゴルフ、飛行機のプラモデルづくりにいそしむ
かわりに予測を立ててみただけの退職者である。それにもかかわらず、機密
文書を読むことができ、CIAから本部の執務スペースと給料をもらっているベ
テラン情報分析官ですらまるで歯が立たないほどの成績を収めた。
ダグ一人が特別だったわけではない。2,800人のボランティアのうち、1年
めに抜群の成績を収めた者は他に58人おり、彼らが超予測者の第一陣となった。
●「外側の視点」から始め「内側の視点」で調整する
優れた予測を立てるのに確立された手法はないが、超予測者はだいたい同
じ手順を踏む。それは誰にでも実践できるものだ。まず質問を分解する。知
りえる情報と知りえない情報をできるだけ明確に選別し、すべての仮説を吟
味する。外側の視点に立ち、問題を固有のものではなく、一般的現象の一つ
の事例として相対的に見る。それから内側の視点に転じ、問題固有の情報に
焦点を合わせる。さらに自分と他の人の見解を比較し、類似点と相違点を検
討する。こうして得られた多様な見解を、トンボの目のような鋭い単一の視
点に統合する。最後に確率を1%単位で示すなど予測はできるだけ精緻に表
現する。
ある家族について質問しよう。
レンゼッティ家はチェスナット通り84番地の小さな家に住んでいる。フラ
ンク・レンゼッティは44歳で、引越会社で経理の仕事をしている。妻のメア
リーは35歳で保育園で働いている。二人には5歳になる息子のトミーがいる。
夫を亡くしたフランクの母カミラも同居している。ここで質問だ。レンゼッ
ティ家がペットを飼っている可能性はどれくらいか。
この質問に答えようとするとき、たいていの人は一家の詳しい情報に目を
向ける。しかし超予測者が最初に確認するのは、アメリカの家庭の何%がペ
ットを飼っているかだ。これは統計学で基準率と呼ばれる。ダニエル・カー
ネマンはもっと想像力をかきたてるような呼称をつけた。「外側の視点」で
ある。対義語は「内側の視点」で、特定の事例の詳細な情報を表す。
グーグルで検索すれば、アメリカの家庭の62%がペットを飼っていること
がわかる。これがこのケースの外側の視点だ。外側の視点から、レンゼッテ
ィ家がペットを飼っている確率を62%と想定するところからスタートする。
それから内側の視点に移り、レンゼッティ家の詳細な情報を見ながら62%を
上下に調整する。
われわれは予想を立てるとき、なんらかの数字から出発し、調整する。そ
の元となる数字をアンカー(錨)と言う。アンカーの設定が不正確だと、予
測も不正確になりがちだ。外側の視点から始めれば、分析は意味のあるアン
カーから出発することになる。質の高いアンカーが予測に有益なのは明らか
だ。
●超予測者は「確からしさ」を細かく数字を刻んで精査する
われわれが「50%」あるいは「五分五分」と言うのは、たいていは「わか
らない」「不確実である」、あるいは単に「どちらとも言えない」の意味で
ある。
人類はそれなりに人類と呼べる状態に進化して以来、常に不確実性��向き
合ってきた。知識人が確率論について真剣に考えはじめたのは驚くほど最近
のことである。それ以前は鼻先越しの視点に頼るしかなかった。草むらに動
く影がある。鼻先越しの視点に頼っているかぎり、ライオンである確率が60
%か80%かといったきめ細かな判断は下せない。選択肢が三つしかなければ、
指示も明確になる。ライオンか? イエスなら「逃げろ!」、どちらともい
えないなら「警戒せよ!」、ノーなら「安心しろ」である。
こうした事情を考えると、われわれが頭の中に二つか三つの選択肢しか持
たない傾向があるのは理解できる。われわれははっきりとした答えを求める。
「イエス」あるいは「ノー」は、「どちらとも言えない」よりずっと腑に落
ちる。
科学者の確率に対する姿勢はまったく違う。科学者は不確実性を楽しむか、
少なくとも受け入れる。なぜなら科学の視点で現実を見ると、確実性は幻想
に過ぎないとわかるからだ。確実なことが何もないのであれば、二つか三つ
の選択肢しかない思考法には致命的な欠陥がある。「イエス」「ノー」は確
実性を意味するので使えない。そうなると残るは「どちらとも言えない」と
いう、われわれが本能的に避けようとする選択肢だけだ。
もちろん選択肢が一つしかなくては意味がない。だとすれば「どちらとも
言えない」を、確かさに応じてさらに細分化する必要がある。だから科学者
は数字を好む。数字を使う場合は、できるだけ細かく刻んだほうがいい。
「10%、20%、30%」「10%、15%、20%」あるいは「10%、11%、12%」
といった具合に。
超予測者は科学者や数学者と同様、確率論的にモノを考える傾向がある。
IARPAのトーナメントで正式な予測を立てるときでも、ふつうの人はそれほ
ど細かくない。10%のくくり、すなわち30%、40%などと答えることが多く、
35%、あるいは37%といった回答をすることは少ない。超予測者ははるかに
細かい。彼らの予測の優に3分の1は1%単位である。何かが起こる確率は
4%ではなく3%ではないか、と入念に検討するのだ。
油と水のように、確率と運命はなじまない。そしてわれわれが運命的思考
に身を委ねるほど、確率論的にモノを考える能力は損なわれる。「私が人生
のパートナーとめぐりあう確率はとても低かった。それでもめぐりあった。
だからそうなる定めだったのだ。つまりわれわれがめぐりあう確率は100%で
ある」。どう見てもおかしいし、一貫性に欠ける。
確率論的にモノを考える人は「なぜことがおきたのか」という問いにそれ
ほどとらわれず、「どのようにことがおきたのか」に注目する。確率論的に
考えると、こうなる。「たしかにあの晩、僕とパートナーがめぐりあう可能
性は極端に低かった。でも僕はどこかにいなければならなかったし、彼女も
どこかにいなければならなかった。そして幸い、二人の『どこか』が一致し
たんだ」
確率論的思考をする人は自己のアイデンティティ形成に深くかかわる出来
事に対しても外側の視点でとらえ、幾多のパラレルワールドの選択肢の中か
ら無作為にくじでも引くように決まったものとみなす。正確に先を読むには
確率論的思考が欠かせず、また運命論的思考が確率論的思考を阻害するなら、
超予測者は物事を運命としてとらえない傾向があると推定される。
コメント: 逆説的だが、超予測者は「先のことはわからない」ことを強く
意識する謙虚さをもっているのだろう。わからないことをわかった気になる
と「決めつけ」が生じ、正確な予測からは遠ざかる。そうなると、善か悪か、
敵か味方かといった単純な二元論に走りがちだ。籠屋邦夫著『スタンフォー
ド・マッキンゼーで学んできた熟断思考』(クロスメディア・パブリッシング)
では、著者が提唱する熟断思考を「曇ったフロントガラスときれいなバック
ミラーとサイドミラーを持った車によるドライブ」にたとえている。明確な
過去(バックミラー)と現在(サイドミラー)をもとに不確実な未来(フロ
ントガラス)を読むということだ。超予測も同様だろう。
===
[本棚から一冊]超予測力/フィリップ・E・テトロック他 著
2017/08/25 電気新聞 8ページ 973文字
◆未来見通す価値とその限界知る
◇超予測力-不確実な時代の先を読む10カ条/フィリップ・E・テトロック、ダン・ガードナー 著、土方奈美 訳/早川書房/2200円+税
<評者>国際環境経済研究所理事・主席研究員 竹内純子
「平均的な専門家の予測の正確さは、チンパンジーが投げるダーツとだいたい同じくらいである」
1984年から約20年間をかけて行われた専門家の判断能力に関する評価研究の結果、本書の著者の出した結論は、平均的な専門家の予測は、ほとんど当てずっぽうと変わらないというものだったという。イギリスのEU離脱に関する国民投票や米国大統領選挙の結果に、ご自身の「予測力」にがっかりしたという方も少なくないだろうが、専門家でもそのレベル。がっかりする必要はなさそうだ。
その研究結果を端的に伝える冒頭のジョークがあまりにキャッチーであったが故に、彼の研究成果は、専門家の予測には意味が無い、あるいは、専門家の知識はチンパンジー並みという、本来全く意図していなかったニュアンスをもって受け止められるようになったという。そのことに対する違和感から、あらためて「先を読む」ことを考察したのが本書である。
私がこの本に関心を持ったのは、気候変動対策における予測の価値と限界を考えていたからだ。パリ協定は加盟国に長期戦略の提出を求めているが、2050年の絵姿を描かねばならないのは国家だけではない。気候変動による企業の財務・金融リスクの情報開示を求める動きが強まり、エネルギー関連企業は特に、産業革命前からの地球の温度上昇を2度未満に抑制するというシナリオと、自社の事業戦略や資産ポートフォリオの整合性を分析し、開示することが求められる。
しかし、企業の時間軸とはスケールの異なる超長期の、しかも科学的不確実性を多分に含む2度シナリオとの整合性を考えることは相当に困難だ。未来予測に真剣に取り組む一方で、その限界も踏まえて、予測とうまく付き合わなければならないのではないか。
本書は、予測力を高めるために何が必要かを研究の成果を踏まえて考えると共に、予測の限界もまた説いている。AI(人工知能)に委ねる価値も認めながら、一方で人間の主観的判断の必要も主張する。先を読むことについて「楽観的な懐疑論者」であろうとする著者の姿勢に学ぶことは多くありそうだ。
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先を予測することに長けた超予測者から、予測を行う心得がわかる。○か×の二項対立ではなく、確率で表そうとする点が「シグナル&ノイズ」に通ずる点を感じた。そして、世界で起きる様々な事象をもとにその予測をアップデートしていくという点が面白い。フェルミ推定も取り上げられており、テクニカルな部分でも興味深い。
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新聞、雑誌、テレビなどで様々な予測を目にすることは多く、中には、株式投資のように、その予測に影響を受けた行動をとる人もいることだろう。しかし、そのような予測は、プロ野球の順位予想など一部を除けば、その当否が検証されることはあまりない。
本書は、予測を検証する方法論、優れた予測を行う人の存在、そうした超予測者が行う予測の方法などについての著者の研究成果が紹介されている。こうして見ると、かなりマニアックな内容のようにも見えるが、実際には、エビデンスベースの医療が導入されるまでの歴史とか、予測の失敗例と成功例として取り上げられたケネディ時代のキューバ問題とか、このような予測問題に対して批判的なブラックスワンの著者の意見など、幅広い事象が取り上げられていて、非常に刺激的であった。
本書を読んだからといって、自分が超予測者になれるとは思えないが、ここで紹介された色々な物の見方はいかにも有用そうで、今後、なるべく生かしていきたいと思わせるものがあった。
一つ気になったのは、様々な面でタブーを物ともしないような鋭い切り口の著者であるが、第二次大戦を戦ったドイツ国防軍のシステムや思考方法を賞賛した後で、これについて弁明めいた追記をしているところ。アメリカでは、今も、ヒトラー政権下のドイツ軍に関することを賞賛するのは、よほど政治的に正しくないことなのだろうか。
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P33
予測力というのは本当に存在する。
〜中略〜
測定可能な本物の能力を持っている。
〜中略〜
重要なのは彼らがどんな人物かではなく、どうやっているかだ。
予測力は生まれつき備わった神秘的な才能などではない。特定のモノの考え方、情報の集め方、自らの考えを更新していく方法の産物である。知的で思慮深く意志の強い人なら、誰でもこの思考法を身に着け、伸ばしていくことができる。
超予測者を率いた研究チームの方がこう書いているのだが、にわかには信じ難い。
P241
研究では1つの分野における予測能力は、他の分野では全くと言っていいほど役に立たない。
特定分野であれば予測能力は身につくと。
P344
われわれに必要なのは、予測の評価に本気で取り組むことである。
本書はこの事を繰り返し書いているが、それを個人が果たしてできるものなのか。
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あらゆるテーマに関して予測が高確率で当たる人とそうでない人の違いを研究した本。
著者はブラック・スワンのNNタレブとは予測可能性に関して意見を異にすると言っているが、書いてある主な内容としてはブラック・スワンで語られている不確実性を極力排除した上で意思決定を行う方法をより体系的にわかりやすく解説した感じになっている。
ネイトシルバーも出てくるし割と個人的に好きな人たちの名前が多く挙がっている本。
要は、予測の精度を上げるためには、バイアスを自覚しできるだけ多くの変数を考慮する必要があるという話。
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超予測力を持つ人を、見つけ出し、要因を探る大規模実験。実験内容は秀逸。結局もって生まれたものが大きいという悲しい現実が。。しかしいくつか為になるチップスもあり、予測力を磨く必要がある人間としては読んで良かった。
・超予測者は数学に強い。
・超予測者はこまめに予測を更新する。
・超予測者はニュース、本で知識を貪欲に吸収。
・チームで協働することで各個人の成績も良くなる。
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面白かった。
予測力が飛び抜けて優秀な人は、いわゆる超能力があるわけではなく、やるべき手順を知っていて、それを遂行できる能力がある。
数学が抜群にできなくてもよいが、ある程度の力は必要。この辺はなんとかなる。
ある程度なら自分もできそうではあるが、実際にやれるかは意志の強さが求められる。なかなか難しい。
本書に出てきた、期限を切らず数値で基準も示さず批判する輩には腹がたつ。責任も取らず言いたいことだけ言う人々。そうはなりたくないものだ。
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自分の人生を生き抜くための永遠の課題と捉えている、物事を予測すること。
この問いに対し、心理学的な側面、資質、予測のプロセスについて、実際に米国で研究・検証したケーススタディをベースに、種々解説しております。
巻末に、超予測者になるための心得として、10箇条の要約が明記されております。
心理学的側面では、社会心理学や行動経済学でも登場する、バイアス・ヒューリスティックなど、客観的な視点を歪ませる人の心理が丁寧に解説されてます。
予測のプロセスにおいては、やはりというか緻密で且つ客観性を保持することの重要性を主張しております。「永遠のベータ」であれといういい響きの言葉をいただきました。
なお、様々に集めた情報を「シンセシス(統合)」することの重要性を感じました。この部分が、予測(結論)する上で、最も重要で且つ必須スキルであると思います。
予測に関する書籍を読み漁っていますが、ここの部分について、詳細に綴られているものはなく、ここが形式知化できないコアな部分であると、あらためて感じた次第です。
翻訳書特有の米国人の言い回しの分かり難さで、-0.5点です。
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・超予測者にとって「自らの意見とは死守すべき宝ではなく、検証すべき仮説にすぎない」
・運命論的思考をする人ほど、予測の正確性は低くなる傾向がある。確率論的思考をする人ほど、予測の正確性は高い
・優れた予測と立てるために、超予測者の多くが踏んでいる手順。まず質問を分解する。知りえる情報と知りえない情報をできるだけ明確に選別し、すべての仮説を吟味する。外側の視点に立ち、問題を固有のものではなく、一般的現象の一つの事例として相対的に見る。それから内側に視点を転じ、問題固有の情報に焦点を合わせる。さらに、自分と他人の見解を比較し、類似点と相違点を検討する。とりわけ予測市場など、群衆の英知を引き出す仕組みに注意を払う。こうして得られた多様な見解を、トンボの目のような鋭い単一の視点に統合する。最後に確率を1%単位で示すなど予測はできるだけ精緻に表現する
・思い入れを強く表明するほど、変化への抵抗も強くなる
・優れた予測をするための魔法のような必勝法など存在しない。たくさんのただし書き付きのざっくりとした原則があるだけだ
・特定分野での予測能力を高めたければ、それを繰り返し練習すること、そして、間違えたら、その原因を学ぶ姿勢が大事
・「自分の頭で考えよ」。必要とあれば、命令に異を唱えよ。批判しても構わない。そしてどうしても必要と思ったら逆らうことも厭うな(正当な根拠がないと後々困ったことになるが)
・不愉快な話にも進んで耳を傾けようとする姿勢と、誰もが都合の悪い話を安心して上司の耳に入れられるような文化を組織全体に醸成する必要がある。「型にはまらない因習打破的な発想ができる人材は守り、育てていく必要がある」
・優れた予測に必要な謙虚さとは、自己疑念ではない。自分を卑下する感覚ではなく、知的謙虚さである。つまり現実はどこまでも複雑で、物事をはっきりと理解することが仮にできたとしても、それには不断の努力が必要だ。だから人間の判断には過ちがつきものだ、という認識である
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とにかく冗長。結論はシンプルで「永遠のベータ」すなわちダーウィニズム同様変化に常に対応できる「一貫して一貫性のない」人に予測力は高くそなわるというもの。
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すごく面白いです。未来予測の本であるし、リーダーシップの本でもあるし、投資の本でもあるし、確率論の話でもあるし、機械学習に通づる話でもある。書き口も平易ですごく読みやすい。
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本書は予測力の高い人達の思考方法や行動原理の共通法則を、エビデンスに基づいて整理した画期的な本。本書で紹介している法則は、予測力だけでなく、学問的にも企業活動的にも仮説を立てるにあたって活用すべき思考方法として非常に有効な方法ではないかと思う。研究者、コンサル、行政や企業の企画スタッフ、そしてマネジメントの職にある人たちにとっての必読書。
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予測できることとできないことを明確に
長期的な問題に関する予測はほぼ無理
問題を明確に
自分に都合よく解釈しない
認識のバイアス
大きな問題は小さな問題の集合に分割して考える
フェルミ推定
類似事例をもとにベースとなる確率を設定しそこから予測確率を調整
新たな情報を得た場合は予測を調整
情報の重要性を考慮
他者の意見も予測に反映
自分の考えに固執しない
予測内容は具体的に検証可能な状態で
予測対象、期間、予測結果の指標
どうすれば結果から予測精度を検証できるか
検証時は後付けバイアスに注意