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イスラーム帝国のジハード (講談社学術文庫 興亡の世界史)
著者 小杉泰 (著)
文明の空白地帯、7世紀のアラビア半島で誕生したイスラーム。世界帝国を創出した共存と融和の原理とは。最後のイスラーム帝国が20世紀初頭に滅んだのはなぜか。現代にいたる「力に...
イスラーム帝国のジハード (講談社学術文庫 興亡の世界史)
興亡の世界史 イスラーム帝国のジハード
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商品説明
文明の空白地帯、7世紀のアラビア半島で誕生したイスラーム。世界帝国を創出した共存と融和の原理とは。最後のイスラーム帝国が20世紀初頭に滅んだのはなぜか。現代にいたる「力による布教」のイメージを問い直す。【「TRC MARC」の商品解説】
7世紀、アラビア半島の一角にムハンマドによって確立されたイスラームの共同体。それは人間の平等と弱者救済を訴え、迫害を受けながらアラビア半島全域に広がり、さらにビザンツ帝国、ササン朝ペルシアを滅ぼしてイベリア半島から中央アジアに至る大帝国を築き上げる。多くの異なる民族、多言語、多宗教の壁を乗り越えて大帝国を実現させたイスラームのジハードと融和の原理とは何か明らかにする。
講談社創業100周年記念企画として刊行された全集「興亡の世界史」の学術文庫版。大好評、第2期の3冊目。
21世紀の文明社会に波乱を呼ぶイスラームの原理とは本来どのようなものか、その誕生から歴史的な展開を通じて究明する。
ビザンツ帝国とササン朝ペルシアの狭間にあるアラビア半島は長らく国家をもたない政治的空白地帯だった。そこに7世紀、絶対神アッラーを信奉し、人間の平等を説いて弱者救済を訴えるムハンマドが、迫害のなかイスラームの共同体を建設。マッカ(メッカ)とマディーナ(メディナ)に確立された共同体はやがてアラビア半島全域に広がる。632年のムハンマド死後は、わずか1世紀で西はイベリア半島、東は中央アジアに達したのである。
ムハンマドの後継者たちはアラビア半島の外に溢れ出るように大征服に赴いた。「剣のジハード」によって正統カリフ時代(632~661)からウマイヤ朝期(661~750)に広大な版図が生まれ、都市国家は帝国へと変容、本格的なイスラーム帝国であるアッバース朝(750~1258)の時代を迎える。ジハードはしばしば聖戦と訳されるが、根幹にはいかに社会正義を樹立するかという政治・社会的な課題と信徒が自己犠牲を厭わないという宗教的な命題がある。この原理と融和の原理が合わさって、多民族、多人種、多言語、多文化の人々を包摂し、多宗教をも融和するようなイスラーム帝国が構築された。イスラームを理解するためには、ジハードと融和という二つの原理を忘れてはならないと著者はいう。
〔原本:『興亡の世界史06 イスラーム帝国のジハード』講談社 2006年刊〕【商品解説】
目次
- はじめに 「夜陰の旅立ち」から
- 第一章 帝国の空白地帯
- 古代帝国の間で
- 人類の宗教思想地図
- アラブ人の系譜
- 第二章 信徒の共同体
- ムハンマドという人
- 社会変革の教え
- 第三章 ジハード元年
- 新天地へ
著者紹介
小杉泰
- 略歴
- 1953年、北海道生まれ。エジプト国立アズハル大学イスラーム学部卒業。法学博士(京都大学)。京都大学大学院アジアアフリカ地域研究科教授。専攻はイスラーム学、中東地域研究、イスラーム政治思想史。主な著書に『現代中東とイスラーム政治』(昭和堂、サントリー学芸賞受賞)、『イスラームとは何か』(講談社現代新書)、『イスラーム世界』(筑摩書房)、『ムハンマド』(山川出版社)、『岩波イスラーム辞典』(共編著、岩波書店、毎日出版文化賞受賞)などがある。
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イスラム帝国の勃興
2020/07/22 07:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
当時、片田舎だったアラビア半島からイスラームが一気に伸長して先進地帯のエジプトのキリスト教やイランのゾロアスター教など在地の宗教が塗り替えられたのはどうしてだろうと思っていたがイスラム帝国の領土拡張とイスラム教の布教には時間差があり当初はウマイヤ朝の領域に異教徒がたくさん住んでいたと分かった。むしろビザンツ帝国がエジプトのキリスト教を異端として弾圧していたためにビザンツとの戦いでイスラムに協力するようなこともあったと聞いて急な領土拡張の理由がわかった気がする。
紙の本
イスラーム大帝国を築く原動力、そこにあったジハードと融和の原理を分かり易く解説してくれます!
2020/03/08 10:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、古代においてビザンチン帝国とササン朝ペルシャに挟まれながら政治的には空白地帯であったアラビア半島に現れたムハンマドによって確立されたイスラーム共同体が大帝国を作り上げたそのジハードと融和の原理を分かりやすく解説した興味深い一冊です。ムハンマドが出現したアラビア半島に出現したのは7世紀ごろですが、その当時はまだまだ小規模の集団で、弱者の救済を説いて廻っていましたが、それが徐々に信者を増やし、アラビア半島全土にまで広がり、これまで勢力を誇っていたビザンチン帝国やササン朝ペルシャを滅ぼし、イスラームの大帝国を築き上げました。その原動力はどこにあったのでしょうか。同書では、それを丁寧に歴史をひも解いていきます。
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イスラムを知りたくて読んでみた
2020/06/22 13:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代世界における各宗教の勢力を (信仰心の強さ)X(信者の人数)で計算すると、きっとイスラム教が第一位になると思う。そのイスラム教の歴史的背景を知りたくて本書を読んでみた。
イスラム教の始まりから発展期辺りの様子は大変によく分かった。
教祖が世捨て人だった仏教や、ローマ帝国への犯罪者だったキリスト教と違い、ムハンマドは小なりといえども一族の族長であった。
仏教やキリスト教と違ってイスラム教が政治.経済.風俗.日常生活に細かい規定を設けている理由が分かった気がした。
本書の後半はやや散漫なのが残念。
紙の本
イスラム黎明期部分のみ面白い。
2017/05/04 08:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
初期イスラムの拡大は興味深い。ウマイヤ朝あたりから急に展開が大雑把になり、ジハードの話が続くが、前半と関連が薄く、魅力が薄れた。タリバンやイスラム国などを論じたいならそれこそアフガーニー以降からに焦点を合わせて別に語るべきであろう。腰が座らない残念な作品。