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- カテゴリ:一般
- 発売日:2016/11/24
- 出版社: アルテスパブリッシング
- サイズ:22cm/550,18p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-86559-152-1
- 国内送料無料
紙の本
音楽の原理
著者 近藤 秀秋 (著)
音楽とは何か−。「原理」「コンテクスト」「実践」の3部に分け、物理学、心理学、認知科学、文化人類学、音楽学、音楽理論などあらゆる知の領域を越境し、音楽の淵源にせまる。【「...
音楽の原理
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商品説明
音楽とは何か−。「原理」「コンテクスト」「実践」の3部に分け、物理学、心理学、認知科学、文化人類学、音楽学、音楽理論などあらゆる知の領域を越境し、音楽の淵源にせまる。【「TRC MARC」の商品解説】
物理学、心理学、認知科学、文化人類学、音楽学、音楽理論……
あらゆる知の領域を越境し、音楽の淵源にせまる!
全音楽人必読!
音楽の謎がいま解明される。
◎本多俊之(サックス奏者、作曲家)
音はなぜ音楽になるのか──。
音楽家なら誰もが抱くこの問いに、答えを出そうとする者が現れようとは!
長年スタジオや音楽の現場で積んだキャリアが、その思想に説得力を与えている。
これは音楽をする者すべてが読むべき書だ。
◎小鍛冶邦隆(作曲家、東京藝術大学教授)
歴史にも哲学にも芸術にも
「普遍」を観ようとした19世紀以前の教養主義は廃れ、
音楽が個人的な思い込みに囚われるようになって久しい。
ここに新たに「音楽の普遍」に挑んだ冒険の書が登場した。
◎片山杜秀(音楽評論家、政治思想史研究)
理論と実践、精神と身体の統合──。
“全体性”の魔に取り憑かれた現代の百科全書。
◎喜多直毅(ヴァイオリン奏者)
著者の演奏や作品に強く惹かれる私だが、
この一冊を通して彼の音楽の源を遡り、哲学に触れ、
よりいっそうその魅力の謎にせまることができた。
そして同じ演奏家としていくつもの発見や気づきを与えられた。
音楽にあふれた日々を送っていても、
いつしかその本質を見失いがちな私にとって、
折に触れて立ち返りたいのが本書である。
音楽という事象や様相の論理的解明はもとより、
演奏と作曲にかんする具体的な示唆やアイディアに富むこの一冊を、
多くの音楽家に強く推薦したい。【商品解説】
目次
- 序章 展望
- 第Ⅰ部 原理
- 第1章 身体性
- ◉本章の内容
- 1.1 身体性の属する二つの世界
- 1.2 外部世界
- 1.2.1 真理定立の原理
- 1.2.2 現代物理の上での世界像
著者紹介
近藤 秀秋
- 略歴
- 〈近藤秀秋〉1971年東京生まれ。獨協大学卒。作曲、ギター・琵琶演奏。音楽プロデューサー・ディレクター。録音エンジニア。『クラシックジャーナル』など音楽誌へ原稿を提供。
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紙の本
音楽学と他分野の知見をつないで「音楽の原理」を説明した画期的な本
2017/10/10 03:28
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:musicman - この投稿者のレビュー一覧を見る
音楽学分野における作曲技法の本、あるいは心理音響学の類の本、そのどちらかと思っていたが、まったく違った。これは音楽が起きる際の様々なフェーズにおける諸原理を丁寧に解き明かした本だ。
本書の優れている点はふたつ。ひとつは、音楽を専門にする人に向けて書かれた書籍中、現在の認知科学の知見と音楽を結びつけた恐らく世界で最初の本であろうという点。著者は序章でも終章でも、音楽の原理を「内観・外観・意味の体制化原理」として語っているが、内観と外観は明らかに認知心理学の専門用語である。そして、その体制化の過程で起きる様々がどのような原理のうちに起こるのか、これが丁寧に説明されていて、読んでいて刺激的だ。音という現象がどのように認知され、音楽という現象に変わるのか。音楽という現象とはどういうものであるのか。この説明において、最上位の本ではないだろうか。
もうひとつは、音楽を理解する為に必要でありながら、音楽従事者の中では一般化していない知見はすべて丁寧に説明する点。別の言い方をすれば、エビデンスを明確に示している点。一例をあげれば、普通の音楽書であれば、音といえば「空気振動」、音楽は「音を利用して人間が作った表現」あたりで済ませるだろうが、本書ではこれを音と人間の双方が揃ったときに発生する現象として捉え、物理学と現象学のふたつの知見を提示する事で、音・人間・音楽の3つを同時に説明してしまう。しかしこの説明に必要となる物理や現象学など様々な知見は、義務教育や音楽学の範囲ではない。恐らくそのために、著者が音楽を理解するに必要と考える分野の知見がすべて説明される。第2部「コンテクスト」も同様で、音楽の意味を示すために、意味とはどのような原理を持って起こる事柄であるのかと、意味を成立させるために必要となる世界中の音楽のコンテクスト、このふたつを説明して、無数にある音楽の意味をそれぞれ暗示してしまう。現代の産業音楽の意味を説明する為に、その意味成立のコンテクストとなる資本主義の価値地平自体を説明する、といった具合である。作品の時代考証はクラシックでは一般的だが、それをあらゆる音楽に適用し、かつここまで丁寧に行った音楽書は貴重ではないだろうか。趣味として本書を手にする人にとって、こうしたエビデンスの明示は無用に感じられるかもしれないが(逆に、興味があれば相当に面白く感じるだろう)、新しい知見や推論を提示する学術論文であればこれは当然であって、この事によって本書の学術的価値が高まっている。
部分的な音楽論ではなく、学際的に様々な知見にあたりながら、音楽の原理、意味、実践までを捉えた本。この本は音楽の原理を見事に説明しているが、今後音楽の原理の理解が音楽従事者の間で浸透する事があるならば、この本がその嚆矢となるだろう。