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紙の本
永続敗戦論 戦後日本の核心 (講談社+α文庫)
著者 白井 聡 (著)
【角川財団学芸賞(第12回)】【石橋湛山賞(第35回)】【いける本大賞(第4回)】1945年以来、われわれはずっと「敗戦」状態にある−。政治哲学や社会思想が専門の著者が、...
永続敗戦論 戦後日本の核心 (講談社+α文庫)
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商品説明
【角川財団学芸賞(第12回)】【石橋湛山賞(第35回)】【いける本大賞(第4回)】1945年以来、われわれはずっと「敗戦」状態にある−。政治哲学や社会思想が専門の著者が、一種の義務感や切迫感に駆られて綴った時事的政論。戦争責任をきわめて不十分にしか問うていない戦後日本の問題を改めて指摘する。〔太田出版 2013年刊の一部修正〕【「TRC MARC」の商品解説】
米国に対する敗戦を骨の髄まで内面化する対米無限従属と、一方でアジアに対する敗戦否認。
戦後から内在し、今日顕在化してきた現代日本のねじれた姿を「永続敗戦レジーム」と喝破し、各界に衝撃を与えた注目書、待望の文庫化。
解説・進藤榮一【商品解説】
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紙の本
安全保障×(ただ乗り+無自覚)=リベラルのひねくれ
2023/07/17 21:07
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投稿者:Ottoさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
民主党政権時の原発再稼働から話が始まる、筆者は羹に懲りてあえ物を吹くがごとく原子力基本法の改正で加わった「安全保障」の文字が核武装を意味するのだそうだ(P23)。
本論の目的は「戦後」を認識の上で終わらせることであるという(P31)、では戦後とは「政治、経済、軍事的な対米従属構造(P47)」と、かつ敗戦を認めていない(終戦と言い換えている)状態が永続している、ゆえに永続敗戦だとのこと。そしてこの国の支配層は戦後を終わらせようとせず、永遠に続くものと安住しているとの批判だ。
対米従属でなくなるためには、政治、経済、軍事面で自主独立性を持つことになるが、ロシアによるウクライナ侵攻で国連による集団安全保障が機能しないことが明白になった今、新たな安全保障の仕組みが必要になる。そのためには自主防衛、安保条約の見直し、憲法の戦争放棄条項の改定が必要となるが、この点に反対しているのがこの国の支配層でない人々である。
永続敗戦、米国従属と言いながら安全保障も含めた自主独立(日米同盟の改定も含めた安全保障の枠組みの見直しとそれに伴い必要となる改憲)を邪魔しているのはいったい誰なのかについて踏み込めてない。
筆者は、政治哲学、思想史が専門だが、あとがきでこのような時事的政論というテーマに義務感や切迫感から首を突っ込んだと書いているし、いまや左派系ネット番組にレギュラーで出演し、左派を代表する「アベガー」の一人だ。
安全保障理事会の常任理事国が核をちらつかせながら核を放棄した集団安全保障の枠外にいる国に攻め込むという現実を見て、いよいよ「アベガー」陣営の似非「平和主義」が、かえって戦争を呼び込むことがあるのは、チェンバレンの宥和政策の例を見ても分かるし、もはや現実離れしたものだということが明らかになった。
安倍元総理が暗殺されたことを、良かったと言った大学教授の横で、著者がへらへら笑っているのをYOUTUBEで見たが、平和を唱えながら暴力を容認しているように見える。
本書は、いじめられっ子がひねくれるように長年支持を得られない左派の人達が、相当ひねくれているなと分かる論となっている。