紙の本
手元に置いておきたい1冊
2024/02/28 10:55
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投稿者:ブライアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
さすがの1冊。
ご本人も自信のある本だとおっしゃっていただけあって、読み易いのに読み応えがあります。
登場人物皆が熱く生きているのが伝わってきます。
紙の本
100歳までは…
2022/02/22 07:46
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投稿者:すぎやん - この投稿者のレビュー一覧を見る
惜しい人を失くしました。100歳までは生きてて欲しかったです。
TV番組「徹子の部屋」で、この『美は乱調にあり』を黒柳徹子さんがお勧めしていたので読んでみました。
瀬戸内寂聴さんの本を購入するのは18冊目です。
女性にしか書けないようなお話で、『諧調は偽りなり』も読んでみようと思います。
紙の本
この人ならでは
2017/02/18 23:37
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「伊藤野枝と大杉栄」とサブタイトルにある。大正12年の関東大震災に紛れた虐殺事件に興味を持っていて手に取った一冊だが、副題通り、二人が知り合うまでがページの大部分を占めている。女性の地位向上を目的とする平塚らいてうの「青鞜」が出てくるなど、この作家ならではの一遍。ただし、問題の虐殺事件は、連作の続編を待たねばならない。そこだけ残念。
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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作家ならではの作品かなと思います。昨今この手の作品を書かれる方って少ないですからね、意外と読みやすかった。
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まず驚いたのは、冒頭に著者自身が福岡を訪れ野枝の娘や親族などゆかりの人々に会っている前章が収まっているのだが、近代史上の人物を実際に知る人々がまだ生きていたということ。
ストーリー自体は史実に基づいているので、著者のストーリーテラーとしての力量とはまた別のところの面白さというべき。その面白さも下世話な感じ。野枝も栄もヒロイックに描かれることが最近では多い気がするけれど、読む限りではただただだらしくなく愛欲に耽っているだけという印象しかない。
一応の終わり方が唐突。続編の『諧調は偽りなり』を読まないことには、読み終えたことにならない。
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今は僧侶の瀬戸内晴美さん、作家全盛期の作品。
そこらへんの女性週刊誌も真っ青の、明治大正文人乱脈記。面白いぞー!
日本の女性思想史に燦然と輝く「青鞜」をめぐる男女の交友恋愛が、生々しくて面白い。カッコいい話の裏には恋愛、生活、お金とモメモメ。
特に伊藤野枝には圧倒される。垢抜けない田舎娘と語られながら、なんだろうこの勢い。時代に発情した娘ということしか言えない。バンバン男を変えては子供を産んで、めちゃくちゃ過ぎて、関わった人間は交通事故にあったようなもの。
大杉栄はどうしてこんなにモテるんだろう。危険思想は男を輝かせるのか。ぜひ実物に会ってみたい。
平塚らいてふや神近市子はじっくり伝記を読んでみたい。
お騒がせ娘伊藤野枝と辻潤の家のすぐそばに野上弥生子夫妻が住んでいて夕飯をご馳走したりしていたというのも面白い。
この時代の交流人脈は面白いな。
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伊藤野枝。わずか28年の生涯のうちに、内縁含め3度の結婚、7回の出産を経験し、夫であるアナーキスト大杉栄と共に甘粕正彦に惨殺された女性。
沢木耕太郎セッションズで本書に触れられており、興味を覚えて手にした。いわゆる甘粕事件は、歴史の教科書に記載があるものの、ほんの1〜2行であり、まして伊藤野枝に関する記載はほぼない。このため、ほとんど予備知識がない状態で読み始めた。伊藤野枝が、平塚らいてうの雑誌『青鞜』で活躍した「新しい女」の一人であったこと、その『青鞜』をらいてうから引き継ぎ、立ち行かなくなって休刊させたことなど、初めて知ることばかりだった。
その恋愛遍歴も凄まじい。初めの結婚は1週間で破棄し、英語教師をしていた辻潤の元に転がり込む。妻となり辻との間に2人の子どもをもうけるも、大杉に惹かれて辻とも離縁。大杉と所帯を持つ。ちなみに大杉はこの時既婚で、愛人もいた。ごめんなさい。とてもじゃないが好きになれない。ただ、恐ろしく活動的で、ぶっ飛んだ方だったことはわかる。圧倒され、1日で読了してしまった。
本書は冒頭、瀬戸内さんの回想から始まる。そしてその後は目次も章分けもされないまま、延々と野枝の半生が描かれ、日蔭茶屋事件で大杉が、四角関係に苦しんだ愛人の神近市子に刺されるところで唐突に終わる。そう、これはまだ物語の半分でしかなく、続編の『諧調は偽りなり』への助走なのだ。
なおこれは御歳98歳の瀬戸内さんが40代、まだ俗世にいて晴美と名乗っていた頃の作品である。つまり半世紀も前の作品(寂聴さん凄い!)であり、その後、新たな事実も見つかっている。たとえば辻の不倫相手については寂聴さんの創作との反証が親族から挙がっている。
本書を読むと、当時の女性活動家のサロンの雰囲気が伝わってきて、「おお、この人とこの人が」と意外なつながりに驚かされる。そして、今も当時と同じ主張が女性からなされていることに気づかされる。歴史的事実と創作部分を明確にしたいなら、本書からさらに専門書にあたると世界が広がるように感じる。
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婚家からの出奔、師・辻潤との同棲生活、『青鞜』の挑戦、大杉栄との出会い、神近市子を交えた四角関係、そして日蔭茶屋事件―。その傍らには、平塚らいてうと「若い燕」奥村博史との恋もあった。まっすぐに愛し、闘い、生きた、新しい女たちの熱き人生。(e-honより)
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瀬戸内寂聴は「夏の終り」しか読んでいなかったので、もう一冊読んでみようと手にとってみた。
平塚らいてうの「青鞜」を引き継いだ伊藤野枝という女性を中心に、その周辺にいる夫の辻潤と大杉栄、らいてうらを描いた伝記小説。
先進的で活動的な女性だったのだろうが、結局のところ痴話喧嘩や恋文のやりとりを雑誌に載せたり、メディアがセンセーショナルに取り上げたりという下世話な話が多く、途中でどうでもよくなってしまった。
226ページで挫折。もう読まなくていい。
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伊藤野枝の前半生(28才で夭逝するのでそもそも短いのですが)、辻潤との結婚生活から日陰茶屋事件までを一気に描いています。
再婚した大杉と、憲兵に捕まり虐殺された経緯から、バリバリの社会活動家、というイメージが着くかもしれませんが、瀬戸内さんの丁寧な描写と確かな調査で、そのような印象は受けなかった。
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当時の価値観からはみ出した斬新な生き方を行動で示した伊藤野枝。しかし、瀬戸内寂聴さんの描く野枝に親近感を覚えるのは、これまでに読んだ野枝関係の本に比べて、野枝が美化されていないからだろうか。
野枝の自己中な生き方、恋愛相手に対する露骨な媚態の描写から、野枝嫌いになるかもしれないが、そういう描写があるからこそ、親近感が生じてくる。
大杉栄の「フリーラブ」は、たぶん多くの読者は共感できないのではないだろうか。そういう意味では大杉栄も特別な人間として持ち上げられていない。(政治的思想と出版活動には一目置くとして)ただ、大きな瞳と優しさをもつ大杉に、性的魅力を感じる女性は多かったのだろう。
平塚らいてうと奥村博史の恋愛も、どこか現代のわれわれにも通じるところがあり、らいてうが「ふつうの女」に見えてしまう。我々と同じように恋に走ってしまうような人が、歴史に名を残すような行動を取るというところが興味深いのだが。
奥村博史の魅力や生い立も詳しく、この点は新鮮だった。
こうして読後感を言葉にすると、「みんな、そこらへんにいそうな人たち」というこになってしまうが、つまり瀬戸内寂聴さんは、人間の普遍的な側面(とくに恋愛をしたときに、人はどうなるのか)を描くのが徹底的に上手いのだと思う。
本書の続編『諧調は偽りなり』上巻を読み始めましたが、これがまた面白いです!!!
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先日NHKの「風よあらしよ」を見て原作も読んでいたので、そのダイジェスト版の様な作りにガッカリした、そこで元祖野枝の物語とでも言うべき本書を読まざるを得ない。村山由佳の作は野枝主観の作品であったが、本作は野枝の周辺から描いた野枝の風景とも言うべき作品でノンフィクション風でもあった、それと辻潤が意外といい男に描かれており驚いた。しかし本書では神近市子の刃傷沙汰で終わっており、野枝と大杉栄の最後は描かれていない「諧調は偽りなり」を読めと言う事らしい、しかし甘粕大尉の話は気分が悪くなるので嫌なのだが。