紙の本
個人書店がまちづくりの中心になる
2017/08/18 01:13
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投稿者:アキウ - この投稿者のレビュー一覧を見る
福岡の書店「ブックスキューブリック」店長によるエッセイ。
30代後半、書店員未経験の状態から脱サラして書店を開業するという、ちょっとすごすぎる経歴。
「個人書店がまちづくりの中心になる」という力強い宣言どおり、イベントの積極的な開催や情報発信、カフェやパン屋など地域に根ざすことを目的とした多角的な経営展開など、明確なビジョンに基づいて前に進み続ける姿勢が素晴らしかった。
人を巻き込む力と熱量がハンパないと思います。
ミニコラム的に入ってくる、若い人に向けての読書論や仕事論も面白いです。
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農業の6次産業化のように
今注目されている本屋、生き残っている店というのは
本屋の場合でいうとその店自体がメディアになってしまう事なんだなぁと思った。
ベストセラーをより売るんじゃなくて
なんか面白そうなことやってるから覗いてみようというところから
色々派生させていっている。
まさに街の本屋
ただこれだけ情報過多になっているときに
ライフスタイルも含めて提示し続けているのは並大抵ではない。
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僕が好きな福岡の街の本屋。
小さくも温かく、そのお店には安心感とわくわくした興味が内包されている。
そこに行けば、自分の知らない新しい何かが待ち構えているような。
そんな感情を抱かせてくれるお店。
なぜ、店主がこの本屋を作ろうと思ったのか。
どうやってこの本屋を作ったのか。
そしてそこに関わる街の話、人の話。
この本を読んで感じたのは、このブックスキューブリックというお店は、何か一つの考えから生まれたのではなく、きっと様々なセンスのいい色々なものから影響を受けつつ、生まれ、そして福岡の街で育まれてきたのだなということです。
たくさんの人の生活に影響を与え、そしてたくさんの人たちに愛され、支えられるこのお店が、この先どのようになっていくのか、非常にワクワクしながら、見ていこうと思います。
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アマゾンにゲームを変えられ苦戦する小規模書店。引き寄せられるよに故郷福岡で書店を立ち上げた著者の経験が込められた一冊です。独特な販売方法の書店のルールに振り回されながら、集客の方法を探る努力はあっぱれです。成功する理由はあるが、誰でも簡単に真似はできないと感じた。実際現地に行って来ました。箱崎店のパンは、本と一緒に買う違和感はありますが、美味しいです。
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福岡の書店、ブックスキューブリックの店主、大井実さんの語る、開業からこれまで、今、これから。
ほとんど経験の無い状況から、名店と呼ばれる本屋になっていく過程が綴られている。
途中、大切にしたいコトバにいくつも出会った。
その度に付箋を貼っていたら、付箋だらけになった。
やはり、他の本屋さんの考えに触れるのは刺激的。
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こんな本屋さんが近所にあったらいいな...そんな本屋さんを立ち上げた過程がわかる本です。
本が好きなだけでなく、自分が好きな本を読んでもらうためにはどうすれば良いかというところまで踏み込んで書かれています。
いろいろな本の紹介もあり、この本もほんの案内人として立派に活躍しています。知らない本の事や、読んだけどこんな言い回しがあったっけという点に気づかされます。
ブクログをつけている人はぜひ読んでもらいたい本です。
将来自分たちが読みたい本を読むためにできることを考えるきっかけになればいいですね。
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福岡市けやき通りにある本屋さん。熊本長崎書店。本屋Ttitle。ウィー東城店、スタンダードブックストア。だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ。子どもの本屋、全力投球!ぼくは本屋のおやじさん。晶文社。アルケミスト―夢を旅した少年。ブックオカ。赤頭巾ちゃん気をつけて。
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著者の価値観に共感できるところが多かった。
本屋に興味がある人だけでなく、地域で小さな商売をしていきたいと考える人にははまるところがあるかも。
「地域と結びついて身の丈で生きる人生には、何ものにも代えがたい精神的安定感がある。」
ところどころ本の紹介もあり、ブックガイド的な側面も。また読書が広がりそう。お店にも行ってみたい。
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あとがきの言葉〝「みんなを幸福にするにはどうしたらいいのか」を常に考えているつもりです〟この覚悟はすごいな。一冊通してグッと刺さる箇所は多々あるが、この覚悟を聞いて気安く感想が言えなくなった。ただ、何かの折に何度も読み返すであろうこの書籍を、一生大事にする。
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福岡の小さな本屋さんである「ブックスキューブリック」の開業に至るまでから、商いを通して感じたこと、これからの本や本屋に対する考えまで。
本のお祭りであるブックオカを開催したり、トークイベントやパン工房もあるカフェを併設したり、活動的。
これからも必要とされる本屋はただ受け身の「待ち」のビジネスではなく、積極的に活動する「街」のビジネスなんだと分かった。
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★★★2019年1月レビュー★★★
本というものの素晴らしさ。
本屋が存在することの意味。
大切なことを改めて教えてくれる一冊。
『キューブリック』という福岡県にある本屋。福岡に住んでいたときにたまに行っていた。箱崎店のほうだが。当時から、居心地がよく品揃えにこだわった本屋だと感じていた。
小さな店だが、その「狭さ」こそが武器だという。
大型書店だと、たくさんの本をそろえることができるが
そこを訪れた人は本を探すのに疲れてしまう。
しかし『キューブリック』は著者でもある店主が選んだ、本当に良い本だけを置いている「セレクトショップ」だから、訪れた人に「本との出会いの場」を提供できるのだという。
もし自分が本屋を開いたら、どんな品ぞろえにしようか・・・なんて夢想しながら読むのも楽しい。
そして本屋は、「文化の発信地でありまちづくりの中心になる」という考えは感動的、心から同意したい。
この本では、個人経営で頑張っている個性的な本屋の紹介や、オススメの書籍の紹介もしている。
荻窪の書店『Title』は近いし、一度訪れてみたいと思う。書籍では『就職しないで生きるには』というのが気になった。
本屋を開くためのノウハウ本として、出版業界の仕組みを知る本としても有効なのではないだろうか。
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2019/01/29 図書館
こだわりのある書店主の話.
一定の評価を受けるには,人よりちょっと飛び出るか,尖ったこだわりが必要ということだろう.
あとは,自分の情報,ノウハウを他人に提供することを惜しまない.
これが,最大の情報収集になる.
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以前読んだ『本屋がなくなったら困るじゃないか』の
企画元であるブックオカを主宰している方の本。
個人で本屋を始めるいきさつから、
地域の中に定着し広がっていく15年の記録。
読み進むのが大変なほど、みっちりと濃い。
限られたスペースの中に置ける本を選ぶことが、
そのまま店の個性になる。
可能性を広げていくと、
雑貨やカフェやイベントなども、本屋の中に入っていくのも面白い。
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・トークイベントは、本で得る情報が何倍にもふくらむ「体感」の場。
・本屋は「三方よし」を地でいくことのできる商売。本屋は文化的で信用されるいい商売。
・読書は考える習慣。自問自答することの大切さを学ぶ。
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九州・本・社会のいずれかに関心がある人に全力でオススメ。
《読書に関して書かれた文章の中で今までに一番しっくりきたのが、イタリアの文学者ジャンニ・ロダーリの次の言葉だ。
「みんなに本を読んでもらいたい、文学者や詩人になるためではなく、もうだれも奴隷にならないように」
おのれの頭と体を使って自問自答することの大切さを、シンプルな言葉でこんなに見事に言い切った文章は、やはり文学者や詩人にしか書けないと感動した一文だ。》
《社会学者のレイ・オルデンバーグが、「サードプレイス」という観念を提唱したのは四半世紀ほど前になる。家庭と職場の間をつなぐ居心地のよい第三の場所が現代社会では重要であるとし、その成立条件をいくつか挙げている。書店に併設されたカフェで行われるトークイベントは、まさにこの「サードプレイス」の条件を数多く満たしているようだ。》
《本屋はその「三方よし」を地で行くことのできる商売だ。単に本を売るだけではなく、カフェを併設することで大人の居場所を作り、イベントで人をつなぐ、というように社会的な活動にまで広げている。お客さんとお店はもとより、世間=社会にいい影響を及ぼすことができる仕事なのだ。誰も彼もが大企業や役人を目指すのではなく、商売人を目指す人も増えてくればいい。そんなジャンルにもっといい人材がシフトしていくような社会になるべきだと思う。店を輝かせることによって、自分の個性を表現でき、町とつながっていくような生き方はいいよと呼びかけていきたい。》
《本屋というのはインフラのようなものだ。町に絶対なければならないものだと思っている。そんな草の根的なインフラを維持するための重要な拠点だ。》
《本屋を一冊の雑誌になぞらえれば、並んでいる本はそのなかのひとつひとつの記事のようなものだ。並べる本を変えることで、まったくちがうメディアを作り出すことができる。その意味では、本屋の選書・陳列は、一種の編集作業のようなものだ。もちろん読者が追いついてこないひとりよがりの編集ではまずいが、一般の人間の潜在的な関心と社会の様々な問題の接点を探る作業は常に続けていかなければならないと考えている。》