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投稿者:言音 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公がクズで共感できない、との感想をちらほら見かけたが、私は共感できたしクズだとも特に思わなかった。それは行動に思考が伴っていたからだと思う。主人公の神名の周りには男友達、女友達、恋人、愛人、行きつけのバーの店主、仕事相手など様々な人がいて、それぞれの価値観を持っている。神名は会話した事全てに影響される訳ではなく、かと言って否定する訳でもなく、思考している。考えることを放棄せず、傷付くことから逃げない神名が私は好きだった。
紙の本
読みやすい
2018/05/22 14:47
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投稿者:さか - この投稿者のレビュー一覧を見る
特別な男ともだちのハセオ。
出てくる登場人物はみんなクズだけど、
読みやすくて、あっという間に読んでしまった。
他の「新井賞も」読んでみたい。
電子書籍
ともだちとは
2022/10/31 19:37
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投稿者:yomogi - この投稿者のレビュー一覧を見る
大切だから、ずっと一緒にいたいから、恋人にはならない。わかる。しかし、男女の友情は成立するのか?私はする派だったが、しないんだということを身をもって知った。
読んでいて自分と重なりともだちとはなんなのかよくわからなくなった。
電子書籍
わがまま
2019/11/30 23:41
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投稿者:ワガヤ - この投稿者のレビュー一覧を見る
バッサリ言ってしまうと、わがままな女という感じ。どこまでいっても性格は変えられないし、わがままで、それを受け入れてくれる存在はありがたいのだなと思う。
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投稿者:tika_satoru - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の葵も、ハセオも、愛人も、クズ。
タイトルがずるい。男ともだち、なんて言葉がずるい。
友達以上恋人未満の、ややこしい関係性。
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いつ会っても変わらず気を遣わずに済んで、甘えて頼って失いたくなくて、ある意味恋人よりも大切で。
でも一線は越えない、越えたらきっと壊れてしまう関係。恋愛感情とはまた違う淡い執着心と依存。
凄い分かる。確かにそういう存在が必要な時はあって、それに救われたりもするし分かるんだけど、でもこれを「男ともだち」と呼んではいけない気もする。
さすがにハセオは女側から見て都合が良すぎるし。
彼氏とハセオの二択ならまだ分かるんだけど間に愛人がいて、しかも調子に乗ったその愛人をハセオがやり込めるって辺りが特に。
最初は妙にプライドが高い上に彼氏をキープしながら愛人とセックスしてハセオの腕枕で眠る身勝手な神名の好感度は低いけれど、読み進めると最低だという印象は変わらないままなのに仕事で悩み落ち込み、やがて浮上する様子が少しずつ自分の感情とシンクロしてくるのが不思議。
でもやっぱり私は神名にも美穂にもならないなあ…。
個人的には男女の間にこういう危うさのない純度100%の友情でも成立すると思ってる派です。
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一番大切な人だから、ずっと一緒にいたいから
恋人同士にはならない。
頭では理解できるものの、そんな蛇の生殺しみたいなのやめてくれ~・・・と思ってしまうのだ。
異性に対しての『好き』ってなんだったっけ?・・・と、
ゲシュタルト崩壊を起こしてしまいそうな物語でした。
浮気することになんの罪悪感も感じない主人公の神名と
恋人が何人もいる男友達のハセオ。
恋愛に夢も希望もなく欲望のはけ口くらいにしか考えていないから、
恋人同士になってしまったら、関係がダメになると思い込んでしまっている。
自由なようで実は不自由な人たちなのだけれど、
自分の価値観と美学を信じて前向きに生きようとする姿は凛々しくてとても好感が持てました。
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あーーーーーー。
京都で学生時代を過した作家は、京都を舞台にした作品を書きがち。そして地名や通りや実在のお店なんかを詳細に書きがち。
それは置いといて、またなんか刺さる作品だった。ぐさぐさ痛いというよりは、なんだか切ない痛み。郷愁とやや羨望が入り混じった複雑な気持ち。
京都の大学を出て、京都に住んだままイラストレータの仕事をしている主人公、神名。一緒に暮らしている年下の恋人とは、お互いの自由な生き方を尊重するという言い訳のもと、向き合うことを避けている。
愛人の真司さんは妻子ある医師。馬鹿馬鹿しさ以外に浮気の楽しみなんてない。
そんな神名の「男ともだち」、ハセオ。
一緒の部屋で抱き合って眠るけれど、身体の関係はない。何でも話せて、いつでも慰めてくれる優しい存在。
ハセオとは今のままがいい。濃い関係は、はじめたらいつか終わってしまう。
「男女間の友情」という生易しい言葉では表現できない何かが、二人の間にはある。
友情でも愛情でもなく、親子の愛のような。魂の双子。
どう見ても屑な主人公で、いつ転んでしまうんだろうとひやひやしながら読んでいたけれど、ハセオとはプラトニックを貫いて、付かず離れずのいい距離で最後は前を向いて歩いていく姿が眩しかった。
ありがとうハセオ、と思った。ハセオは屑だけど、心は屑じゃなかった。
そして私は神名のことを心底羨ましく思った。
「一人が怖いのはみんな同じ。」
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好き。だが、この感覚を分かる人間はなかなかいないのかもしれない。背景に、主人公である神名が過去に性暴力の被害に遭っていたからこそ、セックスに幻想を抱けなくなってしまったのだろう。すごいわかる。
賞レースの人間にそこのところの想像力をもっと、と思ってしまうのは期待し過ぎなのだろうなあ。
ともかく、この物語に共感する人はこの日本に必ずいる。たとえそれが少数派だとしても、その人数は決して少ないわけではない。
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セブンルールを観て「新井賞」入賞作品というのを借りてみた。
うーん、これを推した方はこういう生き方に憧れがあるのかと思ってしまった。
すごくおススメ!とおっしゃっていたので…期待を持ちすぎたかな。
なんだか都合の良い話にしか思えず。
彰人さんとは早く別れたら良かったのに…同居人以下?になる前に。
自分的にはこの人が一番かわいそうな気がした。
ハセオは(女性関係は)口ほどではない、と思いたかったが、そうでもないし。(笑)
いろんな女性(人妻にも)に手を出しながらも、自分のテリトリーは守る。
そのテリトリーに入れるのは「女ともだち」の主人公だけ?
自分を棚に上げ、医師をやり込めるシーンはなんだか嫌悪感も。
新井賞、他の作品を読んでみよう。
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どっかによりかかりたいし、必要とされたい。
そういうことなんだと思う。
(以下抜粋)
○無心でやったらいいんだ。そしたら気付けば時間は経ってる。回り道に思えても、仕事で無駄なことなんかないんだから、ふり返ってみたら絶対何かは得てるんやって。(P.175)
○描きたい、と思う。ただの肉体である自分の中に残ったゆるぎないものを、結晶のような光るかたまりに変えて、紙の上に落としたくなる。
孤独だ、と感じる時ほど、純度の高いものを描ける。足りないものがある時ほど、自分のりそうがくっきりと見える。さびしいけど、事実だ。(P.143)
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京都の街や風景描写には感情移入しやすかったが、描き込み過ぎで行間を読む楽しみは与えてもらえなかった。きっと私は完璧な作文よりも荒削りな小説の方を愛するのだろう。
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ハードカバーの方も、図書館で借りて読んだのですが、好きだと思いました。まだ、他の作品は、『クローゼット』を読んだだけですが、好きな作家さんだと思っています。私もハセオみたいな存在が欲しいです!
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映画やドラマ化されそうなお話だなぁ、というのが通読しての感想。
登場人物の誰しも身勝手で自由奔放で友達にはなりたくないなぁと思いながら、ぐん、と加速して動き出していく物語にいつしか目が離せなくなってしまう。
ハセオと神名の関係はとても理想的で、誰もが羨むようなものに思える。
だがこれがフィクションの中でしかなしえない憧れ、とただ無残に切り捨てられないような気もする。
ザクザク胸に迫ってくる無惨さが興味深くあった。
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これは何を見せさせられているのだ。
関係の冷めた恋人 彰人、不倫相手の医者 真司、やりたいことが分からなくなってるイラストレーター 葵。
そこに久しぶりに大学の先輩ハセオから連絡が来る。
よく飲み会などで行われる「男女関係の友情は成立するか」という不毛な議論を思い浮かべた。
一つ屋根のしたにいたら何かが起こる
起こらないほうが女性に失礼だ。など
だがハセオと葵は肉体関係には至らない。
「穴に一回入れてしまえばもう戻れない。
だったらその穴がどんな世界最高の穴か考えてるほうが幸せだ」とハセオは言う。
このセリフを本心で主人公に対して言っているのか
どう思っているのかはわからない。
これは理想の関係で創作の中だから成り立っているといえばそれまでだ。
ただ葵が今までのドライな、さめきった判断基準を捨てて少しでも違う決断をした時。こういう男ともだちが本当にいてくれたらなぁと切に願う。