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紙の本
中国俠客列伝 (講談社学術文庫)
著者 井波律子 (著)
長い時間帯を通じて危機的状況になるたびに蘇る、中国の“俠”のイメージの真髄とは何か。春秋戦国から清末まで、身命を賭して世界を変えた勇者たちの、痛快無比、豪放磊落な世界を紹...
中国俠客列伝 (講談社学術文庫)
中国侠客列伝
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商品説明
長い時間帯を通じて危機的状況になるたびに蘇る、中国の“俠”のイメージの真髄とは何か。春秋戦国から清末まで、身命を賭して世界を変えた勇者たちの、痛快無比、豪放磊落な世界を紹介する。【「TRC MARC」の商品解説】
「弱きを助け、強きを挫く」侠者たちの壮挙。替天行道、一諾千金……。信義を重んじ、自らの命を賭して果断に行動する侠者たち。血湧き肉躍る痛快事を次々と実現するアウトロー達の強さと優しさを読み解く。
侠客の原点は、信義を重んじ個人的利害を度外視して、時には命がけで弱きを助け強きを挫くことにあります。わが国では、侠なる人々が表立って登場するのは、近世江戸時代以降だが、中国の侠の歴史は、古代にまで遡ります。
中国史上、「侠者」が出現するのは、諸国が分立した春秋時代(前七七〇―前四〇三)以降です。春秋時代も後期に入ると、老子、孔子、墨子など、乱世において、人はどう生きるべきか、社会はどうあるべきかを模索する思想家があらわれ、こうした思想家と侠者の共通性があります。
孔子は、「義を見て為さざるは勇無き也」など、信義を重視しました。また、「言必ず信、行必ず果」など、個人の不屈の意志や行動力を称揚します。老子にも「大道廃れて仁義有り云々」と仁義を強調する発言があり、墨子は大国が小国をむやみに圧迫・攻撃することに反対して、「非攻」論を唱え、「弱きを助け強きを挫く」を実践しました。道家にも墨家にも侠者の精神に通じるものがあるのは確かです。
信義を重んじ、果断に行動する侠者的存在は、乱世のエトスのなかから、儒家、道家、墨家などの思想と軌を一にして生まれたようです。侠の精神に、これらの思想と共通点があるのも当然でしょう。
本書は、歴史と物語の両面から、『史記』『三国志』などの歴史書、『水滸伝』『聊斎志異』や元代の戯曲などから、選りすぐりの中国の侠者の変遷を具体的にたどり、スケールの大きな大陸的「侠」の世界に遊びます。【商品解説】
目次
- はじめに
- 実の部 歴史上の侠
- 第一章 輩出する侠者たち 春秋戦国時代
- 第二章 変わりゆく遊侠無頼 漢代
- 第三章 三国志の英雄 三国六朝時代
- 虚の部 物語世界の侠
- 第四章 超現実世界の物語――唐代伝奇の侠
- 第五章 侠者のカーニバル――『水滸伝』
- 第六章 舞台の上の侠――元・明・清代
- 結びにかえて――清末にみる侠の精神
著者紹介
井波律子
- 略歴
- 井波律子(いなみ・りつこ)
1944年生まれ。京都大学文学部、同大学大学院文学研究科博士課程修了。中国文学専攻。金沢大学教授、国際日本文化研究センター教授を歴任、現在同センター名誉教授。著書に、 『読切り三国志』 『中国のグロテスク・リアリズム』 『酒池肉林 』『中国のアウトサイダー』 『三国志演義』 『裏切り者の中国史』『中国的大快楽主義』『中国の隠者』 『中国ミステリー探訪』『トリックスター群像』(桑原武夫学芸賞)『中国の五大小説(上・下) 』、訳書に『三国志演義』など。
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信義を重んじ、自らの命を賭して果断に行動する「侠者」の歴史を追います!
2020/03/20 12:02
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、我が国の歴史でもよく登場してくる、信義を重んじ、自らの命を賭して果断に行動する「侠者」と呼ばれる人々に焦点を当て、こうした人物がどうして登場してきたのか、彼らの強さとその心の優しさを史料を駆使して丁寧に読み取った一冊です。著者によれば、「侠者」の原点は、信義の重視と個人的利害の度外視、そして必要とあれば、命がけで弱きを助け強きを挫くことにあると言います。そして、日本では、こうした「侠者」の登場は、近世江戸時代以降となりますが、中国では古代、すなわち、諸国が分立した春秋時代にまで遡ると指摘します。同書では、こうした人情味あふれる「侠者」の歴史とその性格を追った非常に興味深い一冊となっています。