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シリア情勢 終わらない人道危機(岩波新書 新赤版)
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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2017/03/22
  • 出版社: 岩波書店
  • レーベル: 岩波新書 新赤版
  • サイズ:18cm/169,15p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-00-431651-0
  • 国内送料無料
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紙の本

シリア情勢 終わらない人道危機 (岩波新書 新赤版)

著者 青山弘之 (著)

「今世紀最悪の人道危機」と言われ、幾多の難民を生み出しているシリア内戦。なぜ、かくも凄惨な事態が生じたのか。混乱発生以降のシリア国内外の動きを具体的、網羅的に記述し、複雑...

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シリア情勢 終わらない人道危機 (岩波新書 新赤版)

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商品説明

「今世紀最悪の人道危機」と言われ、幾多の難民を生み出しているシリア内戦。なぜ、かくも凄惨な事態が生じたのか。混乱発生以降のシリア国内外の動きを具体的、網羅的に記述し、複雑な中東の地政学を読み解く。【「TRC MARC」の商品解説】

なぜ、かくも凄惨な事態が生じたのか。複雑に入り組んだ中東の地政学をわかりやすく読み解く。【本の内容】

著者紹介

青山弘之

略歴
〈青山弘之〉1968年東京生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。東京外国語大学総合国際学研究院教授。専攻は現代東アラブ政治、思想、歴史。著書に「混迷するシリア」など。

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みんなのレビュー2件

みんなの評価5.0

評価内訳

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紙の本

万人の万人に対する闘争

2017/05/25 02:54

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:親譲りの無鉄砲 - この投稿者のレビュー一覧を見る

評者は、2012年刊行の国枝昌樹著「シリア」を必読文献だと思っている。ただし、その後のシリア情勢に大きな変化もあった。化学兵器使用疑惑、イスラーム国の台頭、ロシアの本格介入に伴う空爆、ホワイト・ヘルメットの登場等。本書は、我が国指折りのシリア研究者がこれらを網羅した、up to dateな内容のシリア情勢解説書。しかも、公正さを期そうと努めた細心の意図が汲みとれ、好感が持てる。論点は国枝氏のそれに近い。
 シリア内戦を「アサドの独裁政治」対「国内の民主化勢力」のように単純に図式化する報道や解説は適切ではなく、「民主化」、「政治化」、「軍事化」、「国際問題化」、「アルカーイダ化」の五つの局面の複雑な絡み合いを解きほぐすことが必要、と著者は繰り返し主張する。しかも、初期の諸外国の対応は、反体制派への外人兵士等の武装援助であり、「内戦」という呼称自体も厳密性を欠く明らかな内政干渉であった。本書の解説は、新書の限られた紙幅にも拘らずこの五つの局面を押さえることにより難解な情勢を鮮やかに読み解く。シリア情勢に関心のある読者はぜひ手に取ってお読みいただきたい。以下は、著者の主張そのものというより、評者の読後感的備忘録の様なものである。
 「アラブの春」と呼ばれるアラブ諸国に突如巻き起こった「民主化運動」をアサド政権は極度に警戒していたが、その初期対処については確かに誤った。それにより、米国を筆頭とする諸外国は、「アサド政権の残忍性」を喧伝し、あけすけに言えばアサド政権転覆の正当化につながるような主張を繰り返した。その結果、彼らは「反体制派」と呼ばれる勢力の支援にまわったのだが、その指導者の多くは「ホテル革命家」と呼ばれる連中で、局面の流動化とともにいち早く国外脱出をしてしまった。おまけに「反体制派」は一枚岩ではなく、「反体制派」間の抗争も本質的な人道危機を深めてしまった。米国等は正義の穏健な反体制派対残忍な政府軍の図式の下に、素早くアサド政権転覆を図りたかったようだが、武装闘争である以上、その「穏健さ」には欺瞞があった。逆に、反体制派のアルカーイダ化進み、国際テロ組織として邪悪視されているイスラーム国が最大の反政府軍、という状況を西側諸国は作ってしまった。また化学兵器使用疑惑を煽り、本格的な直接武力介入のチャンスも窺ったが、国連の調査結果ではむしろ反体制側の使用が強く疑われるケースが多く、その目論見は失敗した。ロシアの本格介入(アサド政権を直接支援)により、イスラーム国の勢力は弱まり、一番カオス的な状況だった最大の商業都市アレッポを政府軍が奪還するに至り、潮目は劇的に変化しつつある。西側メディアは、アレッポ東部の25万人の市民がシリア・ロシアの無差別爆撃に抵抗している、と報じたが、降参してシリア政府によりトルコ等への人道的な脱出猶予措置で同地を去った反体制派とその家族は高々3万5千人だった。残留した多数の市民は、アサド政権の延命を許容しており、逆にイスラーム過激派により人間の盾として拘束されるという人道的危機に見舞われた実態があった、と強く懸念される。また、一部英雄的に称揚されたホワイト・ヘルメットも、その作為性が強く疑われるべきいかがわしい組織と感じる。主流メディアの偏向報道が世界の見方を大きく歪める実例として、強く記憶に留める必要があると感じる。なお、クルディスタン自治組織ロジャヴァには未来があるのではないか。シリアに和平がもたらされた暁には彼らに民族自決権を与えなければいけない時代が来るように感じる。

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2017/04/17 00:33

投稿元:ブクログ

 アメリカが4月6日に行ったシリアへのミサイル攻撃を受けて読もうと思った次第。2017年3月発売ということでごく最近までの動きが分かります。
 アサド政権の成り立ちやアラブの春以降のシリア国内の内戦の推移、シリアを巡る外国諸国の打算的な動き等々が淡々と書かれています。
 まさに泥沼と言うべき事態が延々と続きますが、以下の描写を読んで特に絶望的な気分になりました。

>欧米諸国の負担とイスラエルの安全保障上の脅威を必要最小限に抑え続けようとすれば、アサド政権の指導のもとでシリアが「強い国家」として復活を遂げ、政治的、軍事的な存在感を増すことは好ましくない。その一方、アサド政権が倒れて、体制転換が実現しても、シリアの安定や安全保障上の役割が維持される確実性もない。欧米諸国にとって、唯一のプラグマティックな選択肢とは、アサド政権と「反体制派」が際限のない武装闘争を続けることでシリアが「弱い国家」として存在し、彼らが期せずして欧米諸国にとって利用価値のある振る舞いをすることだけなのである。

 シリア情勢は複雑怪奇で、自分でもきちんと理解できた自信はありませんが、とりあえず次のような認識を持っています。
・シリア国内はアサド政権と反体制派とイスラム国による三つ巴の戦いのような様相を呈しているが、反体制派とイスラム国は共闘しているようなところもあり、西洋諸国がシリア内戦に介入する理由として「イスラム国との戦いのために反体制を支援する」というのは現実的には成り立っていない。


 シリア問題に関心があるけどこれまでの経過などがよく分からないという人は、まず『中東崩壊』(日経プレミアシリーズ)を読んで、中東全体の近年の動きの概要を掴み、この本でシリアを巡る動きの詳細を知るという方法が良いのではないかと思います。

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