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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2017/04/21
  • 出版社: 新潮社
  • サイズ:20cm/460p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-10-335532-8
  • 国内送料無料

紙の本

BUTTER新刊

著者 柚木 麻子 (著)

結婚詐欺の末、男性3人を殺害したとされる容疑者・梶井真奈子。30代の女性記者・里佳は梶井への取材を重ねるうち、欲望と快楽に忠実な彼女の言動に翻弄されるようになっていく…。...

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商品説明

結婚詐欺の末、男性3人を殺害したとされる容疑者・梶井真奈子。30代の女性記者・里佳は梶井への取材を重ねるうち、欲望と快楽に忠実な彼女の言動に翻弄されるようになっていく…。『小説新潮』連載を加筆・修正。【「TRC MARC」の商品解説】

木嶋佳苗事件から8年。獄中から溶け出す女の欲望が、すべてを搦め捕っていく――。男たちから次々に金を奪った末、三件の殺害容疑で逮捕された女、梶井真奈子。世間を賑わせたのは、彼女の決して若くも美しくもない容姿だった。週刊誌で働く30代の女性記者・里佳は、梶井への取材を重ねるうち、欲望に忠実な彼女の言動に振り回されるようになっていく。濃厚なコクと鮮烈な舌触りで著者の新境地を開く、圧倒的長編小説。【商品解説】

木嶋佳苗事件から8年。獄中から溶け出す女の欲望が、すべてを搦め捕っていく――読み進むほどに濃厚な味が広がる、圧倒的長編小説。【本の内容】

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評価内訳

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2017/04/20 21:30

投稿元:ブクログ

ここにオンナの一生の全てがある。
母と娘の、父と娘の、女と女の、そして男と女の、愛と憎。
子どもの、思春期の、適齢期の、女としての価値とその揺らぎ。
シングルマザーの、働く女の、子を欲する女の、悩みと迷いと決意。
その全てを濃厚なバターでくるみ、これでもかこれでもかと突きつけて来る。
あの、木嶋佳苗の事件があった時、私は何を思ったか。なぜ多くのオトコがあの決して若くも美しくもないひとりの女に溺れ、そして死んでいったのか、と首をかしげたはず。なぜだ?と。
なぜこんな女に、と。そこに彼女を、そして男たちを見下す視線はなかったか。
この物語を読んでいる間ずっと、肌を突かず離れずの距離でなでる生温かい手を感じていた。気持ちよくはなく、かといって鳥肌が立つほどでもない、そのざわざわとした得体の知れない居心地の悪さは自分が木嶋がモデルの梶井真奈子にからめとられていく恐怖だったのかもしれない。
普段、自分のためだけに食事を作る事なんてほどんどない。外に出かける予定のない休日には化粧もせずだらしない時間を過ごしている。
私も「自分のために」何かをすることを放棄している女のひとりだった。もしもどこかで彼女と出会っていたら、間違いなくその圧倒的肉感的楽観的自己肯定感にひれ伏し、嫌悪しつつも飲み込まれていっただろう。もしかすると彼女から見放されることに恐怖し、ひたすら動かされる駒になっていたかもしれない。そしていつか彼女に興味を示されなくなったとき、この命を落としていたかもしれない。どこかでとどまらなければ、飲み込まれるなと自分を引き止める声を聞きつつ読んだ。おいしそうな料理の数々に恍惚となる、けれどその裏側に人間の恐ろしく弱い業が口を開けて待っている。
クチから始まりクチで終わる。自分を現実につなぎとめるために今日も私は料理を作り、そして食べる。

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