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- カテゴリ:一般
- 発売日:2017/05/23
- 出版社: 弦書房
- サイズ:21cm/283p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-86329-153-9
紙の本
鎖国の地球儀 江戸の〈世界〉ものしり帖
著者 松尾 龍之介 (著)
江戸期の人々は世界をどのように見ていたのか。近世日本人の世界像を決定づけた、日本で最初の天文地理学者・西川如見の「増補華夷通商考」を現代文に訳し、多数のイラストや図版を付...
鎖国の地球儀 江戸の〈世界〉ものしり帖
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商品説明
江戸期の人々は世界をどのように見ていたのか。近世日本人の世界像を決定づけた、日本で最初の天文地理学者・西川如見の「増補華夷通商考」を現代文に訳し、多数のイラストや図版を付す。【「TRC MARC」の商品解説】
江戸期の庶民の心をとらえた世界地理風俗の案内書の決定版! 本を開けば、異国あり。
日本で最初の天文地理学者・西川如見による『華夷通商考』(1695年刊)とそれを充実させた『増補華夷通商考』(1708年刊)は、あの南方熊楠も愛読したという世界地理風俗案内の名著。本書はその名著を現代文に訳し、さらにわかりやすい解説とイラストを付して甦らせた労作。江戸中期の人々は鎖国の窓から世界をどのように見ていたのかを紹介。西川如見は当時の国際貿易都市長崎にいたため、世界の風俗や科学知識、特に天文学と地理学の最新情報を自由に収集できた。彼の観察力の鋭さ、想像力の豊かさが満載の愉しい一冊。【商品解説】
目次
- 〈巻の一〉中華北東部
- 〈巻の二〉中華南西部
- 〈巻の三〉外国・外夷
- 《外国》漢字を使用する国
- 《外夷》横文字を使用する国
- 〈巻の四〉阿蘭陀および外夷(オランダの通商相手国)
- 《日本で広く知られた8ヵ国》インド/ラオス/モザンビーク他
著者紹介
松尾 龍之介
- 略歴
- 〈松尾龍之介〉昭和21年長崎市生まれ。北九州市立大学外国語学部卒。主に「漫画社」を中心に仕事をする。洋学史研究会会員。著書に「長崎蘭学の巨人」「江戸の〈長崎〉ものしり帖」「幕末の奇跡」など。
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紙の本
歴史は「誰が」ねじまげるのか。
2017/07/19 12:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一般に、日本は「鎖国」を選択したから、明治以後の近代化が遅れたという認識にたっている。
しかし、よくよく調べてみると、それは学者や為政者の考えであり、実際は異なっている。
本書は長崎の天文地理学者・西川如見の『華夷通商考』を基に、編集されている。それも、想像の域を出なかった言葉、物品について著者が懇切丁寧に解説し、イラストまで添えてくれている。
江戸時代の人々は、意外にも、相当に世界事情に詳しかった。それは、本書のページをめくれば、ぐいぐい、その面白さに引き込まれていくことで理解できる。
現代日本において、蘭学といえば「江戸蘭学」のことを指すが、種々、文献を調べていくと、やはり、長崎である。権威主義の江戸の蘭学者が「知ったかぶり」で蘭学を語っていたに過ぎない。その弊害は、幕末、九州の西南雄藩が西洋技術をいち早く取り込んでの軍備改革に取り組んだことでわかる。
結果、徳川幕府は敗退。江戸蘭学者の責任は大きい。
しかし、今だ、江戸蘭学者は珍重されている。これでは、現代日本における構造改革は難しかろうというもの。発想が江戸時代から何ら変化していないからだ。
これは、そのまま、明治新政府にもいえる。
さらに、米国主体の連合国軍によって解体された戦後の日本にもいえる。
本書を読み進みながら、捻じ曲げて、捻じ曲げて、捻じ曲げられた「歴史」を本来の史実に近づけるのは、至難の技と思った。
本書は、ただ、江戸時代の万国の事々が記されているだけではない。
歴史とは「何ぞや」と再考を促す縁になっている。
発想転換のため、書架に1冊、納めておくべきと考える。