- カテゴリ:一般
- 発売日:2017/05/01
- 出版社: 幻冬舎メディアコンサルティング
- サイズ:19cm/302p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-344-91211-3
紙の本
「値段」で読み解く魅惑のフランス近代絵画
著者 高橋 芳郎 (著)
ゴッホ、ピカソ、セザンヌ、ルノワール、ゴーギャン、モディリアーニ…。“あの巨匠”の作品に、数十万円で買えるものがある!? 値付けの秘密を知りつくしたベテラン画商が、フラン...
「値段」で読み解く魅惑のフランス近代絵画
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商品説明
ゴッホ、ピカソ、セザンヌ、ルノワール、ゴーギャン、モディリアーニ…。“あの巨匠”の作品に、数十万円で買えるものがある!? 値付けの秘密を知りつくしたベテラン画商が、フランス近代絵画の“新しい見方”を指南する。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
「値段」も、絵画の楽しみもわかる
2017/08/10 08:58
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵画の楽しみ
純粋に観賞する楽しさ
画家の人生や絵画に託した思い、技法の変遷を知ること
絵画を収集する楽しさ
本書では以上のことを総合的に解説している。
本書のタイトルは「値段」で読み解くとなっているが、画商である著者が好きな印象派の時代からのモネから始まりシャガールに至るまでの作家の生涯を紹介しながら作家の人生と絵画技法まで分け入って解説し、作家の絵画の最高取引額を付け足し的に紹介している。
「印象」派は悪口であったらしい。なぜなら「印象」とは当時仕上げ前の下書きを意味したから
印象派の画家は、お互い近く、切磋琢磨した様子も紹介されているがモネとルノワールが同じ構図の絵を描いても彼らの興味によってその印象が異なることを「ラ・グルヌイエール」を取り上げて紹介しているのも興味深い。
モディリアーニは貧困の中酒と薬に溺れて身を持ち崩したとこれまで認識していたが、彼は16歳のころから結核に感染していて、咳を鎮めるためにアルコールを飲むようになったことも初めて知った。
常に高値で取引されるピカソは多作であったから人目に触れることが多くなり、高額となっていったなどは、数が少ないから根が上がるのだろうと思っていた常識が覆される。
ピカソ74歳の「アルジェの女たち」は2015年1億7936万ドル(215億円)で落札されているが、1956年に売却された時の価格は21万ドル。60年の間に854倍になっている。
著者は収集する楽しさは個人として所有することに限らず、好きな画家の作品を見るために美術館を訪ねることも「収集」であるという。
そして、フランスからアメリカに移った現代美術は投機に一喜一憂するようになったと感じている。絵画の値段はその時の経済状況にも影響を受ける。プロフェッショナルといえども何が20年後に値上がりしているかは確実に見抜けないのだそうだ。
色彩が重要な印象派の紹介をしているのに、絵画の写真が白黒であったのは残念だった。