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商品説明
治水の歴史とは、事故と失敗に対し、いかに学び、難課題を克服してきたかの歴史である。神話・伝説に始まり、武田信玄、加藤清正、明治以降の田辺朔郎、青山士らの名治水家まで、治水の歴史を解説する。【「TRC MARC」の商品解説】
治水の歴史とは、事故と失敗に対し、いかに学び、難課題を克服してきたかの歴史である。世にも不思議な技術の歴史を解説する読本。
広大にして複雑な治水史観点から、神話・伝説に始まり、武田信玄、加藤清正、明治以降の田辺朔郎、青山士らの名治水家の歴史的・社会的背景との関連で書き下ろされた物語は、新鮮にして興味深い話題の連続である。
技術は失敗・事故の反省により進展してきた。連年の如く河川浸水災害は繰り返し起きている。治水の失敗は認識されずに歴史から消え去る。破堤・災害は河川の持つ遺伝子である。治水神・禹の系譜は脈々と四千年継がれている。鯀の治水の失敗は忘れ去られている。巨大災害の世紀・混迷を深めている治水。学ぶべきことが余りにも多い。
治水哲学への関心は、河川技術者にとって必須の心得である。治水の心髄を読者に目覚ませる一冊。【商品解説】
目次
- 【治水技術 揺籃期】 河川技術とは何か/伏羲と女媧/鯀の失敗と禹の治水/八俣大蛇伝説の治水/茨田堤の治水/人柱伝説の治水/利他行の治水/自助・共助の治水
- 【治水技術 発展期】 武田信玄の治水/太閤秀吉の治水/佐々成政の治水/加藤清正の治水/成富兵庫の治水/大久保長安の治水/伊奈流の治水/伊奈流治水の謎/紀州流の治水/朱子学の治水と陽明学の治水/ダム築造の名人・西嶋八兵衛/蔡温の治水
- 【治水技術 成熟・混迷期】 田辺朔郎の琵琶湖疏水/青山士の碑文/大河津分水/「態と切り」の治水/日本の治水の系譜/河川技術混迷の時代/原点回帰が求められている/科学技術と治水/日本列島・九難の災害の宿命/巨大災害の世紀に突入
著者紹介
竹林 征三
- 略歴
- 〈竹林征三〉京都大学大学院修士課程修了。建設省土木研究所地質官などを経て、富士常葉大学名誉教授。工学博士、技術士(建設環境・河川砂防及び海岸)。著書に「ダムのはなし」「ダムと堤防」など。
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日本について考える
2017/09/18 08:55
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投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の治水に関する思想・哲学を歴史的に紐解き、説いている。日本の伝統的な治水哲学の原点に帰り、これからの大災害地代に備えるべきと論ずる。小難しい話も出てくるので多少閉口する部分もあるが、治水とは何かについてよくまとめられている。
著者がこれまで取り組んできた風土工学を視座に環境防災学を構築し、河川・ダム事業に関わる日本の治水思想史を体系化し、示している。過去の事例を取り上げ、総括した上で、
5.日本の治水の系譜
6.河川技術の混迷の時代
7.原点回帰が求められている
8.科学技術と治水
に著者の考え方が整理されている。
明治初期に来日した外国人技術者の指導による治山治水はそれまでの日本の治山治水思想の継承を毀し、デメリットの方が多かったと断ずる。その後の西洋流の自然観による克服の治水論が今日まで進んできてしまった。日本の伝統治水を知、敬、馴の治水とし、これに戻るべきだという。
水災害が頻発する今日、日本の治水を考える際の好適書といえる。