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商品説明
反政府の姿勢や挙兵計画にもかかわらず、民権運動家たちが言論活動へと転換した理由とは? 明治初期における反政府運動の思想と行動をたどり、西南戦争の知的インパクトと、自由民権運動が高揚していった背景を明らかにする。【「TRC MARC」の商品解説】
ペンか、剣か――。
明治初期における
反政府運動の模索と葛藤。
明治10年、鹿児島において、西郷隆盛を中心とした不平士族が反乱を起こす。このとき、もうひとつの反政府勢力の一大拠点・高知では、板垣退助率いる立志社が西郷に呼応して決起するのではないかと思われていた。西南戦争を契機に、日本はふたたび混乱に陥るのではないか――この可能性に、政府は動揺する。しかし、板垣は起たなかった。それはなぜだったのだろうか。
本書は、民権運動家たちの反政府の姿勢や挙兵計画にもかかわらず、開戦の報に触れてなお彼らが暴発せず、その後は言論活動へと転換した理由を実証的に明らかにし、暴力という手段の理論的位置付けを検証する。また、西郷・板垣をそれぞれ別の意味で高く評価した福沢諭吉の思惑と、彼の高知・立志学舎への支援や、これまで知られてこなかった鹿児島の民権運動家の戦前・戦後についても新たな光を当てる。
明治初期における反政府運動の思想と行動をたどり、西南戦争の知的インパクトと、自由民権運動が高揚していった背景を、歴史のなかに浮き彫りにする。【商品解説】
明治10年、鹿児島で西郷隆盛を中心に士族反乱が起きる。しかし、同じ反政府勢力であった板垣退助率いる高知の立志社はこれに呼応せず、以後、言論活動へとシフトしてゆく。本書は明治初期の反政府運動の実態を明らかにし、西南戦争の衝撃と自由民権運動が国家成立の中で持った意義を浮き彫りにする。【本の内容】
目次
- 序章 言論と武力の狭間で
- 第一章 明治六年政変後の「建白論」と「直接行動論」
- 一、はしがき
- 二、民選議院設立建白書と岩倉暗殺計画
- 三、大教院放火事件
- 四、むすび
- 第二章 戦時下の高知の民権家
- 一、はしがき
- 二、西南戦争勃発と板垣・立志社
- 三、京都での活動
著者紹介
小川原正道
- 略歴
- 〈小川原正道〉1976年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。同大学法学部教授。博士(法学)。日本政治思想史専攻。著書に「近代日本の戦争と宗教」「西南戦争」など。
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国を憂うが故の抵抗の精神
2018/06/28 14:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:気まぐれネット購入者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
西南戦争における西郷と板垣について言及されている。中央専制による政治の利点は激動期にある中では良い方向に作用したのだろう。しかし、どこかで歯止めが無いといけない。その気概が、国を憂うが故の抵抗の精神として述べられている。
西郷はなぜ挙兵したのかという疑問にも答えてくれる言及であろう。
そして、抵抗の方法は、武によるもの、文によるものがある。前者が西郷であり、後者が板垣である。方法は違うものの、抵抗の精神という意味では違いがない。
晩年の西郷の評価として、反逆者という評価もあるが妥当でないように思う。しかし、なぜ挙兵したのかという部分は、なかなか解答を見つけられないでいた。
中央専制に対し自治という地方分権で士族という人材を有効活用したいという部分は理解できていたものの、これが挙兵まで結びつくのか否かが疑問があったからだ。
精神論ではあるものの、抵抗の精神というものが行動に作用していたと心理的な背景を整理できると説明できるのかもしれない。
武士の気概、士族の矜持といった部分の拘りが、武による抵抗と文による抵抗の分かれ目になったのだろうと思われる。