紙の本
世界の斬新な商品がどのように生み出されたのかが分かる書です!
2019/01/06 11:12
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、今や世界中に溢れるこれまでには考えられない斬新な商品がどのように生み出され、創り出されたのかを解説した画期的な書です。例えば、5本指のアウトドアシューズ、リラックスできるMRI検査機器、iPhoneなどです。著者は企業戦略やデザイン分野の専門家で、EUのデザイン制作にも深く関わった経験をおもちです。そして、従来の「デザイン思考」では突破できなかった壁を見事に打ち破った新しい考え方、すなわち、「意味のイノベーション」ということについて分かり易く教えてくれます。
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■新たなイノベーション
①問題解決のイノベーション
既に市場で明らかになっている問題に対して"How"を考えることで立ち向かう。、
②意味のイノベーション
取り組むべき問題自体を再定義する。"How"に加えて"Why"も追及する。
→これまでのイノベーションの方法とは異なる。ブレストもユーザーヒアリングもしていない。
★なぜならユーザーはそのニーズに気付いていないから!
■イノベーション発生のプロセス
・問題解決のイノベーション
①方向性:「外から内へ」ユーザーがどのよに既存製品を使うかを観察して、解決策のアイデアを練る。
②考え方:アイデアを生み出せば生み出すほど、良いアイデアを発見できるという前提に立つ。
・意味のイノベーション
①方向性:「内から外へ」という方向性を持つ。 つまり自分の不満や目指す世界観から出発した。
②考え方:量ではなく質的な考えに基づく。
■その背景
ポスト資本主義となり、生き方に正解がなくなってきている。そのために人々は"意味"を求める。
ロウソク産業は、明るさを提供するという意味ではスマホに代替され、昔ながらの大手が破産した。
ただし、そこに「ぬくもり」という意味を見出した新興の高価格ロウソク企業は売上を急激に伸ばしている。
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人生をこんなんでなくチャンスと捉える人のための本。意味のイノベーション。人間は外せなく目的によって評価されていると信じる人のための本。生活のソリューションでなく贈り物である。意味の探索についての本。
意味のイノベーション、ジョブ理論とも言ってることは共通しているように感じる。
デザインとついているが、いわゆるデザインの本ではなく、企図するという意味のデザイン。
メモ
・意味のあるビジョンが一つあれば良い。
・批判精神と自分自身から始めることが重要
・問題解決のイノベーションと逆で内から外、批判精神からイノベーションを生み出すのが意味のイノベーション
・ヤンキーキャンドル。蝋燭はあかりから香りへ。温もりの提供に価値が感じられるように。
・人は理由に心を捕われている。方法以前に。
・新たな意味の発見が重要になっている理由
経済的な豊かさ、機会が多様にある世の中(選択肢が多すぎるが故に理由を求める)、変化の激しさ。
・新しい意味を描くべきタイミングを見極めるための問い
市場の動きに大きな変化はあったか
業界で重要な問題解決のイノベーションが起きているにもかかわらず、
製品に興味を失っている顧客の不満を感じたことはないか
市場で新しい動向を見せ始めている分野があるか
・メンバーに共通する特性
既存の状況に満足していないこと
変化を恐れず期待を持っていること
批判と熟考を楽しめること
・メンバーの組み合わせ
思慮深さと冒険的
経営トップと社員
多様な個人の組み合わせ
コアと周辺
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#意味のイノベーション の本と言えばこれである。
いくつかのヒット商品においてこれまでの常識が通用しないものの解釈として「意味」により説いている。実例と説明がリンクしているのでわかりやすい。
また「意味のイノベーション」のために大切な「批判精神」「解釈者」という概念も取り上げており、単なるアイデア本ではなく実務に使える深みを与えている。
イノベーションに関する他の本を読んでいる人ならすぐに読み終えられるし、その際に受ける視点変化による気づきも深い良書である。
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デザイン思考のように課題解決を主眼として外部からのアイディアに頼るのではなく、変わり続ける世界の中で課題を再定義して、新しい意味を見つけることを目的として、「批判精神」と「自分自身から始めること」が必要だとするのが「意味のイノベーション」であり、それが重要である理由そして、進めた方の原則と具体的な方法論とツールについて解説する指南書です。読み進む中もやっとすることがありましたが、翻訳者である安西さんが登壇するイベントに参加して、その辺りもスッキリしました。
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Over Crowded
Designing Meaningful Products in a World Awash with Ideas
意味のイノベーション
Nwst Labs、ヤンキーキャンドル
人々→意味→ソリューション
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イノベーションの方法論について、根源的な問いかけをする。
イノベーションの考えることは、「どうやって」を
問いかけているが、それは問題解決に対応している。
外から内へ。問題は、どこにあるのか。
それをどうやって解決するのか?
アイデアは、次から次へと出てくる。
しかし、何故か?行き詰まりを迎えている。
沢山のアイデアを作り出すことではない。
問題解決のイノベーションの限界を迎えている。
本来のイノベーションとは、「何故」と意味を問いかけることだ。
意味のイノベーションが求められている。
何故生きているのか?なぜ仕事をするのか?
その問いかけに、応えるべき時代なのだ。
内から外へ。自分のしたいこと。やりたいことを
愛することによって、贈り物になる。
自分が満足しなくて、何故認められるのか!
何故とは、意味のイノベーションとなり、新たな価値創造となる。
「意味のイノベーションが、価値創造の重要な源泉」
そのことによって、判断の良し悪しではなく、判断のものさしを作ることになる。
快適性、信頼性、楽しさ、
意味のイノベーションは、深く掘り下げることになる。
問題解決のイノベーションは、量の発想であり
意味のイノベーションは深く掘り下げる 質の発想なのだ。
そのことによって、人生に価値があったと感じさせてくれる。
問題解決のイノベーションによって、
①選択肢が増えたのはいいが、それを選択する基準がないのだ。
②より良い性能を持つが、意味深いことの方が欲しいのだ。
なぜ自動車を持つ必要があるのか?
なぜ、自転車、高級な時計、高級な服を所有する必要があるのか?
物の所有から、経験と体験に意味があることに気がついて来た。
自分の仮説と他者の仮説を対決させて、根底にある新しく、より強靭な解釈を見つける。
そこには、健全な批判精神が要求される。
批判とは、「判断し、評価すること」である。
問題解決のイノベーションは、批判をしないことがルールだった。
外からを源泉としてアイデアを作り、アウトプットして、現場で評価される。
ロウソクは、灯をともすものであったが、
こころをなごまし、香りの空間を作り上げていく。
ロウソクには、機能性、功利性があるが、象徴的、誕生日のロウソク
から、情緒的、情感的意味を持つことになる。
私たちは、どこから来たのか。どこに向かっているのか。
一体人生とは何なのか?
人々の生活において「意味」が主役となっている。
新たな意味を発見することで、心が踊るのだ!
「製品のバライティを増やすことは必ずしも悪いことではないが、同様に正しいことでもない。」
「会社がイノベーションに失敗するのは、手法をみっていないからではない。
あまりにもたくさんの手法があり、明確な目的を持たないままに、それらを混ぜて適当に合わせて使ってしまっているからだ。」
「やり方にしか気を使わないやつは、最高��キスなんてできない。」
「相手を口説き落とすための贈り物と本物の愛を持った贈り物には、大きな違いがある。」
「欲しいものを手に入れても、それが必要なものとは限らない。」
写真は、思い出づくりから、コミュニケーションの手段となった。
意味のイノベーションができなかったから、コダックは沈んだ。
つまり、イノベーションは、頭ではなく、心から始めるのだ!
そして、何故?から、始めるのだ。
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「突破するデザイン」Roberto Verganti
できるだけ早く結婚して子供を持つ方がよいのだと、全員が信じて疑わない時代がかつてあった。唯一の選択は「誰と」であり、いつではなかったし、その後何をするでもなかった。
最近まで人々の人生における問題の多くは予め規定されていた。学校を卒業し、伴侶に出会い、仕事を見つけ、住居を構え、子供を持ち、キャリアを積んでいく、と言ったような。これらは文化によって決定づけられ、社会構造に根深く染み込み、人生に意味と方向性を与えていた。人々がそこに疑問を挟む余地はなかった。誰を伴侶にすべきか、子供を何人持つかといったことにはそれなりに頭を悩ませたが、注力していたのは、こういった問題への適切なソリューションを見出すことであった。
人間はニーズではなく、目的によって突き動かされている。
我々が朝目覚める理由は、問題を解決する為ではなく、世界にもっと意味のある物事を作り出す為。
人生における大問題は、「どのように」ではなく「なぜ」
これまでのイノベーション理論は、前世紀に定着した「ニーズ」に突き動かされた生活に基づいていた。
私は生まれてきた子供に「申し訳ないが、この世界に生まれた以上、君は解決すべき問題を持っている」とは言いたくない。人生とは贈り物であり、可能性が大きく開かれたチャンスである。問題やニーズよりも大切なものがある。
もしあなたが問題解決をしたいのでれば、愛について考える事は避けた方がよい。もしあなたが人々に愛されるモノゴトを創造したいのであれば、問題解決から離れて愛について考える事。愛は人生に意味をもたらす感情の一つであると同時に多大な苦労を伴うもの。問題解決と愛は両立しない。
意味の創造においては、あなたの価値観やあなたが信じているもの、世界に対するあなたのビジョンがとても重要な起点となる。例えるならそれは贈り物のようなもの。
現在の主流なイノベーションの方法では、アイデアに埋もれてしまう。どれだけたくさんのアイデアを持ったところでビジネスと顧客にとって取るに足らない価値を増やすだけ。モノゴトが曖昧になる事で価値を破壊する。
ものごとの価値は、どの方向性がより意味を持つかというビジョンから生まれる。多くのアイデアは必要とせず、意味のあるビジョンが一つあればよい。ものごとをいかに改善するかではなく、なぜ私たちがそれらを必要としているか。
よりよい何かではなく、より意味のある何か。
人々が意味を探し求めている世界でイノベーションを起こすことは、ソリューションを探し求めている世界での取り組みとは全く異なる。
意味のあるモノコトを作り出すには、外部からアイデアを得るのではなく、自分自身から始めること。
人々が予想もしなかったが意味があると感じる新たな可能性を提供すること。
あなたが誰かを心底うろたえさえるのであれば、それはあなたが正しい道にいることを意味している。
意味のイノベーションでは、スパーリングパートナーが���いの仮説の弱さを責めるが、根幹では似たようなシナリオを信じているので恐怖はない。
外部者がもたらすべきことは、優れたアイデアではなく、優れた質問。
意味とは、何らかの特別な重要性、目的。自分の人生に価値があると感じさせてくれる目的意識。
今日、人は「方法」以前に「理由」に心を捕らわれている。
ぜいたくかどうかを問わず、人間は、ダンス、歌、愛、そして意味の探索を行う。
富裕かどうかを問わず、世界中でどんな人々も意味を探し求めている。
無限の選択肢は、私たちが逃した選択肢を惜しむ感情を引き起こし、そういった失敗に対する自責の念を生む一方、次への期待を喚起しやすい。無限の選択肢は解放よりも麻痺につながる。
バラエティの少ない世界では、より多くのソリューションが賞賛される。より多くの選択肢がある世界では、意味の重要性を見出す事が賞賛に値する。
問題解決のイノベーションは回答であり、人々にニーズがある事を前提としている。
問題解決のイノベーションが取り組んでいるいのは、ネガティブなこと。
問題解決のイノベーションが取り組んでいるのは「どのように」ということ。
問題解決のイノベーションの値打ちは、性能で測られる。
我々は、ユーザーではなく、人間と見なされる時に心を奪われる。永遠の愛こそが、私たちが新たな意味について語る理由。
意味のイノベーションは内から外に向かう。それは内から沸き起こるビジョン。
ユーザーはこれから愛するかもしれないものを伝える事は上手くない。
ラディカルサークルは招待制にすること。共通の違和感と変化、挑戦への意志、建設的な方法を共有すること。
ビジョンの創出はラディカルサークルの中でしか起こらない。役に立つ親密性という繊細な建設的な批判のプロセスを必要とするから。
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アイデアやイノベーションは外の力を借りることが大切だと思っていたが、「意味のイノベーション」において必要なアプローチはビジョンをベースとする「内から外」と逆であることが驚きであった。製品に愛を持ち、意味を見出すことが重要と感じた。
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ソリューションのイノベーションが増え選択肢が増えたことにより、私達は選択が困難になりつつある。だからこそ、私達がその商品を選択すべき理由・ストーリーが必要。意味のイノベーションには、自分自身の批判的な思考と内省、正しく選択した他人との衝突と融合が重要。
批判的な思考を磨くためには、なによりも自分自身が多様な物に触れ、豊かな経験をすることが必要だと思う。でないと批判的思考は磨かれない。
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これからの顧客に対して新しい価値を提供するには、「問題解決のイノベーション」ではなく、「意味のイノベーション」が必要である。その為には、今までのイノベーションのプロセスではなく下記のプロセスを大切にするということ。
・内から外へのイノベーション(今までの外から内へのイノベーションではなく)
・批判精神(今までの批判してはいけないということからは間逆の考え)
これらを実現する為には、まず自分から始まり、スパーリングペアにより、自分自身の考えを深め、
ラディカルグループにより仮説を進化させる。その様な過程を経てから初めて多くの人にさらさないと多くの人かららの否定に耐えることが出来ない。
この様に今までは、アイデアを沢山だし、それをみんなで組み立てていく一般的と思われているイノベーションのプロセスとは違い
アップルのiPhoneが生み出されたプロセスが今後新しい市場を作っていくことになり、今までの考え方からの転換をする必要があるということを伝えている。
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イノベーションを、「問題解決のイノベーション(クリエイティブな問題解決)」と「意味のイノベーション」の2つに分け、新しく世界を意味づけする「意味のイノベーション」について、価値、原理原則、どう組織で生み出していくのかというプロセスまで書かれた素晴らしい本。
贈り物を作るように、自分の内から溢れる想いを大切にすること、新たな視点、深みにたどり着くために、解釈者による批判を快く受け入れる、1人、小さなチームから始めるなどなど新たな知見がたくさん得られた。
熟考という言葉が好きになった。
語り口も面白く、具体例も豊富なので、概念として新しいことも多いが、理解しやすい。
素晴らしい。
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部分的に読み残していたのをようやく読了しました。
ベルガンティ先生の意味のイノベーションについては社内でも随分言及されていますが、本書を読むと、著者が本当に言いたかったのはもっとつかみどころのない部分だったのではないかと感じます。前作がわかりにくいと言われていたのも、著者がビジネス書というよりは哲学に近い語り方だからかもなと思いました。
第1章の記載と中盤の記載を合わせると、製品開発は「ギフト」であり、大切なのは贈り手が受け手に向ける意味である。意味は贈り手と受け手のをつなぐもの=どちらが欠けても成り立たず、愛のようなものだ。
贈り手として人々に何かを提供するということは、人の人生に影響を与えるということであり、受け手は「自分が人間だとみなされている感覚」に心を奪われる。
フレームワーク部分を除くと上記の通りかなりスピな内容であり、職場に感情を持ち込まない暮らしを長年続けている会社員がいきなり付け焼刃で実践できるものではなさそうです。ベルガンティ本でよく言われる「批判」も、贈り手の考える意味を普遍化するために他者の意味の感覚と少しずつすり合わせていくというプロセスという意味なのに、言葉尻だけで批判してみようだと事故りそう。
近年組織やHRでトレンドとなっている対話、ナラティブの中核は「他者を尊重すること」であり、近年ダイバーシティもそのような意味合いに変化しています。本書はビジネスにおける「人間尊重」なのかなと思いました。
フロムの「愛するということ」と併読するとよいかも。
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勉強になる。
前半は、「問題解決のイノベーション」と対比しながら、「意味のイノベーション」の概念、重要性を説明しています。「意味のイノベーション」が「価値の新たなものさし」を提示することであること、それがブルー・オーシャンの創出に有用であること、ユーザーが全て知っているわけではなく、「意味のイノベーション」は自分の中から出発すること、などを理解できました。
後半では、「意味のイノベーション」の実践方法が説明されます。こちらは、私の理解力等の不足で、正直なところ腹落ちには至りませんでした。
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アイデアをたくさん出してその中からよいアイデアを絞っていく考えも大事だと思うが個人の尖ったアイデアが埋没する恐れがあると感じていた。意味のイノベーションでは一人の人が熟考したアイデアを出発点として、そのアイデアを育て上げるプロセスを大事にしている。個人的に好きな考え方。