紙の本
悪意と善意
2020/08/08 18:46
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
殺人容疑の妻の隠された境遇に疑心暗鬼になりながら少しづつ真相に近づく。
最後まで二転三転してます。
反抗期真っ最中の娘、認知症の母、しっかり者の義妹、弁護士も女性、単身赴任先の妄想女性写真、とにかく女に囲まれて攻撃されまくり。
登場する男性キャラはほぼほぼロクデナシって感じで面白い。
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「代償」での圧倒的な悪意に引き込まれ、続けて、最新刊を読むことに。
社内の内部紛争に巻き込まれ、山形県酒田市に単身赴任していた賢一はある日、東京に残った妻から、「自分の会社の役員を殺してしまった」と言うメールを受け取る。急いで、東京に戻った賢一だったが、事件の真実は二転三転していく。
果たして、誰が被害者を殺したのか?
簡単に言えば、それだけの内容だが、それぞれの思惑の意図がなかなか見えてこない。何が真実なのか、気になり、つい一気読み。「代償」ほどの衝撃はないけれど、ラストで真実が明らかになると、やはり「イヤミス」。読後の嫌な感じは拭えない。
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悪意は善意のフリをする。
伊岡さんの小説は、徹底的な悪意と、それに抗う「人としての思い」の対比が鮮やかだと思う。
家族ゆえのわかり合えなさと、お互いを思い合う気持ちの強さの渦に巻き込まれながら最後まで読む手を止めることができなかった。
そこでいったい何が起こったのか。なぜそれは起こったのか。何度もひっくり返る「事実」。
ひっくり返るたびにもやもやが募り、水面に落ちた一滴の墨のように広がっていく不安。家族の危うさが限界に達したと思われたその瞬間に広がる、「真実」に広がり切った墨が澄み渡っていく。いや、沈殿して見えなくなっただけなのか。消えることのない一滴の墨。それもまた一つの家族の真実なのだろう。
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読んでいて凄く辛かった。主人公の賢一を自分に置き換えて読んでいると、リアルにその現状が迫って来て、これからどうしようと不安でいっぱいになった。
物語は、派閥争いに巻き込まれ左遷にあい、単身赴任の賢一の元に妻からメールが届く。賢一が憎むべき上司を殺したと。
信じられない気持ちのまま自宅に戻る賢一。賢一の気持ちをよそに、妻は殺人を認め、刑務所に。
本当に妻が殺したのか、その事実に翻弄される賢一にまた新たな事実が。妻はその男の子どもを妊娠し、堕胎していたのだ。
二重の苦にもがく賢一。その後事件は二転三転し、このままどこに終着を迎えるのかとハラハラドキドキ。
自分が賢一の立場だとしたらどうだったろうと思わずにいられない。妻を信じることができるだろうか。家族のあり方を考えさせられる物語だった。
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左遷の憂き目にあい、不遇をかこつ主人公のもとに届いた妻からの不吉なメール。かつての上司が殺され、その犯人が妻だという受け入れがたい事実に苦しみつつ、事件の真相を探ろうとする主人公。どんどん明らかになる酷い真実の数々。とことん嫌な読み心地だけれど、先が気になってぐいぐい読まされてしまいます。
ところが。まさかそんな展開にっ! 物語としてはまあそれほど酷い印象はなかったのだけれど、ラストのあれはもう恐ろしいというかおぞましいというか……かなりのインパクトでした。あの動機はとんでもない! まさしく「悪寒」かも。
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読者の予想を少しずらしたどんでん返し的な結末だが、ほんとにここまでやるかね?とも思う。
そりゃ法廷がざわつきますな。
被告は自分がひねくれる原因となる理由を知って愕然とするんだろうなあ。
社内のトラブルに巻き込まれて左遷させられ、挙げ句にはこんな展開になったらちょっと耐えられそうにない。
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妻が殺したのは自分の会社の重役、それも自分を家族から遠い田舎へ左遷した男だった…。犯人は本当に妻なのか?二転三転どころか四転五転するストーリで、真犯人の動機には「?」だが久々に超一気読みの本でした。遠距離で心の離れた家族も修復されめでたしめでたし。めったにつけない★5。
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2020.08.26.読了
さすが伊岡瞬氏!ツマラナイつまらなすぎる(笑)
帯に薬丸岳推薦ってあったからつい買ってしまった。
伊岡作品には気を付けろ!といつも心に留めているのに。。。
まず、誠南メディスンがクソ会社なこと。こんな会社が世界で活躍出来るわけがない。伊岡氏は社会経験がないのか?取材はしてるのか?と言いたくなる。まさに時代錯誤!コンプラにハマりまくる企業(笑)
あとは倫子。馬鹿なのか?優子が言う通り偽善者だ!
そもそもの殺人に至る動機がアホすぎる!
そして倫子の行動がそれに輪をかけてアホすぎる!
事件発生後から犯人にあたりはつくがこんな動機あり得なすぎて想像さえすることができない(笑)
殺人事件の動機は、いわばミステリーの核だ!
そうかそうだったのかとある程度理解できる範囲でなければならない。
突拍子もなくて読者が喜ぶと思うな!
追伸、倫子の出自(笑)普通はその事実を知った父親の暴力が増すのではないか?妻の不貞を知って、ワシが悪かったのだな。。。とか言って改心して、
暴力も止み、その子供により愛情をかけるとかありえないし。しかも婿にあんなに傲慢に振る舞う正浩が。。。
作品が面白くないと饒舌になってしまひます(笑)
良い作品に出会った時は、言葉もなく放心するのみ
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ほんとに一気に読んだ。こんなことは久しぶりだ。こういう読書もたまにはいい、というのも偉そうだが、ページを繰る手が止まらない幸せな時間だった。
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本社で起きた不祥事のあおりを受け、秋田の系列会社に出向に出された藤井賢一はうだつのあがらない日々を過ごしていた。営業成績は振るわず、本社での出来事から社内の人間からは疎まれ、東京に残してきた妻と中学生の娘からは拒絶されていた。しかしある日、妻から意味の分からないメールが届く。胸騒ぎに慌てて東京へ帰ろうとすると、警察から着信があり、曰く「奥さんが殺人事件を起こした」と……。
主人公が当事者のわりにあまりにもあらゆる情報から爪弾きにされていて、その上会社の人間には良いようにされっぱなしで情けないやら悔しいやら混乱やらなかなかしんどかった。犯人は歪みすぎだろ……と怖くなったしここまで成長するまで自分で踏みとどまろうとしなかった時点で自業自得ではあるんだけど、もっと早い段階で家族の真相を知っていたら何か違っていたのではと思うと穏やかなラストが薄ら寒くはある。
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何となく空しい「サラリーマンの性」みたいなものを感じながら読む。大企業に勤めながら上司たちの派閥に翻弄され、罪を着せられ下請けの企業へ単身赴任、その間に家庭が崩壊しかけ、さらには妻が上司を殺したと一報が入る。何ともやりきれない展開だなぁと言う反面、煮え切らない主人公にイライラもする前半。後半になると一気にミステリー要素が高まり、上司を殺した犯人候補がどんどん増えていき読んでいる側も引き込まれていく。ラストはホッとするシーンが出てくるが、そこで初めて主人公の笑顔を見た(読んだ)気がした。
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11月-13。3.5点。
社内スキャンダルに巻き込まれ、子会社へ出向させられた主人公。
留守の間、会社の常務が主人公の家で妻に殺害される。
不倫だったのか、謎が深まる。
サラッと読める。一気読みした。
二転三転する事実、ハラハラ。
2時間ドラマのような感じで、最後は良かった。
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左遷人事で出向先で単身赴任中の賢一の元に、妻倫子から、不可思議なメールが届く。
妙な胸騒ぎを感じた賢一。
倫子、そして家族に何が起こったかのか。
前半の賢一の苦労している姿が痛々しい。
家族を守るために、サラリーマンであるために、我慢しなければならないのは当然ですが、読んでいて苦しくなりました。
ある程度予測のつく展開でしたが、読みやすく、飽きさせない展開で面白かったです。
2時間のサスペンスドラマのよう。
姉妹の確執、怖いです。
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2018年1月18日読了
大手製薬会社の係長から会社の不祥事で詰め腹を切らされ関連会社の支店長代理として出向させられた藤井賢一は、慣れない置き薬販売の営業で成果を上げることが出来ず支店長から罵倒され、辛い毎日を送っていた。期限つきの出向であるとの約束は反古にされている上に私生活でも妻や娘の関係は冷たくなっていた。ある日、妻から不審なメールが届き、自宅に帰ってみると妻は傷害致死の犯人として逮捕されておりその被害者は賢一の元上司だった。妻の妹優子を頼りに真相に迫りたいと思う賢一だったが、妻は自分がやったと言うばかりで…。
怒涛の展開で面白かった。いろいろな要素が絡まり目が離せず、いかにもな刑事たちの中で冷静に対処する真壁という刑事が気になって調べてみると他の作品にも出ていた。その作品も読みたくなった。最後は次々に状況が変わりどうなるかと思ったが納得できる結末に行き着きよかったと思った。細かい点だが、事件前に賢一が自宅に帰った時に倫子が肉体関係を拒んでそれが引っかかっていたのだが最後、なぜだったか倫子に説明され納得していたがそんなものかなってちょっと違和感を覚えたのが残念だった。そんなことに引っかかるのは多分私だけだと思うので大したことではないとは思う。
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東京の大手製薬会社勤務だった藤井は、会社の不祥事で詰め腹を切らされ秋田にある関連会社へと飛ばされる。妻・娘と離れただけでなく、仕事内容の違いや支店長からのパワハラで、厳しい毎日を送っていた。そんなある日、妻から不可解なメールが。慌てて東京に戻る藤井に、警察から「奥さんを殺人事件の容疑者として逮捕した」との連絡が。信じられない藤井だが、妻は自分がやったと言うだけ。そして、ついには娘までもが・・・
途中からなんとなく犯人は分かってきたが、動機が歪みすぎているような。
真壁刑事がいい味を出していた。