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紙の本
一遍 捨聖の思想 (平凡社新書)
著者 桜井哲夫 (著)
〈信〉をも捨てて念仏へと向かう他力思想−。仏教のなかで「浄土教」という教えがどのように形成されてきたのか、インド、中国、日本へとつながる系譜をたどりながら、「一遍と時衆」...
一遍 捨聖の思想 (平凡社新書)
一遍 捨聖の思想
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商品説明
〈信〉をも捨てて念仏へと向かう他力思想−。仏教のなかで「浄土教」という教えがどのように形成されてきたのか、インド、中国、日本へとつながる系譜をたどりながら、「一遍と時衆」の思想を再考する。【「TRC MARC」の商品解説】
中世に巨大な影響力をもった時衆と一遍の思想。その本体を浄土教の歴史の中に位置づけて探る。信をも捨てて念仏へと向かう他力思想。【本の内容】
目次
- 《目次》
- はじめに
- 第一章 浄土教のルーツを求めて
- 浄土教の歴史/「阿弥陀仏」の原語と起源/「極楽浄土」の観念
- 中国における浄土教の誕生/日本浄土教の源流「善導流」/異端としての善導
- 第二章 日本における浄土教の展開
- 日本への仏教伝来/仏教の広がり/「浄土の教え」の始まり/平安の浄土教
- 源信と『往生要集』/院政期の浄土教/聖と沙弥の念仏/法然──比叡山黒谷から
- 専修念仏と法難/「革命」としての法然浄土教/浄土教の広がり/難問としての親鸞
著者紹介
桜井哲夫
- 略歴
- 〈桜井哲夫〉1949年足利生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。東京経済大学コミュニケーション学部教授。専攻は近・現代社会史、社会思想史、現代社会論。著書に「一遍と時衆の謎」など。
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新著案内
2017/08/08 15:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:桜井 哲夫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前著『一遍と時衆の謎』から3年。満を持して出します。その概要について、「まえがき」の一部を引いておきます。おそらく、最新の研究動向を踏まえて浄土教全体の見取り図を概説したという点では、類書のない本だと思います。一遍の思想の独自性と時衆という集団の重要性について、あらためて理解してほしいと思います。
「本書は、仏教のなかで「浄土教」という教えがどのように形成されてきたのか、インド、中国、日本へとつながる系譜をたどりながら、その流れのなかで「一遍と時衆」の思想を再考しようという試みである。大学教員をしながら、時宗寺院の住職となって十五年。いくつもの仏教史の通史を読みながら、昔ながらの各宗派の教義と宗祖の生涯の解説ばかりで、不幸なことに、一貫した思想の流れとして書かれた仏教史に出会わなかった。不満がたまったところで、自分が読みたいと思う通史を書きたいと思った。
「中国の善導(ぜんどう)から日本の法然へ」という、よく語られる構図ではなく、話はインドから始まるので面食らう読者もおられるだろう。最初のやや専門的なところを少しがまんして通読していただければ、私の意図を理解していただけるだろうと思う。中国で異端とされた浄土教が、どのように日本で発展したのか。日本仏教における「阿弥陀仏信仰」や「聖(ひじり)」の系譜を丹念にたどることで、一遍に至る日本の浄土門仏教の姿を明らかにしたいと思う」。