電子書籍
そんな
2020/09/04 07:16
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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
リベンジポルノ風から始まる物語が、感動大作になるように思えなかったので、逆に、どういうお話なのか興味が増してくる。
本当に感動したら感想も書き換えたい。
紙の本
見えないけれど確かにそこにある。
2017/10/08 18:13
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
暗渠を辿って家まで歩く、大学生男女の夜のピクニックから話は始まります。
東京の土地勘が皆無の地方人にとっては「どこ?」って感じの始まりで、その距離感さえ掴めず途中から地図を放棄(笑)
青春恋愛小説の様相を覗かせながら、実はリベンジポルノでした。
裸の写真を撮った方が悪いのか撮らせた方の落ち度なのか。
自己嫌悪と世間の目に立ち向かう菫たちの奮闘を描いてます。
電子書籍
現代恋病
2017/09/28 20:29
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投稿者:真太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
恋をしているときはあんなに好きでたまらない時間が、別れてしまうと憎悪に変わる瞬間、人間が崩れるもの。リベンジポルノという、恋のなれの果てを防ぐためにも、危機管理が問われる内容だったと思う。
紙の本
アッコちゃんシリーズとは違うイメージの本
2017/12/16 06:36
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投稿者:naoami - この投稿者のレビュー一覧を見る
元彼に撮られた全裸写真がネットに。自分で気づいた分マシだが、それでも周りの目が気になる。ネットに上げた方が悪いのに、撮らせた自分も悪いと責めてしまう。そう思われる、思われているのでは?と恐れる。女性の味方的作風が多い著者ならではの仕掛けで、彼女自身を如何に許し、再生するかを描く本線に、決して悪利用目的ではなかった彼氏側視点も描いている。どこにでもいる不幸自慢なつまらん男。うまくいかないことを、他人のせいにして、自分中心の思考。それを善悪分けせず、普通の男として描いたのが稀少な反面、物語の起伏を無くしたか。
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はじまりがとても好き。
この川はここから上流は地下を流れていて見えないけれど、君の家の前まで、繋がっているはずだよ。ここは谷底なんだ。すごく低い場所なんだよ。せっかくなら川を辿って、歩いて帰らない? 介抱してくれたお礼いうちまで送らせてよ。
と、光晴くんが菫にかけた言葉からはじまる。大学で【東京名所探究会】というサークルに所属するふたりの淡い、恋のはじまり。
内容を知らずに、柚木さんの著書だからといって手にとったのですが、その恋が破滅し、さらに六年後、絶望的な展開を迎える。
リベンジポルノ、と一括りにしてもいいのかわからないが、それが題材。
ある日菫はひょんなことから自分の裸の写真がネットに挙がっていることを知る。それはかつて初めて恋をした男に撮らせた写真だった。
このまま菫視点で描かれる作品だったら間違いなくおもしろいといえたのだけど、光晴くんの視点でも物語られるからいらだって仕方ない。読者を苛立たせるのは著者の思惑通りなのかもしれないけれど、好かないなー。けれどこういう男に惹かれてしまう女の気持ちがすごくわかるからかもしれない。
男に写真を撮らせた女がビッチなだけという風潮のなか、拡散させる男が悪いと言い切った親友の百合。そして彼に嫌われたくない失いたくないから嫌で仕方ないのに裸の写真を撮らせた菫のあの日の、写真からじゃわかない数々の事柄。大事にしてくれる家族。
いっぱいつまっていて苦しくて何度も泣いてしまった。強さに。そして少しの弱さに。それを光晴くんのうっかりな感じで台無しにしてくれるから、嫌になったな。うっかりは悪意をもって行うことよりずっと、ずっとタチが悪い。恵まれない家族環境のせいだとか、なんだかんだ理由をつけて自分を大事にしすぎる光晴くんがとてもさみしく、哀れで、けれど誰よりも人間らしかった。
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#柚木麻子
冒頭からは少し前の『東京「暗渠」散歩』(http://booklog.jp/item/1/4800300045)を思い出しつつ進んだ。
リベンジポルノ(とこのケースは言えるのか?)。
撮らせるのが悪いのではない。流出させるのが悪いのだ、というところにハッとする。
あと、柚木麻子さんは女子同士のドロドロが面白いのに果たしてどこにそれが入る余地が?と思ったが、ドロドロではなく丁寧な機微としてきちんと織り込まれており、力強く好もしく感じた。
個人的には「BUTTER」より読みやすく感情移入しやすかった。
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過去と現在、あの時と今を交互に描きながら、一つの恋を辿る。
傷を負いながら気づく、彼のこと、自分のこと、自分を支えてくれるたくさんの人たちのこと。
読後、凛とした主人公の姿が立ち上がる。
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現代のネット社会ではプライベートと公の差や、危機感は薄い。限られた範囲の人間だけに公開しているつもりで多くのその他に公開されている個人情報があまりにも多いことを私たちは考えるべきだろう。
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28歳の井出菫は、かつて恋人に撮影を許した裸の写真が、ネットにアップされていることを偶然発見する。
リベンジポルノが題材ではなかった。
ストーリー展開としては面白いのかもしれないが、主人公に共感するところがなかった。
唯一、わかるのはマニュキアを塗ると落ち着くというところ。周囲からマニュキアが塗れるくらいだから落ち込んでないように言われるのだが、そうではない。マニュキアを塗る行為や綺麗に塗れた爪を眺めるのは、私も落ち着く。
(図書館)
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ネット社会の怖さを取り上げながら見事に今時の恋愛模様を描いた作品。主人公の二人が自己に向き合い再生し成長していく展開がいい。生まれた時には各々スタートの位置が違うというのはいつの時代でも語られるんだなと。著者の感性の素晴らしさを改めて。
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こういう心配を今の若い子たちはしなきゃならないのだな、と。や、中年の人たちも同じかもしれないけど。
柚木さんがとがってない女性を描いた!とびっくりしながら読んでいたのだけど、リベンジポルノの被害者となった主人公菫が、その最初のふんわりとした優しいイメージに反して、自分の力でしっかりと向き合っていく姿に、やはり柚木小説の主人公だな、とほっとしたりして。
菫から見た光晴と、光晴から見た菫、その微妙な差が少しずつ広がっていくのは悲しいけど致し方ない。恋愛なんてそんなもんだろうし。でも別れ際と別れた後の自分の気持ちをきちんと処理する力をつけなきゃね、男も女も。
それよりなによりプレイベートであるべき恋人同士のヒミツの写真を悪気なく拡散していく第三者たちの行動が恐ろしい。
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生暖かいしめった梅雨の季節から爆発的に緑がイキイキとし出す夏になるような、そんな雰囲気を感じた。
元彼に自分の裸の写真を拡散され、そこからどう立ち上がって行くかというなかなかヘビーな内容。
ヘビーだけど、気持ちを強く持って生きていけば人の印象見た目なんて、どんどん変わって行く。
きっと励まされる人も居るだろうけど、やっぱり思ったのは自分の身体は安売りしてはいけない。
あと、元彼にまったく救いや成長が無かったのがなんだか悲しかった。でも、過去に囚われてずっとウジウジしているといつまでも同じままだよ!と言う姿を見せられた気もした。
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タイトルと表紙と作家名に惹かれて読んだけど、「なんだかなぁ」という感じもしなくもない。
「 柚木麻子の作品は全部読むんだ」という人は読む必要あるけれど、タイトルと表紙と作家名に惹かれて読むんだったらやめといた方がいいと思う。
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著者2作目。
最初に読んだ「BUTTER」がかなり期待外れだったので、今作もそれほど期待しないで読み始めた。
大学時代に付き合った恋人に一度だけ撮らせたヌード写真が、6年を経て、ネットに流出していることを知った菫。
その事実に向き合う菫の葛藤を現実と大学時代の回想を交互に描く。
携帯で簡単に撮影が出来て、ネットにプライベートが簡単に出回る時代。プライベートなヌード写真が流出することが決して物語の中だけの話とは思えずに読み進めた。
終始、正しい人間として描かれる菫とは対照的に、写真を流出させた元恋人の光晴は欠陥のある人間として描かれる。私には菫より、光晴の気持ちがとてもよく分かってしまった。
いろいろな感想はあると思うが、私の中では光晴の一生に一度の恋愛の物語であった。
物語のベースにある東京都内に流れるたくさんの見えない川の話は私は夢があって、好き。
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リベンジポルノと暗渠をモチーフにしているせいか、前半は薄暗く、柚木麻子さんというより島本理生さんを思わせるような雰囲気で、読みながら少し混乱した。
光晴が出てきたとき、最初は言い訳がましく、嫌な気持ちになったが、菫に対する憧れと想いが描かれた半ばは、この若く幼い男女を応援したい気持ちになったが、この2人がリベンジポルノの被害者と加害者であることを思い出し、そんな未来が永劫来ないと気付いて悲しくなった。
後半の勢いはまさに柚木麻子さんの文章で、暗闇から光に向かうのを感じた。菫が日常を取り戻そうと少し前向きになった時に、同僚とのエピソードを持ってくるのが上手い。
菫のためのお話であると思っていたが、これは光晴のための物語であるかもしれない。
誰もが自分の中に強いものと弱いものを持っている。その強さを自覚して光の方へ進もうとする菫。その弱さを自覚して、闇から抜け出そうとする光晴の生き様が瑞々しいと感じるくらい鮮やかに描かれている素敵なお話。