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商品説明
古代氏族のなかでも謎の多い物部氏。その活動拠点に残された足跡を丹念にたどりつつ、伝承と系譜をわかりやすく検証。これまで古代史学界で形成されてきた物部氏に関する見方を改め、新たな物部氏像を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
目次
- 序 章 物部氏の本貫・本拠
- 第一章 物部とは何か
- 一 「物部」の読み
- 二 「物(モノ)」の意味
- 三 韴霊の分与
- 第二章 物部氏の本職
- 一 警獄の吏としての物部氏
- 二 伝承世界の物部
- 三 負名氏としての物部
- 第三章 物部氏と古代の市
著者紹介
前田 晴人
- 略歴
- 〈前田晴人〉1949年大阪市生まれ。神戸大学大学院文学研究科修士課程修了。大阪経済法科大学教養部客員教授。著書に「卑弥呼と古代の天皇」「桓武天皇の帝国構想」など。
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紙の本
全体では原文と現代語訳を併記した史料を数多く引用し、丁寧なアプローチなのですが・・・
2019/11/07 18:33
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:多摩のおじさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
関 裕二氏のシリーズ「新史論/書き替えられた古代史」 の3巻目として副題「聖徳太子と物部氏の正体」に対し、「小姉君の子・穴穂部
間人皇女は蘇我系の用明天皇との間に聖徳太子を設け、物部氏と蘇我氏の間の子が改革を実行した。」の指摘には納得いったものの、
物部氏に焦点をあてた記述がなく物足りない印象で、物部氏に関する詳しい書籍を探していたところ、レビューで「既存の物部氏本のなか
ではかなりまとも」とある本書を目にし、早速手にしてみました。
まず、物部氏と言えば552年の仏教導入を巡る物部守屋と蘇我馬子との争いですが、本書では「警獄の吏」の立場からみた守屋による刑罰
を仏法に適用したに過ぎず、海柘榴市の付近に物部氏が管理した囚獄施設や物部氏と関連のある阿刀氏の先祖の居住地(城上郡上市郷
椿市村)の存在の指摘(p.94-100,108)や、馬子が物部石上贄古の家と婚姻関係(守屋の妹(布都姫)との間に設けた蝦夷が、布都姫と
物部石上贄古との間に設けた鎌姫との間に入鹿と物部大臣を設ける)重ねつつ、贄古と守屋の対立を作りだし守屋を滅亡に追い込んだ「丁
末戦争」(p.183,203)の後に、布都姫(太媛)が石上神宮の斎官に就任(p.185,204)し、その後裔が石上宇麻古、麻呂へ継承(p.204)
し、物部氏の祖がニギハヤギからイカガシコヲへと大きな地位を占めるようになる(p.165,173)との鋭い指摘には首肯させられました。
その一方で、第4章「「大連三代と阿都家」での検証では、通説の下ツ道と寺川との分岐点の城下郡坂手を新羅・百済使節が滞在したとする
「阿斗河辺館」に対し、出自や出身地が正しいと阿刀氏の居住地に「日本霊異記」の山辺郡磯城嶋村の記述を引用しつつ、「山辺は誤り」と
し城上郡上市郷にみなしてよい(p.118-119)、推古16年の隋使の裴世清も同じ城上郡上市郷の阿斗広来津から上陸していた(p.125)」
と明確な根拠を示さぬ持論の結論ありきの展開は残念でした。
全体では原文と現代語訳を併記した史料を数多く引用し、丁寧なアプローチなのですが・・・
一方、以下の疑問も浮かびました。
・「佐伯有清は・・・校訂文を公表した(p.108)」とあり、直後に「佐伯は・・・同族関係を主張する氏族」とあるため巻末史料にある
佐伯有清氏を佐伯氏と混同してしまいがち、せめて校訂文の公表年は表記すべき
・阿刀氏は物部麁鹿火の妻方の姻族と推察の根拠は何か(p.114)
・欽明朝には祭官制の創出により王権祭儀の改革が敢行された模様を示す史料等は何か(p.173)
・何故か表紙カバーの百済からの七支刀は全く触れられず
なお、適宜に配された地図、系図は助かりましたが、干支年号の西暦併記、人名、地名の読み、更に索引と年表があるとよかったですね・・・
紙の本
物部氏とは何ぞや
2021/09/19 17:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私の頼りのない知識では、物部氏とは蘇我氏と仏教排斥派と仏教推進派として激しく対立して敗北して歴史の表舞台から消え去ってしまった氏というイメージしかない。その物部氏というのは、どのような豪族だったのか、が理解できる解説書です。