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商品説明
半世紀の歳月と3640億円の巨費を投じられた巨大公共事業、大滝ダム。国策に消えたふるさとの哀切な記憶をたどり、失われゆく山村史の空白を埋める渾身のルポ。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
ダムの再・再考
2020/10/20 09:27
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投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大滝ダムなど紀の川のダムと地域との関わりの歴史に関する取材記録である。著者は土地の状況に精通している元奈良新聞の記者出身である。紀の川とそのダム群の歴史からダムについて再考を促す提言書である。
50年という長い歳月を経て、完成した大滝ダムが果たしてどのように役立っているのか。林業の衰退、地方の過疎化、高齢化などなど複雑に絡み合ってダムの罪も真相が究めにくい。上流域の人が犠牲になっているのだが、恩恵を受ける下流域の人達はほとんど認識していないだろう。利水、特に農業については水争いやため池管理、渇水期の水田の水管理など営農に伴う作業が大幅に軽減された。このことが感謝に繋がるというよりは兼業農家の増加をもたらすなどの構造的変化を起こし、水田農業とは次第に縁遠くなり、上流の水源地域を思うこともないらしい。
ダムについては球磨川でも豪雨災害を経て、再び中止になった川辺川ダムの復活が議論されている。過去の教訓を元に冷静に検討し判断して貰いたいものだ。