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紙の本 |
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- 税込価格:41,580円(378pt)
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商品説明
透徹した理性と柔軟な感性、研ぎ澄まされたアンテナ感覚で人と時代を捉えてきた精神科医・中井久夫。その半世紀におよぶ思考と実践の道筋を追う。4は、「Y夫人のこと」「精神科医がものを書くとき」など、全32編を収録。【「TRC MARC」の商品解説】
夫人がどのようにして日本に亡命し、こうして悠々と暮らしておられるのか、私はついに知らない。アジアの人とつきあうには好奇心からの質問をしないのが、最低の作法である。どのようにして日本に亡命されたのかは、四半世紀のあいだ、私はついにうかがわなかった。仮にうかがっていても、ここに書かないだろう。
私は必ず「Yプイン(夫人)」と呼んで、決して「オモニ(母)」とか「ハルモニ(おばあさん)」とは呼ばなかった。そこに四半世紀のつきあいにも狎れない一線があった。実の母とは夫人とのように深い話をしたことはなかったが、そもそも親子とはそういうものかもしれない。夫人も、わが子には普通の「チマ・パラミ・オモニ(教育ママ)」ではなかったか。実の子ではありえない出会いであった。
(「Y夫人のこと」 1993)
私には一つひとつの精神病院が違った下位文化に見える。病院ごとに匂いが違い、職員の「顔」が違い、何よりも患者の「顔」が違う。病院の「質」の判定は、建物よりも何よりも患者の「顔」が雄弁に、正直に物語っていると思う。
(「治療文化論再考」 1994)
表題作はじめ、「精神科医がものを書くとき」「顔写真のこと」「ある少女」「精神病棟の設計に参与する」ほか32編を収録。【商品解説】
目次
- 精神科医がものを書くとき
- 隣の病い
- 国際化と日の丸
- 顔写真のこと
- 精神医学と階級性について
- 私に影響を与えた人たちのことなど
- 精神保健の将来について
- 統合失調症の陥穽
- 一夜漬けのインドネシア語
- 疎開体験に寄せて――佐竹調査官への手紙から
収録作品一覧
精神科医がものを書くとき | 1−10 | |
---|---|---|
隣の病い | 11−13 | |
国際化と日の丸 | 14−17 |
著者紹介
中井久夫
- 略歴
- 〈中井久夫〉1934年奈良県生まれ。京都大学医学部卒業。神戸大学名誉教授。精神科医。著書に「分裂病と人類」「精神科治療の覚書」「関与と観察」など。
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