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紙の本
鬼はもとより (徳間文庫 徳間時代小説文庫)
著者 青山文平 (著)
【大藪春彦賞(第17回)】戦のない時代、最大の敵は貧しさ。食えずに人が死んでゆく最貧小藩の経済立て直しは可能なのか? 表向きは万年青売りの浪人、実はフリーの藩札コンサルタ...
鬼はもとより (徳間文庫 徳間時代小説文庫)
鬼はもとより
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商品説明
【大藪春彦賞(第17回)】戦のない時代、最大の敵は貧しさ。食えずに人が死んでゆく最貧小藩の経済立て直しは可能なのか? 表向きは万年青売りの浪人、実はフリーの藩札コンサルタントの抄一郎が命を懸けて藩経済の立て直しに挑む。【「TRC MARC」の商品解説】
三年で最貧小藩の経済立て直しは可能か? 家老と藩札万(ルビ・よろず)指南の浪人両名が、命を懸けて挑む。剣が役に立たない時代、武家はどう生きるべきか! 縄田一男氏から平成の藤沢周平と評された時代小説。第152回直木賞賞選考の際の宮部みゆき氏評「藩札という難しい題材を扱いながらリーダビリティが高い、主人公の魅力と、彼が江戸の経営コンサルタントとして直面する〈貧との戦い〉の苛烈さが、ラストまで絶妙なバランスを保っていた」【商品解説】
“全企業人、ビジネスマン必読の時代小説!”大藪春彦表受賞作。直木賞候補ともなり、平成の藤沢周平と、縄田一男氏は命名した。【本の内容】
“全企業人、ビジネスマン必読の時代小説!”大藪春彦表受賞作。直木賞候補ともなり、平成の藤沢周平と、縄田一男氏は命名した。【本の内容】
著者紹介
青山文平
- 略歴
- 1948年神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。経済関係の出版社に18年勤務したのち、フリーライターに。2011年『白樫の樹の下で』で第18回松本清張賞を受賞。江戸中期の武士の存在感が希薄になる時代、懸命にもがき生きる人々を描き注目される。新しい時代小説の可能性を、削ぎ落とし、余情に富んだ文体で示した。評論家の島内景二氏は青山文平を60歳を超え遅れてきた麒麟児と呼んだ。2014年、『鬼はもとより』が第152回直木三十五賞候補となる。2015年、同作で第17回大藪春彦賞受賞。2015年『つまをめとらば』で第6回山田風太郎賞候補、第154回直木三十五賞受賞。以降、『半席』『励み場』『遠縁の女』など素晴らしい作品を刊行。今、もっとも新作が期待される時代小説作家の書下ろし長編の出世作が本書『鬼はもとより』である。
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紙の本
江戸時代の財政政策
2023/06/04 09:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸時代の小藩における財政政策.金融政策を主題とした重厚な作品である。「一国における通貨の発行量は、その国の財及びサービスの総量に比例しなければいけない。」という財政 金融政策の基本がさり気なく書かれているところに参ってしまった。ラノベやゲームでしばしば取り上げられている領国経営ものであるが、作者青山文平の手にかかると大変に読み応えのある作品に仕上がってしまっている。政策を実行する武士たちの「覚悟」が読んでいて大変に心を打つ。過去 現代を問わず、このような政治家が実際にはいないこともあって、なおさらである。表紙カバー絵も随分目を引いて素晴らしい。本の内容をよく象徴している。
作者青山文平の作品を何冊か読んだか、この作品がその中でも最高であると感じた。
紙の本
「武家だけにできること」とは
2021/03/10 11:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:燕石 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公・奥脇抄一郎は、某藩の「藩札」(その藩内のみで通用する貨幣の代用品)掛だったが、宝暦の飢饉の際、藩札の乱発によって事態を収束しようという上役と、同役の親友を振り切り、藩札の版木を持って脱藩。今では江戸で万年青を売って暮らしを立てているが、一方で、財政に苦しむ様々な藩からの藩札に関する「コンサルタント業」に、旗本 深井藤兵衛の口利きで従事している。単なる身過ぎ世過ぎのためでなく、自らは失敗に終わった藩政改革を、必ず実現させるために。
宝暦年間は、「いき」「野暮」「通」と云う言葉が発生し、遊里社会での遊びのしきたりや知識が町人社会に流行するとともに、田沼意次が側用人・老中として絶大な権勢を誇った期間であり、商業資本を重視した経済政策が実行された時代と重なる。
米を租税の基本とした地方藩の財政は崩壊の危機にあり、「藩札」という実態経済の裏付けのない、文字通り「空手形」を用いた錬金術は、現代のバブル経済に繋がる。
北国の赤貧にあえぐ某藩を立ち直させるため藩札に賭ける執政梶原清明と抄一郎は、「3年」と期限を区切って、不退転の覚悟で藩政改革に取組む。「鬼」とは、藩政改革を断行するためには、自らに対してはもちろん、身内、他人に対しても「鬼になり切らなければならぬ」との執政梶原清明の覚悟を表している。
同士であるとともに、互いの人格と力量を認め合う二人は、口にこそ出さないが、ともに「心友」との思いを強くする。そして、見事、藩政改革を実現した二人は、梶原清明の招きで、国元の経済の立ち直りを象徴するかのように軒を連ねた小料理屋の一軒で、一夜祝盃を兼ねて痛飲する。信じる同志とも言うべき梶原清明という真の友人との一夕の思いを胸に、江戸に戻った抄一郎に梶原清明から書状が届くのだが……。
江戸開府から既に150年が経過し、既に武士が生き死にを賭ける場所は戦場(いくさば)ではない。真剣で立ち合うことすらなく、当然人を斬ったことのある武士も殆どいない。
平時の武士の役割は、主君の身辺警護、殿中・城門の守衛などを行う「番方」よりも、吏僚として政務や事務を執る「役方」が主流となる。その時、武士が商人や農民と何が違うのか?金を生み出すこと、作物を作ることに掛けては、当然、商人や農民にかなわない。
「武家にできて商人や百姓にできぬことが、一つだけ残る。死ぬことだ」。この一言が、本書を言い尽くしている。
紙の本
あっぱれ!
2019/03/13 14:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸時代を舞台とした「経済小説」。小難しい話しではなく、藩札板行相談役と、貧乏藩を根本から立て直そうとする藩重役の物語。藩札板行相談役のお役を越えてでも抜本改革に尽力する主人公と、鬼と呼ばれ、敵を数多作りながらも、腹を据えて改革を果断に進める藩重役。改革が成った後の藩重役の身の処し方は、あっぱれ!