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- カテゴリ:一般
- 発売日:2017/10/06
- 出版社: 集英社インターナショナル
- サイズ:18cm/205p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-7976-8015-7
紙の本
戦争と農業 (インターナショナル新書)
著者 藤原辰史 (著)
農業における発明は、戦争のあり方をも変えた。トラクターは戦車に、化学肥料は火薬に、逆に毒ガスは農薬となった。戦争と農業から、飽食と飢餓の狭間で危機に瀕した食の本質を考える...
戦争と農業 (インターナショナル新書)
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商品説明
農業における発明は、戦争のあり方をも変えた。トラクターは戦車に、化学肥料は火薬に、逆に毒ガスは農薬となった。戦争と農業から、飽食と飢餓の狭間で危機に瀕した食の本質を考える。【「TRC MARC」の商品解説】
トラクターと戦車、化学肥料と火薬、農薬と毒ガス。農業を変えた発明は、戦争のあり方をも変えた。増大する人口を支えるシステムの闇に光を当て、飽食と飢餓の狭間で、危機に瀕した食の本質を考える。
【商品解説】
トラクターが戦車に、化学肥料が火薬に、毒ガスが農薬になった!
池澤夏樹氏推薦!
「テクノロジーは農業と戦争を通底する。
その実態を明かしつつ、暗い未来に向けて一灯を掲げる好著」
農作業を効率的にしたい。その思いが20世紀の農業技術を飛躍的に発展させた。と同時に、その同じ技術が戦争のあり方をも変えた。トラクターは戦車に、化学肥料は火薬に転用された。逆に戦争で使用された毒ガスは、平和利用の名のもと、農薬として使用されている。
効率を重視した競争社会は、民主主義によって加速され、飽食と飢餓が共存する世界をつくってしまった。わたしたちは、気付かないうちにこのシステムに組み込まれ、平気で加担している。
この意識を変えるために、わたしたちにできることを考える。
迅速・即効・決断の社会は、人間の自然に対する付き合い方も、人間の人間に対する付き合い方も、硬直化させてきました。それは、感性の鈍麻をもたらし、耕作・施肥行為をする農民は、機械や肥料工場の末端のデバイス(装置)となり、戦争での殺人もベルトコンベアでの作業のような軽易なものになりつつあります。(本文より)
(目次より抜粋)
第一講 農業の技術から見た二十世紀
第二講 暴力の技術から見た二十世紀
第三講 飢餓から二十世紀の政治を問う
第四講 食の終焉
第五講 食と農業の再定義に向けて
第六講 講義のまとめと展望
【本の内容】
トラクターと戦車、化学肥料と火薬、農薬と毒ガス。農業を変えた発明は、戦争のあり方をも変えた。増大する人口を支えるシステムの闇に光を当て、飽食と飢餓の狭間で、危機に瀕した食の本質を考える。【本の内容】
著者紹介
藤原辰史
- 略歴
- 〈藤原辰史〉1976年北海道生まれ。京都大学人間・環境学研究科博士後期課程中途退学。同大学人文科学研究所准教授。専門は農業技術史、食の思想史など。著書に「ナチスのキッチン」「カブラの冬」など。
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紙の本
なるほど
2017/11/29 22:49
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
牧歌的なイメージの農業と、野蛮な戦争。この二つが、決して無縁ではないという視点に納得させられました。
紙の本
技術の発展は、実は農業と戦争を通底していた!驚きの良書です!
2017/12/16 09:34
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、20世紀の技術開発の進展によって農業効率性が高まり、生産性が飛躍的に上昇したが、実はそのことは戦争の在り方を根本的に変えるという、私たちに脅威を与えるものとなっていたという驚きの新事実を語った書です。トラクターが戦車に変わり、化学肥料が火薬に変わり、そして毒ガスが農薬に変わったのです。私たちの生活を安定させるための農業が、他方で世界中で飢餓や貧困の原因になっているという皮肉な状況に、私たちは今後、どのように立ち向かえばよのか、を再検討しようと試みた類書を見ない画期的な書と言えるでしょう。
紙の本
幸福とはどういうことだろうか
2017/11/10 19:47
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の本を読むのは初めてである。戦争と農業という題名に引かれて一読する。あとがきにあるように食べものや農業の歴史をめぐって某所で話した内容を五つの講義に構成し直したものだそうだ。2章と3章のところで農業技術が戦争兵器に活用された話が述べられている。が、全体としては食、農業の歴史を辿りながら、現状の食べものや食のあり方に疑問を呈し、「遅効性が即効性に先立つ仕組みこそが生きやすい仕組みではないか」と強調する。仕組みとあるように個々人の生き方や感性等に留まらず、人間社会全体の理念として提示して述べている。「食べもの」と「食べること」を通じて、新しい学問の居場所を考えてみたいということが著者の願いだそうだ。
人類の発展進歩の礎となった農業、農業技術に翻弄されてしまう時代になり、食を楽しむことや生き生きと暮らすことも出来なくなっている。20世紀を振り返ればその酷さの極みが戦争であったし、現代の企業活動の根源は同類項ではないか。人間とは何か、社会とは何かを改めて考えさせられる1冊である。
主張を分かりやすくするために、書名についてはもうちょっと工夫の余地があるように思う。
紙の本
前半と後半の内容の乖離
2018/02/09 09:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
途中からトラクターの世界史のネタを出し尽くしたのか、主張したいことがほとばしったのか、タイトルと乖離した内容になってしまった。確かにご説ごもっともだが、このテーマで購読した読者にたいしてフェアでない気がする。
紙の本
著者の意見には賛同するんだけど、タイトルと内容にずれがあるような...
2021/05/22 23:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:忍 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第一講が面白く、現代の農業技術が戦争の技術にもつながっているという指摘で、書名に沿った内容になっているのですが、それ以降の内容は書名とは少しずれていき、著者の主張を補足するために、他の書籍からの引用が提示されるという形式になっています。このため、個人的な意見に対してお墨付きを与えるように見せかけているだけではないか、と感じてしまいました。
それでも著者の言わんとするところにはうなずけるところが多々あります。人間が生存していくのに最も重要な「食」のために、戦争が起こり、そのために技術が発達、そこから派生した技術によって農業の形態も変わっていく。それにより「食」を生産する農業が経済社会に取り込まれて、産業化・工業化していく。その結果、「食」を消費するところまで、産業化・工業化されて、効率という指標で評価されるようになっている。
ただ、それではどうすればよいのか?、についてはまだ考えているところ、という感じで、結論がありません。もともとが、いろんな講演として発表した内容を、書籍にするために文章化したもののようで、そのために章のつながりが悪くなっているようです。そのあたりの事情が冒頭に書かれてれば、もう少し納得もできたのですが...