電子書籍
オイディプス王
2020/09/16 15:15
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著名な古典演劇の一つだが、今日読んでもハラハラさせられる筋書き。「父を殺して、母と交わる」という禁忌中の禁忌は後世にも影響を与え、フロイトの解釈や、「エディプス・コンプレックス」などにもつながっている。
紙の本
全ての悲劇はここから
2023/09/08 07:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
カラマーゾフの兄弟をはじめとする、父殺しの物語のルーツを感じました。エディプス・コンプレックスから抜け出せない男たちの悲哀も色濃く、フロイト心理学に与えた影響も計り知れません。
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読んでいて、「イオカステはどこで気づいてんだ?」と思ってましたが、しっかりと解説で触れられていました(^^)
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戯曲
かかった時間50分
父を殺し、母と交わる運命を追った王オイディプスを描いたギリシャ悲劇の傑作。
解説によると、アリストテレスはこの作品について、「逆転」と「認知」が見事に描かれていると評したそうである。アポロンの神託を受けて、自分ではない罪びとに憤るオイディプス王が、ライオスが亡くなった状況やテーバイの神託、捨てられた子についてなど、新たなことを知るたびに動揺し、最後には絶望するという物語の運びが、いっそう悲劇的である。
何より、物語としても、語り方を考えても、抜群に面白い。2400年も前に書かれたものに、異なる言語や媒体であってもアクセスできるって、改めてすごい。
訳者の方は、音にこだわって日本語にしたらしく、あとがきも興味深かった。
古典おそるべし。
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古代ギリシャ3大詩人のひとり、ソポクレスのオイディプス王を読んだ。
高校生の時「アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデス」と呪文のように覚えた記憶がある。
近親相姦に親殺し。悲劇の連鎖を演じる戯曲。
紀元前の傑作を2000年以上の時を超えて読めることに興奮を覚える。
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ギリシアを学ぶに、ホメロスとプラトン、アリストテレスで足りるわけはないと思いつつ、でも、全部は無理やん
フロイトとかに繋げれることも思うと、とも思うし、ギリシア悲劇を完全無視とはいかんでしょう
結論はしっているのに、この迫力、思わず涙が滲む
徹底した凋落と、全ては過去のこと、ということ
真実が明らかになるその瞬間まで、過去が語られる以外、何一つたいした出来事は起こっていない
預言が現実になる、という構造を、この悲劇そのものが預言となって繰り返される構造になっているので、結論を知っているとは別にその都度体験ができるのだろう
凄まじい
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「オイディプス王」は演劇の原点と言われるギリシャ悲劇だ。舞台には3人の役者しか登場しないので簡明だ。訳者がこだわった翻訳セリフはリズムがある。オイディプス王の舞台があるなら見てみたい。
人生において読んで知っておいて損はない古典の1冊だ。
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2000年前に紡がれた、これは短編でありつつも緻密でおぞましく、逆転と認知の悲劇的なストーリーです。
辻褄があっているのか、疑問点を読み返して咀嚼してみたくなります。
最大の疑問は使者がオイディプス王に謁見した際、お互いにライオス殺害の現場に居ながらその時の場面について追求せず、それより遥か昔に両足を拘束された子どもについて固執し続けたことと、使者が複数人の犯行と証言したことがうやむやにされたことです。使者が王を殺された現場にいながら王を助けられなかった言い訳で虚偽の報告をしたんでしょうけど、その一点を頼りにしていたオイディプス王なのでキチンと回収されないと読み手としてはしっくりこないです。
翻訳もギリシャ語を英語に訳したものからの日本語訳とはいえ、かなり原作に配慮しながら訳したものであるとのことで安心しました。
そもそも我が子を預言者の言いなりに殺してしまおうと思う母が悲劇の元凶ではあるが、フロイトが提唱した、男子には近親相姦の本能があるかもしれない(エディプスコンプレックスの語源とされるのだと思い当たる)恐ろしさとともに深く考えさせられるミステリーでした。
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「オイディプス王」は演劇の起源として有名ですが、今読んでも古びないのは、緊密なセリフの応酬や犯人が最後まで特定できないサスペンス感にあります。また、神の命に背いて子をなしたライオスに対するアポロンの呪いという因果の部分を削除したソポクレスの世界観が凄い!これで現代人にも共感できる立派な不条理劇になっています。
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高校一年生のとき(30年以上前)、担任兼世界史の先生が、この作品のあらすじをプリントで配ってくれて、衝撃を受け、ずっと記憶には残っていたものの、作品そのものは読んだことがなかったので、今回お気に入りの光文社古典新訳文庫で読んだでみた。
紀元前にこんな込み入った話を書いて劇をしていた、というのは正直驚きだ。
ギリシャ人が、「元祖ヨーロッパ人」面をして、EUから財政支援を受けてもまだ文化的には貯金がある、という感覚であるのも、気持ち的には分かるような気がする。かな。。
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・男児が潜在的に抱く母親への欲望と父親への対抗心のことをフロイトが『オイディプス王』に基づいてエディプス・コンプレックスと呼んだのは問題の核心を衝いていた。
・女児の場合はエレクトラ・コンプレックス(父親への欲望と母親への対抗心)と呼ばれることがあるが、広義にはこれもエディプス・コンプレックスに含まれる。
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作者の後書きを見ると分かるのだが、英訳されているオイディプス王はたくさんあり、どれも解釈がばらばらだったそうだ。
それに伴い、訳者はたくさんの文献を探し自分が納得のいくような日本語訳にしたそうだ。
また、オイディプス王は元々は演劇に使用される作品であり、小説ではなく台本であったのだ。なので、日本語訳もそれに忠実に従いながら訳したようです。
この訳者の丁寧な訳により、非常に読みやすく面白い作品となっていました。
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いまとなれば神々も信じられよう、と言われて、もちろんだとしんなり答えるオイディプスに憐れみを感じたが、よく考えるとコリントスでの神託を信じていたからこそ悲劇が成就したというのが事実である。神々の忠告をよく聴くべきなのか、聴くべきでないのか…。しかし、全てが明らかになった後のオイディプスの行動が興味深い。すぐ自殺しないところにむしろ強さを感じる。
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齋藤孝さんの「読書する人だけがたどり着ける場所」で紹介されていて読んでみた。
自身、文学に限らず古典にはこれまで全くと言っていい程触れる機会がなかったが、良いきっかけだと思って読んでみた。
まず何より、これだけのストーリー性のある話が、紀元前の時代に作られ、現代にまでその形を残している点に非常に感動した。
ストーリーはある程度わかった上で読んではみたが、それでも楽しく読ませていただいた。
オイディプス王自身が真実に気づいた後の狂気に満ちた行動もさる事ながら、解説にもある通り妻であるイオカステ妃が、いつどのタイミングでその事実に気づいたかという点において、諸説あるというところは非常に興味深かった。これは古典ならではの醍醐味であるのかもしれない。
もちろん現代の小説に比べれば、読みづらい点、理解しづらい点はあるものの、自身の古典への入り口として読むには、非常に良い本だと感じた。
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●ようやく、初めての古典。
学生時代に歴史か国語の授業で確か触れたことがあったが、盛大なネタバレだけされていたのだなというのが読み終わって分かった。
なるほど、父であり兄弟。なるほど子であり妻。。
オイディプス王は(例の事件を除いては)至極真っ当な王様であるだけに、こんな運命を背負うのは酷すぎる(まさに過酷)
●短い本だが、あっという間に読み切れた。自信になる。
●ギリシャ語原文では韻が踏まれているらしい。日本語では分からないのが少し惜しい(とはいえギリシャ語を勉強しようとまでは思わないのでどうしようもないのだけど)
●このあとに2作品、続きがあるらしい。
挑戦するか悩ましい。
解説を読むのが一つの楽しみなのだけれど、この本の解説は淡々としたもので、それほどの驚きはなかった。
●アリストテレス詩学にて、逆転と認知が同時に起きる傑作として本作を賞賛。古典同士の作品の関わりってすごい。
あとフロイトのエディプスコンプレックスも。
男児が潜在的に抱く母親への欲望と父親への対抗心というやつ。確か倫理の授業でやったなと。