紙の本
EUの目指す理想
2020/12/14 15:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジミーぺージ - この投稿者のレビュー一覧を見る
EUは,ヨーロッパから戦争をなくすためには
ヨーロッパ全体が1つの国になれば良いという
理想から始まりました。
1つの国とは、アメリカ合衆国のような国をイメージしています。
その中心的な国の1つがドイツです。
ドイツは、ナチス、ヒッツトーラーによる過去の過ちを
真正面から受け止め、謝罪と反省、補償を継続することで
諸外国との信頼を回復しました。
この本には、ドイツを中心にEU成立までの過程と設立後の問題点、
共通紙幣ユーロを発行する欧州中央銀行が、経済格差のあるEU
加盟国全体の金融政策を行うことの難しさなどについて書かれています。
今後のEUから目が離せません。
是非、読んで見て下さい。
電子書籍
ドイツ
2021/05/28 07:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村 - この投稿者のレビュー一覧を見る
Euについて、キリスト教について、色々勉強になりました!
投稿元:
レビューを見る
戦後ドイツの東西分裂は書にもあるように、社会主義と資本主義の比較そのもの。だけど、それだけで数十年の間に格差が生まれる社会とは怖いものです。
投稿元:
レビューを見る
EUの成り立ちと、ドイツがナチス時代から現代に掛けてどれだけの努力で世界の信頼を得たのかが分かりやすく書かれています。毎度思いますが僕のような初心者には本当にありがたいです。深くまで書かれていても興味が湧かないと全然頭に入らないですからね。これはすっと入ってきて、ちょっとわかったような気になります。
EUはヨーロッパの国々が集まって、アメリカやロシアに対抗する意味以外に、ドイツがまた暴走しないように監視するという意味もあったんですね。第二次世界大戦の重みというのはこれからも長く残っていくし、これからの世界の為に忘れてはならない事です。
ドイツが誠心誠意国際社会へ謝罪して、国民へも戦後教育を徹底してナチスドイツが起こした戦争を忘れずに綿々と伝えていく姿勢は本当に見事です。移民を無制限に受け入れるというメルケル首相の方針を、西ドイツで戦後教育を受けた人々は当然の事として受け止め、東ドイツで生まれ育った人々はナチスが悪かったのであって、国民は悪くなかったと教育を受けているので、受け入れ難く感じているという事も興味深いです。人の考え方というのは教育と啓蒙によって成立していくんですね。
僕は重要な事は国民投票すればいいじゃないかと安易に思っていましたが、ナチスはドイツ国民が国民投票で絶大な支持を受けた事によって誕生したと知ってびっくりしました。熱狂した国民が冷静さを欠いて選ぶことが、必ずしも国民の総意と言えるのかというと確かに疑問です。
EUでユーロという共通貨幣を使用している事によって、各国独自での金融政策が難しくなっている理屈がよく分かりました。好景気のドイツは金利が安すぎると締め付けが効かなくなる恐れが有り、不景気のギリシャでは金利が高すぎると経済が回らず回復しない。このバランスを取ろうとするとどっちつかずになるということ。なるほどね、想像もしなかったけれども一種類の金融政策で複数の国をコントロールするのは難しそうです。
それにしても子供の頃はがっちり固まった世界だと思い込んできましたが、その頃せいぜい戦後50年位だったわけで、これ以降もめまぐるしく世界は変わっていくんですね。漠然とは分かっていましたが具体的に色々な国の思惑を知ると、いかに世界平和が綱渡りかがわかります。
今世界は激動の道を歩んでいます。何も変える力は無くても知らずに巻き込まれるのは御免なので、地道に情勢を見守りたいと思います。
投稿元:
レビューを見る
世界史の中でもヨーロッパ史は各国の思惑が交差しておもしろい。特に第一次世界大戦前の帝国主義時代なんて、まるで泥沼で昼ドラよりもおもしろい。
しかしさすがにいつまでもケンカしているわけにもいかず、いかにケンカしないでやっていけるようにするかを模索しだしたのがEC(EUの前身)ということですが、これが実はドイツ抑え込み作戦だったとは。そして皮肉にも今のEUはドイツ主導になりつつあると。だからタイトルは「ドイツとEU」なんですかね。実際本文も、EUを知ると同時にドイツをがっつり知るような内容でした。第一次世界大戦で負けたドイツ→ひどいインフレで不満高まる→ヒトラー登場・・・あたりからしっかりおさらいできます。
ありがたいのは巻末のEU加盟国データ。つい名前を忘れそうな国があったり、また逆に意外な国が加盟してなかったりと、いろんな気づきがあります。
投稿元:
レビューを見る
ヨーロッパの統合の歴史。EUの課題点。第二次世界大戦後、ドイツの強大化を抑える役割をはたしたEUであるが、現在の中小国のEU加盟での経済の格差による混乱。そしてイギリスの脱退でドイツを中心にしたEUになる可能性が強い。これからのEUの進む道は。
投稿元:
レビューを見る
最初に題名を見た時に変だと思った。
なぜ、「ドイツとEUなのか?」
ドイツは、EUの一部ではないのか?
しかし、読んでいくうえでEUにおけるドイツの役割や重要性が見えてきた。
投稿元:
レビューを見る
教育や宗教など環境が国を造る上でいかに重要かということがよく分かった。
世界の見方シリーズはほとんど読んだけど今回の「ドイツとEU」編が一番衝撃的。
結構EUは知ったつもりでいたので余計。
投稿元:
レビューを見る
2019/12/10
イギリスに続くドイツ版。イギリスから見たEUとの関わりとドイツとではどう変わるのかと比較しながら読んでいたけど、案の定まったく違いました。
そもそもEUはヨーロッパが二度と世界大戦のような大惨事を起こさないためにヨーロッパを1つにしようという目的で組織されたものであり、第一次世界大戦、第二次世界大戦をそれぞれ引き起こしているのはドイツであるということ。けれども、ドイツは二度の世界大戦で犯した過ちを徹底的に反省して、その態度を世界に示して信頼を勝ち得てきているような気がします。
正直今のドイツに戦争してた暴れん坊的なイメージはないし、むしろ堅実で真面目みたいな印象があります。
それだけ国内でも徹底した教育を行ってきたということなのでしょうか。日本も敗戦国としてドイツの教育方法など見習うべきものがあるのではないかとも思います。
またEU加盟に伴う難民に関するスタンスの違いやその背景にあるもの、戦前の因縁を今はどう引きずっているのか、あるいは処理しているのか。
EUの中でもイギリスが脱退を国民投票で決め、ヨーロッパ各国に広がる自国第一主義の考え方は今後の国の行方を考える上で無視できないものであると思われます。
日本もその姿からどんなことを学ばなきゃいけないか…だと思いました。
投稿元:
レビューを見る
WWⅡ後、連合国は、ドイツの占領下から解放された東欧を、自由選挙のもと民主主義国家にすると約束していたが、ソ連が裏切り、社会主義国家とする。また、ドイツも独立するはずが、東ドイツと西ドイツで分割占領する。
→西の民主主義と東の社会主義がにらみ合う、東西冷戦の開始
これにアメリカ+ヨーロッパの国々が対抗しようと、NATOを設立。
ロシアも対抗してワルシャワ条約機構を設立するが、ソ連崩壊とともに消滅。
ユーゴスラビアは、チトーというカリスマの元、独力でナチスを追い返す。経済では、社会主義なのに西にも東にも加わらなかった。そのため、チトーは全人民武装という主義の下、全ての家庭に武器を配った。
→チトー亡き後、同じ民族や宗教の民がかたまって、国が分裂する。
現在のEU...マーストリヒト条約により結成、リスボン条約に基づいて運営
シェンゲン協定...域内の人の出入りを自由にする協定
お金としてのユーロの前身→ECU(エキュ)
通貨統合する前に、各国が自国の為替レートを一定の変動幅に収める必要があるため、このバーチャル通貨(銀行間の決済などに使用)が導入された。
その後、緩やかにユーロに移行した。
欧州中央銀行制度:EU中央銀行と加盟国の中央銀行が話し合いながらEUの金融政策を行うこと
ユーロシステム:欧州中央銀行と参加国の中央銀行で通貨政策を行うこと
金融政策は欧州中央銀行、財政政策は各国政府が行わなければならない。その歪みが出たのがギリシャ危機。
ギリシャは巨額の財政赤字に陥っていたが、自国通貨を刷れず、赤字国債を大量発行して金を呼び込もうとした。しかし、信用がないため買ってくれない。そのため超高金利で国債を売るも、返すアテがない。ついには破綻。
その余波が、他EU諸国にも飛び火。さらなる炎上を防ぐために、みんなで支援を行う。
ユダヤは実は日露戦争に関わっている
ロシアはキリスト教のため、ユダヤ教と仲が悪い→日本の戦時国債を、ユダヤ人が買い取ってくれた
ドイツの憲法(基本法)の改正に国民投票を経ない理由は、ナチスが国民からの民主主義によって生み出されたから。選ばれた国会議員によりきちんと検討しようという思い。
西ドイツと違って、東ドイツは、戦争に対して反省する気持ちが強くない。メルケルが難民を無条件で受け入れると発表したとき、ドイツの中で難民や移民を追い出すべきという反対意見があった。
東西ドイツが統一される前まで、韓国では、北朝鮮と一緒になりたいと言う気持ちがあったが、ドイツ統一後薄れた。
プロテスタントのカルヴァン派は、仕事に対しても一生懸命努力をし、質素でいることが、神様から選ばれていることの証になると考えている。
マックスウェーバーは、ドイツが発展したのはカルヴァン派の思想があった、と主張した。
福島で原発事故があるまで、メルケルは原発推進派だったが、日本人ですら対応できないような事故が起き、ドイツには無理だと考えた。
投稿元:
レビューを見る
【内容】
EUとは何か、ドイツの役割と共に解説
2度の世界大戦という苦い経験から、戦争のない平和な世界をつくるという大きな理想を掲げて誕生したEU。国境をなくし、通貨を共通にして、人、モノ、お金の移動を自由にしていった。
しかし、移民や難民の流入を招いてEUの結束は揺らいでいる。イギリスがEUからの離脱を決め、各国で自国第一を掲げる政党勢力が伸長した。
理想と現実の狭間で悩むEUはどこに行くのか?
実は統合にはドイツが強大になるのを抑え込む意味もあった。しかし、今やドイツはEUのリーダー格になっている。戦後のヨーロッパでのドイツの役割と共にEUを読みとく、池上オリジナル解説。
本書は、池上さんが選ぶ独自のテーマで、世界の国と地域を解説する「池上彰の世界の見方」シリーズの5冊め。都立戸山高校での特別授業をもとに構成。
【感想】
ドイツ人とこれから仕事で関わるであろう中で、
彼らの背景を知ることに役立ったと思う。
EUはドイツを牽制することを含む、
「二度と悲惨な戦争を起こさないように」
という理想のもとに組織されたけれども、
経済的に強いドイツが中心になっている現実...
イギリスの離脱、
移民問題を端に発した自国民第一主義の流れなど、
何が正解なのかと見出すのは難しいなぁと。
ドイツが発展したのは、プロテスタントのカルバン派の思想がその根底にあったのではないか、
というマックス・ウェーバーの主張は的を得ている。
どこでどのような思想の元で生まれるかは自分で決められないから、辛い所だなぁと思う。
投稿元:
レビューを見る
ヨーロッパの良い面しかみてこなかったが、それぞれの国で大変な問題を抱えてるんだなと思う。
物事には背景があってそれを知ってないと理解できないという事を痛感した。
投稿元:
レビューを見る
最近出版された「インド」が面白かったので、ほかの地域にも興味が出てきて購入。
内容としてはどちらかというとEUの記述が多いものの、ドイツ・EUそれぞれの現代史や課題をざっくりとつかむことができる良書である。
特に、ドイツの南北での違いや国民投票の危うさ、通貨単位「ユーロ」の由来などは意識せずに過ごしてきたこともあり、未知の知識に触れるという意味でも非常に好奇心を満たす本であった。
投稿元:
レビューを見る
日本と比較しながら読みました。
西ドイツと東ドイツで第二次世界大戦、移民への捉え方が異なることから、学校教育が与える影響の大きさを感じた。
投稿元:
レビューを見る
面白かった!
分かりやすい。ドイツだけでなくその他のヨーロッパの国や日本はこう、という比較もしてくれるので更に分かりやすい。ヨーロッパが好きなので『イギリスとEU』『ドイツとEU』を読みましたが、このシリーズの中東やアメリカも読みたいな。