紙の本
デジタル時代に勝ち抜くためのアイデアを教示してくれます!
2018/09/12 12:06
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、デジタル化時代において企業はどのように生き抜いてきけばよいのかを丁寧に論じた書です。現代社会では、近年「デジタル・ディスラプター」と呼ばれる破壊的なイノベーターが様々な業界で出現しています。例えば、一見、ITとは無縁と思われてきたホテルやタクシー業界でも、無人サービスなどのITを使ったサービスが出現し、業界を驚かせています。一体、既存の企業はそれにどう立ち向かっていかなければいけないのでしょうか。本書では、こうした状況を丁寧に分析し、将来的な方向について検討していきます。
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多くの企業においてデジタル化が至上命題とされ、既存企業がスタートアップを始めとするディスラプターの脅威を感じつつある中、シスコとIMDの優れた研究者らが、既存企業がどのようにそうした脅威に対抗していけばよいのかを、戦略論としてまとめた一冊。個人的な感覚にはなるが、マイケル・ポーターの「競争の戦略」を、”デジタル時代における競争の戦略とは何か?”という観点で書き起こしたら、このような本になるのではないか、というくらい、刺激的。
本書では学術的な研究メソッドに基づき、以下のような概念の定義がなされる。
・デジタル化が顧客にどのようなバリューを提供するかの観点から、デジタルのビジネスモデルは「コストバリュー」、「エクスペリエンスバリュー」、「プラットフォームバリュー」3つに類型化される。また、重要なのはこの3つを複合的に併せ持つことで、より企業としての競争力を高めることができるという点にある
・そうしたバリューを武器にして、市場はヴァンパイアのように荒らされる場合もあれば、逆に荒らされることによって一時的にかもしれないが、新たなホワイトスペースとしての市場が見つかる可能性もある
・そのリスクと機会に対して、既存企業は「収穫/破壊/撤退/拠点」という4つの対抗戦略を取り得る
・その対抗戦略を実行するために、既存企業は、3つの能力を身に付ける必要がある。「行動と状況を早いスピードで察知するハイパーアウェアネス」、「情報に基づく高度な意思決定力」、「動的/柔軟なリソース配分に基づく迅速な実行力」である。
本書が優れているのは、巷で騒がれるようなスタートアップを始めとするディスラプターそのものに目を奪われるのではなく、ディスラプションという事象自体に注目して、その事象・環境の中で、どう戦うか、という点に意識をシフトさせるべき、という点を明言している点にある。過去のディスラプターがそうであったように、特定のディスラプターが未来永劫に持続する保障はない(特にディスラプターの中には、法・規則を軽視しがちなプレーヤーがいるが、そうしたプレーヤーが長続きしないことは歴史が証明している)。だとしても、一度引き起こされたディスラプションは止めることができないのも事実である。MP3とナップスターの登場によって、音楽市場がかくも無残に破壊されたように。
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デジタル化に成功できるかは、経営にとって超重要テーマ。
さて、どう考えるべきか?デジタル×ビジネスを学べる一冊です。
わかりやすく類型化もしてくれているので、頭に入りやすい。
デジタル技術の細かい内容を勉強する必要はないかもしれないが、デジタルを活用していかに戦うのかは絶対学ばないといけない。
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第四次産業革命と言われる時代へ「既存企業の戦い方」という具体的書名に惹かれて。デジタル化するか、しないか、という設問はもはや存在しなくてデジタル化が当たり前である時、恐る恐るプロジェクト立てているような会社のリーダーにとって厳しい厳しいお話です。でも産業のための産業と考えるのではなくて、カスタマーファーストで考えるとこうなるよな、という真っ当なお話でもあります。コストバリューとエクスペリメントバリューとプラットフォームバリュー、そしてその組み合わせというビジネスモデルもわかりやすい。その上で、ナップスターに代表されるバリューバンパイアという破壊者の存在や、そのあと登場するアップルのコンピテンシーであるバリューベイカンシーというチャンスも納得です。でも一番響いたのは「プラニングは無意味」「必要なのはアジリティ」という指摘。今までプロトタイピングとか言って、やらやないよりはやった方がいいレベルとは違う行動の力を持てるかどうか?これが日本の組織に一番難しいかも。
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ディスラプターへの対抗策ではなく、ディスラプトの波の中でどのように対応していくべきかを示唆してくれる。
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ハイパーアウェアネス、の辺りを読んでる。ネスレと同じ危機が日本企業で起きたら、「インターンにウェブ監視をやらせるのは止めましょう」「消費者へツィートを変える前に、法務部門に相談しましょう」とかいう役に立たないガイドラインが出来て終わる。ますますアウェアネスから遠ざかる。
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目的: デジタリゼーションが進む世の中において、商社や自分の部署、車両販売店がどのように戦っていくべきかを学ぶため。
目的達成度: 4.5
★気付き・学び → アクション・意見
1. デジタリゼーションが進み、既存のビジネスがディスラプトされる現在の環境下では、優れたカスタマーバリューを生み出さなければ、生き残ることは不可能。
その優れたカスタマーバリューを生み出すために必要なのはビジネスアジリティーと呼ばれる下記の能力。
1) ハイパーアウェアネス
関連するデータや洞察を収集し、会社が置かれている状況において大きな意味を持つ変化を察知する。
2) 情報にもとづく意思決定力
データ解析をして知見を吸収し、適切な人材を引き込みつつ、一貫して正しい決定をくだす。
3) 迅速な実行力
うまくいってなかったり、時代遅れになったりしているアプローチを捨てて迅速に実行し、すばやく規模を拡大する。
→ 個人レベルではハイパーアウェアネスを身に付けるためにもデジタル化に関する情報収集は意識的に継続する。
2. デジタルボルテックスのなかでより効率的に戦うには、各従業員の従事している仕事が、最終的にカスタマーバリューと結びついている必要がある。
→ 突然自社の強みが強みではなくなり、大企業でも経営難により中国企業に買収されるような時代に、各従業員の仕事が収益の源泉であるカスタマーバリューに結びついているか否かは重要であると改めて認識した。
★感想
3つのカスタマーバリュー、4つの対応戦略、3つのデジタルビジネスアジリティーと言う重要な3つの項目に関して簡潔に、かつ具体例と共に分かりやすく記載されており、勉強になった良書であった。
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以下のコンセプトはいい。
ディスラプターが狙うバリューは、
コストバリュー
エクスペリエンスバリュー
プラットフォームバリュー
の3つ。
ディスラプター自体をバリューパンパイア。
パンパイアが出現したことで、生み出される市場の空白をバリューベイカンシー。
が、訳が悪いのか、もともと悪いのかわからないが、
大事なことを定義しないまま進む感じや、
時代背景や、既存企業がどうたちむかうべきか、など、
重要なことの深掘りが足りない気がする
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ー デジタル・ディスラプターが狙っているのは「バリューチェーン」ではなく「バリュー」そのものだ。そのためB2B企業は価値がどこで生み出されているのかを理解しておかなければならない。残念ながら私たちが調査してきたB2B企業の多くは、高いハイパーアウェアネスを持っていなかった。
これはおそらく、生み出された価値が最終顧客(すなわち消費者)によってどう消費されるかという観点から数歩離れたところにいるからだろう。 ー
体系的で分析的で現実的で面白い。
ディスラプターが重要なのではなく、ディスラプトという事象そのものの方が重要。ディスラプターの成功や失敗が重要なのではなく、ディスラプトそのものの当社への影響を考えることの方が重要。
本質を見誤らない議論が重要なんだなぁ〜。
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うだうだ書いてあるが最後の訳者あとがきに簡潔にまとめてある。
既存企業がデジタル・ディスラプターに対してどのように立ち向かうかは、4つの対応戦略しかない。これを見る限りでは、ディスラプションに逆らうことはできず、立ち向かうか・喰われるかの2つしかないと分かる。
1.収穫戦略
既存事業の顧客体験や価格を改善して既存事業を守る戦略
2.撤退戦略
中核事業分野を諦め、利益が出るニッチ領域に集中する戦略
3.破壊戦略
既存の中核事業に対して自らディスラプションを起こす戦略
4.拠点戦略
ディスラプションと対峙するポジションを市場内に確保する戦略
既存企業のバリューチェーンは、物理世界に拘束されていて、企業と企業のつながりで成り立ってきた企業の場合、変えるのが難しい。
自らディスラプションする組織を立ち上げるのがよい?
自分なりの答えを探したい。
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既存企業が、いかにスタートアップに勝つかという視点は、あまり見ないテーマ。
デジタルの破壊を、デジタルボルテックス(渦)と表現。
デジタルは、
コストバリュー、エクスペリエンスバリュー、プラットフォームバリューの3つを可能としている。
スタートアップがバリューバンパイアとなり襲いかかってくる。
既存企業は、以下の戦略がありえる。
収穫戦略、撤退戦略、破壊戦略、拠点戦略
デジタルのアジリティーは、以下の3つ。
ハイパーアウェアネス、情報に基づく意思決定、迅速な実行力
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詳細は紙に記載。
デジタルがもたらす3つの[カスタマーバリュー」
?コストバリュー
?エクスペリエンスバリュー
?プラットフォームバリュー
4つの対応戦略
1.収穫戦略
2.撤退戦略
3.破壊戦略
4.拠点戦略
デジタルビジネスアジリティ
1.ハイパーアウェアネス
2.情報に基づく石決定力
3.迅速な実行力
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VUCA時代の重要なキーワードである「Disrupt」と「Digital Transformation」を融合した、まさに”Disrupt, or to be disrupted, that's the question.”という問いへの回答の一助になる一冊。
デジタルトランスフォーメーションの本質は、単なるコスト削減ではなく、顧客への提供価値を高めることを目的としている(その上でコストも下がる)。3つのバリューはその方向性を検討する上で重要。
そのために、データドリブンな組織の構築(ビジネスアジリティ)は必須。
カタカナの造語が理解にしにくく、訳が頭に入ってこないの等の欠点はあるものの、デジタルを理解した経営戦略を体系的に学べる。
以下、本書からの学び
【「破壊者」ではなく「破壊の力学」に注目する】
重要なのは「ディスラプター」ではなく、「ディスラプション」。
【デジタル・ディスラプションの破壊力】
デジタル・ディスラプションと従来の競争力学とのちがいは、「変化の速度」と「利害の大きさ」。
業界ごとのデジタル・ディスラプション(p.338、表A4)
製薬業界ではデジタル・ディスラプションの可能性は低いが、影響を免れるというわけではない(パーソナライズ、デジタル・マーケットプレイス等)。
既存企業の強み(資金調達力、ブランド力、顧客基盤)は「規模」頼み。デジタルによって規模は容易に突破可能。ディスラプターは規模の不経済から利益を得ている(小規模の方が良い)。
ディスラプターはバリューチェーンの構築なしにバリューを創出。重要なのは、「バリュー」そのもの。
「自らをディスラプト」は、会社が顧客に価値を提供してきた方法がどれだけ強固かを疑うところからはじめる。
【デジタルが可能にしたビジネスモデル】
デジタル技術が新ビジネスモデルを可能に。
デジタルがもたらす3つの「カスタマーバリュー」
①コストバリュー(p.52、表1):競争におよぼす効果が最も強い。製品・サービスの非物質化。解析を駆使した情報優位、また情報優位による業務最適化。
中間業者として商取引に介入。
②エクスペリエンスバリュー(p.58、表2):製品・サービスをアンバンドルし、安価に提供。
③プラットフォームバリュー(p.66、表3):ネットワーク効果(メトカーフの法則)。
組合せ型ディスラプション:ビジネスモデルが組み合わさり、3つのバリューの破壊的な組合せが顧客にもたらされる。
【バリューバンパイアが市場の利益を飲み干す】
自らの競争優位により市場の売上・利益を縮小させるディスラプター。既存企業のマージンを枯渇、時代遅れの存在にさせる。市場の急激な変化を促進。
大きなイノベーションを経験していない市場では、多くの顧客が既存サービスに不満。
デジタル化可能なあらゆるものがデジタル化される。製品そのものではなく、「チャネルや消費行動のあるステップ」がデジタル化の可能性。
事例:ナップスター(p.91、表4)
顧客はデジタル・ディスラプションには大きな価値があると理解。
デジタル・ディスラプションによって、新たな市場機会生じる。一時的な空白地帯。『ホワイトスペース戦略』参考。
既存企業が3つのバリューを創出し、攻勢にまわれるチャンス。
『ブルーオーシャン戦略』の「市場の境界線」「模倣を防ぐ壁」は無意味に。
事例:アップル(p.111、表5)
【ディスラプターとどう戦うか―4つの対応戦略】
防衛的戦略:収穫戦略、撤退戦略
攻撃的戦略:破壊戦略、拠点戦略
①収穫戦略:ディスラプティブな脅威を遮断。顧客、提携業者、規制機関、世論形成者、資本提供者との関係を利用。法的措置、マーケティング活動、料金引き下げ等。低迷期間中に引き出せるだけのマージンを引き出す。デジタルで効率性を向上。収穫戦略が唯一の対策ではない。(p.124)
②撤退戦略:今の市場から離脱しニッチな市場に逃げる。事業維持コスト>利益 の場合。
③破壊戦略:デジタル技術とデジタル・ビジネスモデルを駆使して3つのバリューの創出に専念。
提供業者としての自らの役割から離れ、顧客の気持ちになって考える。
コストバリューとエクスペリエンスバリューは一般的には相容れない選択肢だが、デジタル・ディスラプターは違う。
④拠点戦略:ディスラプションにおける競争上の利益を維持。
ディスラプションをもたらした企業が最終的な勝者になるとは限らない。
「新設」「買収」「提携」のいずれを採るべきか?
戦略ごとのカスタマーバリューの形態(p.145、図13)
技術コストは指数関数的に減少していく(ムーアの法則)が、既存企業は高い技術コストを負わされている。コスト曲線の自らの立ち位置を「リセット」することが課題。
【アジリティを高める3つの組織能力】
ディスラプターのスピード、柔軟性、有効性に対応できる能力(p.304、図18)
「察知力」「情報に基づく意思決定力」「迅速な実行力」
3つの能力には連続性がある。
時には、ディスラプターのデジタル技術が必要な能力獲得を助けてくれる。
【これまで手に入らなかった情報を集める―ハイパーアウェアネス】
察知力:関連するデータ・洞察を収集し、自社が置かれた環境の変化を察知し、監視する能力。
どんな洞察を得たいか?何を監視するか?そのためにどんなITインフラ・人的資源が必要か?
【解析力を高めてバリューを見抜く―情報にもとづく意思決定力】
情報に基づく意思決定力:データを解析して知見を吸収し、適切な人材を引き込みつつ、一貫して正確な意思決定をするための能力。
良い意思決定ができるかは、良いデータ解析ができるか、社内外の専門家たちが必要なデータにアクセスし、適切な段階で意思決定プロセスに関与できるか。
【リソースとプロセスを動的にする―迅速な実行力】
迅速な実行力:うまくいっていない、時代遅れのアプローチを捨てて迅速かつ効果的に実行する能力。
【いかにして競争力を高めるか】
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とある部長のおすすめ。日経新聞でも取り上げられていた。
本旨と異なる以下の箇所が興味深かった。当社ないし日本特有の課題と思ったら、全世界中で同じようなことが起きているらしい。
悲惨な結果がもたらされるかもしれないというのに、調査対象になった企業のうち、45%が「取締役会で議題にするには値しない」とデジタル・ディスラプションを甘く見ている。
IT部門は、社内で最も変化を嫌う部門になりがちだ。その結果、彼らが企業の実行力を鈍化させてしまうケースが往々にしてある。というのも、IT部門の責任者の場合は「問題がない」ことを評価されるからだ。…彼らにとって、確実性の減少やリスクの増加、新しい問題が発生する可能性を意味する「変化」は鬼門なのだ。そのため、IT部門は反抗の文化を育むようになり、結果として「ノーしか言わない部門」と揶揄されるようになる。
…たとえば営業部門や経理部門など、本来ならIT部門の「社内顧客」とでもいうべき部門は、IT部門を避けて、よりスピーディで柔軟性のある外部技術企業(だいたいの場合、クラウドサービス)にじかに依頼することが増えている。多くのIT部門がコストバリューやエクスペリエンスバリュー、プラットフォームバリューを提供できておらず、自社事業とのかかわりを維持できていない。そして、その結果、ディスラプトされてしまっている。
…
…IT部門の予算の80%以上が無数のアプリやハードウェアのインフラ、レガシーシステムなどの管理や維持といった複雑きわまりない既存の技術環境のために使われていることがわかっている。既存のIT環境はもともと複雑だったが、デジタル機器やアプリ、サービスの前代未聞の増殖を受けていっそう悪化している。
ただし、注意しなければならないのは、ビジネスの要求に応じてあまりにたくさんの新しいアプリケーションやITサービスを導入してしまうと、かえってITの複雑性が増し、皮肉にも実行力が鈍ってしまうことだ。
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タイトルにひかれて深く考えずに購入しました。まず翻訳は非常に質が高く、全体的にとても読みやすかったです。また書かれていることについても、大きな違和感を持つような箇所はありませんでした。ただ本書からは一貫して「底の浅さ」を感じました。書かれていることが浅いといいますかとにかく薄い。巻末に早稲田大学の先生による12ページの解説がありましたが、そのくらいのページ数で十分伝わります(お時間ない方はこれだけ読めば十分)。なにか「カタカナ言葉」で無理矢理バリューアップを図ろうとしているかのようにも見え、正直ほとんど感銘を受けませんでした。面白い本ですと2ページに1回くらいの頻度で赤線を引くのですが、本書は全部で3箇所しか赤線を引きませんでした。
本書の最後の方に著者が書いているように、この本自体も「アジャイル」に作ったと言うことなので、内容が浅くなるのは致し方ないとは思います。またこの本は今後も?アップデートされるということですので、読者の意見を参考に内容を深めて欲しいと思うのですが、特に気になった点はデジタル技術を使った意思決定のパートです。本書によれば、デジタル・アジリティを身につけるためには、「情報に基づく意思決定力」が必要とのこと。そしていくつかのデジタルサービスを事例に、それらがどう人間の意思決定を改善できるかが淡々と記述されていますが、正直言って人間に対する洞察が浅すぎます。IMDにも意思決定の専門家の先生がいらっしゃるかと思いますが、そのような専門家の意見を聴きながら、人間がいかに単独もしくはグループで意思決定をあやまるか、あるいは様々な心理的なバイアスに影響を受けるかを理解した上で、デジタル技術がそれをどう改善できるか深掘りしてほしいと思いました。本書のなかでも人種や性別の偏見を受けない意志決定、という記述はありましたが、これは初心者でも言えることであって、「集団思考」「追認バイアス」「新近性バイアス」「アラーム疲れ」など技術の助けを借りたとしても人間が意思決定を間違える可能性は常にあります。意思決定×デジタル技術、というのはテーマとして非常に興味深いので、是非今後深掘りして欲しいと思いました。