紙の本
おじいちゃんの生きる知恵
2021/10/23 20:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サンバ - この投稿者のレビュー一覧を見る
責任を取るとは、労働とは、大人とは、夜間飛行の編集者の質問に答える形式の問答集。
窮地に立たされても「自分がわざとこの状況を作った」と落ち着け、責任は我先に負えば周りがついてくる、誰かからもらったという思い込みが好循環を生むといった、目の前の事態をやりくりするハウツーが散りばめられています。
特に、嫌な奴の存在は、嫌な奴への態度をとっている帰結だ、という指摘は日々意識すべきことだと思いました。
ただ、あくまで「そうなった時」への回答なので、「そうならないため」の指南はないです。その点は過剰な期待をしていたので拍子抜けでした。
投稿元:
レビューを見る
内田樹は面白い。なんとなく腑に落ちないこと、うまく表現できないことをワンフレーズで表現したり、さらりと言語化してくれる。「みんなが責任を取るようになれば、責任を問われるようにならない」「自我という集団」「フェアな社会はフェアな人間を再生産する」「明確にイメージされた未来はそうでない場合より具体化しやすい」「最悪の事態を想定すると、最大の見返りは最悪の事態になってしまう」「誰も気づいていない床のゴミを拾う」「労働で疲れるのではなく、制御されることに疲れる」「学生の売り手市場は幻想」「私はこれができますというのは、これを求める人がいてこそ意味がある」「やるべきこと、やりたいことより、やれること」「年金問題を世代間闘争にすべきではない。今の若者も将来世代に闘争を仕掛けられることになる」「この国の問題は邪悪なものとの戦いではなく頭の悪さ」「贈与とは、する行為ではなく受けた人の出現により成立する」「二種類のメンター。生涯の師と、目的地に連れて行く人」「くらい気持ちでした判断は大抵間違っている」「金銭トラブルは起こしてしまった経緯に責任があると思え」「いてもいなくてもよいと思う人間は生存欲求も落ちる」
投稿元:
レビューを見る
責任をとることは不可能
ごめんで済む話はこの世にはない
責任を取ることを人から求められないで済む生き方をしようと思ったら「俺が責任をもつよ」と言うしかない(逆説的...!)
人間の集団にはなくてならないもの。司法、信仰、医療、教育。
集団として生き延びることを目的とした場合には誰も見捨ててはいけない
最小の集合単位は自分
細部まで想像された未来は強い吸引力を持つ。取り越し苦労をしてはいけない。
まずは、誰も気づかない床のゴミを拾うこと。そういう人じゃないと場は主催できない。
遊びの要素がまったく含まれていない仕事は労働でなく苦役
労働の本質は自然の恵みを人為によって制御すること
人間は生産することじゃなく、制御されることに疲れる
生きる力がなんとなく高まる感じの仕事をするべき
ダンバー数=共同体の最適サイズ150
未来を託すために、若い人を大切にする会社に入るべき(弊社かw)
僕たちに立てられる有効な問いは「どうして私たちはこんなに頭が悪いのか?」という問いだけ
交換の目的は何か価値のあるものを手に入れることではなく、存在していることの根拠を与えること。交換は一人ではできない。
命の力を高めるには「私がいなくなったら、誰もそれを言う人がいなくなるようなこと」だけを選択的に語るほうがよい
教えるためには、おせっかいの気持ちと忍耐力が必要
教育の受益者は本人ではなく共同体そのもの
メンターには二種類ある。生涯にわたっての師か、繋ぐ人か。
親がまったく同じ方針で子育てをした家庭があったとすれば、そこは子供にとって地獄。なぜなら自分がどうあるべきかについて唯一の解しか許されないから。
親の仕事は子供のために葛藤的状況を作り出すこと。
愛国心は必ず失敗する。
自分と同じ考え方、感じ方をしない人間は「敵」と認定してよいというルールのゲームが愛国心。
「愛する」という行為は理解と共感の上にではなく、「理解も共感もできないもの」に対する寛容と、そのような他者に対する想像力の行使の上に基礎付けられたほうが、持続する。結婚も会社も同じ。
投稿元:
レビューを見る
この人の話はいつもとても面白い。
一度会って話すか、講演会を聞いてみたいな。
なんとなく、内田さんの言っていることを理解するには、私の知性は不足しているように感じるのが残念。
投稿元:
レビューを見る
最近、ハマって読んでる作者だけど・・
どんどん読んでるから、樹さんの思考経路のスイッチが入りっぱなしになってしまったためかな?
ちっと、推薦本読んでみて、スイッチ切った方が良いかな?
投稿元:
レビューを見る
理解した人の言葉シンプルだけど、非常に分かりにくい、言葉は理解しにくい。
複雑にしたり、例示したりすることで分かりやすくなる一方紛らわしくなったり少しズレたりしやすいのかと思う。
1人の考えだけども、自分の思考とすり合わせて、そのズレを感じることが大事なのかなとおもう。
責任は取れない
投稿元:
レビューを見る
欠落した他者の呼びかけに応答する存在としての大人だけが責任を引き受けることで同時に決定権を持つことができる。
投稿元:
レビューを見る
成熟した大人になるということはどういうことなのかを考察したエッセイ。
社会のルール、働き方、贈与の考え方、教育とコミュニケーション、生き方等について、昨今の様々な事例を挙げて著者の考えを紹介する。
この本も他の著作同様、読んでいる時はとても面白いし大変勉強になるのだが、読んだ後にあまり記憶に残らない。雑誌の記事を読んでいるようでややまとまりに欠けることと、(よく話が脱線するので)要らない文が多過ぎる感じがした。
おせっかいなオジサンは、気になることがあれば、つい一言言いたくなるのだろう。
著者の本は何冊も読んでいるせいか、最初の方の文を読んだだけで、著者の言いたい事が大体判るようになってきた。と言う事は、自分も著者の考え方にかなり影響されているのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
責任というのは、誰にも取ることのできないもの。にもかかわらず、責任というのは、人に押しつけられるものではなく、自分で引き受けるもの。
『働くことと遊ぶこと』の間にデジタルな境界線はない。まっとうな労働には『遊び』の部分がつねに含まれている。
動詞に『当為』と『願望』の助動詞をつけて話すのが『子ども』で、動詞に『可能』の助動詞をつけて話すのが『大人』である。
ある選択が適切だったかどうかを判定するときの度量衡はいつでも『生きる力』の増減。
投稿元:
レビューを見る
責任の取り方・正義と裁き・理想の職場など実社会でも度々議論になるけどイマイチ納得できなかったり、頭では理解出来るけどモヤモヤする問題について筆者なりの意見を述べている
この本の良いところは筆者の意見が「腹」で理解出き、感情的に納得のいくものである所だと思う
投稿元:
レビューを見る
>「責任を取るということは可能でしょうか」
>僕の答えはシンプルです。
>「不可能です」
>以上、おしまい。シンプルですよね。
>でも、どうして責任を取るということが不可能なのか
知識人をと問われたら初めに挙げたいのが内田先生です。私の「考え方」というものの大きな部分を占めていると思います。
彼は大体いつも同じ話をしていて、要するに社会的成熟が大切であるということです。そこを基礎にして様々なことを教えてくれます。
今回は質問に答えるメルマガでのエッセイ人生相談?推敲なしですと説明されているとおりやや散漫な感じ。
「調べてないのでわからないけど、多分そう」というのが繰り返されるとちょっと…。
投稿元:
レビューを見る
なかなか納得することが多かった。しかし多くの人が思っていることが正解という流れがある日本ではこのような考え方を自分の中で持ちつつ、他人とは共感していきながら生きていくのが良いと思った。
投稿元:
レビューを見る
贈与の話に感銘を受けた。目に見える全てのものはメッセージ、このことを忘れず、常に「心づくし」で準備された生活の舞台に感謝の念を持ちたい。被贈与の自覚が成熟への第一歩。
投稿元:
レビューを見る
責任を取る=相手に与えた損失を完全に復旧させる
と考えると「責任を取る」という行為は不可能である、
貨幣制度は「国家が未来永劫存続する」という嘘に皆が騙されていることで成り立つババ抜き、など
社会や人の在り方に新たな視点を与えている。その主張の根拠も分かりやすく、読んでいて新たな見地が得られるのを実感した。忘れてしまったころにまた読みたい。
投稿元:
レビューを見る
市民として、大人として成熟することについて書かれています。
わたしにとっては斬新な視点の思考で、今後も思考する際に役立つであろう事柄について書かれており、有意義な読書になりました。
哲学書にもこんなにおしゃれな方法があるのだと思いました。
私たちは現代において、先人の恩恵に預かって、ある種自由で裕福な生活を営むことができています。そういう時代にふさわしい方法で、成熟について、生き方について考えるヒントになる、良著だと思いました。
特に、青春・青年論に感銘を受けました。