紙の本
自撮りする女たち
2018/03/04 16:28
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投稿者:ごんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
複数の過去、現在進行中の事件を解決する見応えのある内容でした。カールとアサド、ローセの友情も感じさせる物語で普段なんでもない人間が犯罪に動く心境が克明に描かれている秀作だと思いました。
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シリ-ズもの。カールと愉快な仲間たち…的なシリ-ズてのはずが、今回もまた重たい(涙)
ロ-セの過去が明らかになり仲間たちを巻き込んでの命がけの事件関わりっぷり~。
また、題にもある『自撮りする女たち』のダ-クで一切未来も見えず破滅へまっしぐらの生活保護を受ける女たちと、公務員女性。
さっぱり明るくはないし、救いもない。なのに、彼ら彼女らの動静から目が離せない。
ますます謎を深めるアサドの過去、カ-ルの周りの人達、つづきが気になる。
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このシリーズがもう7作目になるとは!
とは言え読んでいく内に登場人物の事情をだんだん思い出して行くという体たらく。北欧ミステリはスウェーデンもデンマークも何でこんなにボリュームが多いの?
そして主人公たるカールがあまり好きになれないのが困る。こいつは物分かりが悪いし勘が鈍いしイライラする!その倍アサド頑張れと肩入れしたくなる。
後味は悪い。犯罪があまりにも簡単に運び都合よく片づいていく。バタバタと死んでくれる。
ミステリとしての評価は星3つがいいところ。
ローサの謎が解けたことに追加した星である。
今回は彼女が主役と言っても良い。ローサが回復するのを心から願って次作を待ちたい。
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3つの事件が5つになって……。
面白かった。
中盤から一気にスリリングに。
最後に泣きそうになるとは思わなかった。
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シリーズは7作目、すっかりファンになっている。39ページで初めて主人公カール警部補が登場した時に『待ってました!』と、この高揚感。
今回のストーリーでは助手のローセ女史が事件に巻き込まれ、彼女自身の影の部分がクローズアップされた。そして、同じくアサド助手の来歴が垣間見えるシーンも用意されている。もちろんカール警部補の少しおとぼけ感を醸しながらも、急転直下の鋭い切込みも楽しめる。
寝る前の少しの時間の読書だが、全570ページのポケットミステリーの残りがどんどん少なくなっていく。謎解きが目的ではない。登場人物の躍動をもう少し楽しみたいだけだ。次回作を楽しみに、読了。
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シリーズ7作目。前作から少し間が開いていたので背景を思い出す必要があったことや、特に前半は結構重たいストーリーだったので読むのに時間がかかった。中盤からは徐々に面白くなっていった。今回はローセの過去が大きなウェイトを占めていて、ローセの謎が少しずつ解明。しかしながらカールやアサドの過去は今回は全くといっていいほど触れられず。次作に期待。
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シリーズ第七弾は多くの事件が複雑に絡み合い、カールたちは東奔西走大わらわ。そこへローセのヘヴィーな過去が切込んでくるというボリューミーな展開。
事件の背景にあるのは福祉社会の暗部。加害者、被害者とも女性なので、同性故の共感できる部分もちらほら。両方の立場に立つと確かにどちらもムカつくよね。だからと言ってこういう手段に出る? 動機の部分で説得力に欠け、自撮り女たちの行動も無理矢理っぽい。
完成度の高いシリーズなので面白く読める安定感はあるけれど、今回は複数の事件とローセの過去という別個のストーリーが並走しているように思えて、読書中はモヤモヤが強かった。
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作品紹介間違ってるだろ。
しかしローセがかわいそうすぎることに…
なんかいい奴になってきたゴードン含め
チームの人ともっと触れ合ってほしい…
けど、治りたい時や治る前に
症状が悪化するという考えと期待!
お話はローセ巻き込んだせいで
いやいや、という展開になったけど
デンマークの福祉とかその問題の
カケラをちらっと垣間見れて面白い。
ていうかデニス一家、最悪最強ですな…
キャラと読みやすさで全巻読んだけど
もう10年とはびっくり!
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シリーズを読み重ねてないと何のことやらさっぱりわからないと思います。事件よりも主人公たちにまつわるエピソードの比重が大きい。ちょっとやり過ぎと思わなくもないがシリーズのファンとしては非常に楽しめました。
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4月-12。3.5点。
特捜部Q。公園で老女が殺害される。今作では異例の現在の事件を捜査することに。
連続するひき逃げ事件、関係者の繋がりが明らかになっていき。。
安定した面白さ。デンマークの問題にも切り込んでいる。
終盤は一気読み。
次作にも期待。
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特捜部シリーズ7作。
あらすじ
特捜部のメンバーであるローセは前の事件からさらに精神的に不安定だ。事件現場で亡くなった父親のことを思いだしたらしい。福祉事務所に勤める女性職員は、若い娘たちが、扶助金だけをもらって働かないことに苛立っていた。一方、無職の女性たちは、事務所で意気投合し、クラブを襲ったんだ金を奪おうとする。特捜部では、未解決の事件を再捜査することにしたが、それは現在に起こった事件と手口が似ていた。
今回は半分くらいがローセの過去に関係するもの。アサドは思いやりが深くて、友達思いだなあ。車椅子でカールの同居人、ハーディーは、冷静沈着でだんだん良くなってきているのかな。メインで起こる事件は、あっちもこっちも女性がヒステリーを起こしまくっていて、カールとか他の同僚の気性の激しさが影をひそめるほどだ。メチャクチャ過ぎてむしろ笑える。事件も複数で、過去現在と入り組んでいるけど、読みやすい。一気読み。ローセは次回て復帰できるよね。
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「特捜部Q」もシリーズ7作目。
デンマークの大人気ミステリです。
地下の特捜部に追いやられているカール・マーク警部。
部下はほぼ警官ですらないメンバーで回しているが、事件の解決率はかなりのもの。
今回は秘書のローセに焦点が当てられています。
福祉国家として知られる北欧のデンマーク。
福祉事務所には給付を望む市民が詰めかけ、中には働く意志がなくなんとか言い訳してお金だけは貰おうという根性の人間も。
相手をする係員もストレスを抱えているのでした。
そんな状況で出会った気まぐれな若い娘たちが意気投合、思わぬことから犯罪に‥?
背景には、歴史を背負って破綻した家族たちの重いものも含まれるのですが。
おしゃれだけはする若いコたちの身勝手な言い草が情けないやら哀しいやら。
さらに、真面目な官吏のはずの担当者の切れっぷりのほうがすごくて、笑えてくるほど、ぶっ飛ばします。
ローセは有能だけど変わり者。というのはわかっていましたが、これほど壊れてしまうとは‥
鬼気迫る描写の後に、過去のつらい状況が明らかに。
現在の事件とも運悪く絡み合い‥
救いようがないと思われたいきさつがあっても、時とともにじわりと事態は動きます。
ローセを救おうと懸命に突き進むカール、アサド、ゴードンたち。
ラストに光が差し、泣かされます。
ローセのために★1つ追加で。
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今作は良かった。始め、これらがどんなふうに収束するのか不安だったけど最後はそれぞれの事件が一応落ち着いた。
ローセの父親殺しの犯人達はいきなりカールが詰め寄って自白させて解決。これはいきなりすぎた。元々見当はついていたけどローセの状態が悪くなったので切羽詰まって、というところだろうか。
ローセの父親の同僚5人くらいが共謀して、作業中に事故に見せかけて電力をストップ。電磁石が止まって、金属の塊がローセの父親に落下。目の前でそれを目撃していたローセは心の傷を負う。
ローセは親しくしていたリーモアの死にもショックを受けたし、自撮り二人組に監禁されたこともショックで、巻末に少し回復への希望があったけど…。
ローセの父親はずっとローセに精神的虐待をしていた。
ジェームズの自白でリーモア殺しが解決。ここもジェームズにたどり着いたのは立派だがうーむ…
ビアギトを追い詰めて自白、ゴンダスン殺しが解決。動機とかがいまいちよくわからないけど…
最後に手榴弾が暴発?して犯人の暴走ソーシャルワーカーが吹っ飛ぶというのはあっけない。
アサドがとっても頼もしくなってカールもアサドを今以上に信頼してる。ゴードンも頼もしくなって、特捜部Qの結束力がめっちゃ高まった作品。ローセの家族背景がわかったのは前進だけどローセの状態が心配。
アサドの特殊能力の背景、ハーディの具合が良くなってきたこと、マークスも登場、盛りだくさんで楽しい回だった。
2016年に本国デンマークで、2017年にドイツ。次回作はいつになるのか
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特捜部Qシリーズ第七作。
特捜部Qのメンバー、ローラの過去が明らかになる作品。
長年、父親から精神的虐待を受けていたが、
その父親は圧延工場で事故死した。
すぐそばにいたローラは犯人なのか。
ガンに罹患してしまった社会福祉事務所の女性が、
自分の担当の生活保護を受けている女性たちを殺していく話も強烈で、
過去の女性教師殺人事件と現在の老女撲殺事件の関連性について捜査しているはずなのに、
どうも印象が薄れがち。
ゴードンがどんどん使える奴になっているのが、楽しい。
モーナとカールの関係は好転するのか。
とにかくローラが助かって良かった。
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スウェーデンを中心とする北欧ミステリだが、デンマーク発のミステリと言えば、このシリーズだろう。第3作までは映画化されたものをWOWOWで観ているが、第四作『カルテ番号64』は今年になっての上映。映画化されたものに比べて、作品はカール・マークの独白による描写が多く、リズミカルでコミカルで明るいイメージが強い。息詰まるような暗い犯罪を解決する捜査官としては、このくらい明るくなくてはやってられない、ような気がする。
そして、特捜部Qシリーズも、いよいよその第七作に突入。全10作で完結するという本シリーズ。宿題もいっぱい抱えている。第一作の最初に起こった事件の捜査途上で、当時、銃撃され生死が危ぶまれ意識不明に陥っていた元部下のハーディは巻の進むごとに回復しているものの、事件そのものは暗礁に乗り上げたまま。
そもそもその正体が不明である部下などいるわけもないと思うのに、アサドとローセはまさに正体不明の部下である。アサドは、どこかイスラム圏の政府機関にいたことがあるようにも思えるほど、時に国際社会の闇に精通している様子を垣間見せるが、たいていは言葉の間違いや、イスラムの風習で笑わせてくれる明るい存在だ。
最も心配なのが、ローセ。これまで姉と妹の双子役を演じ、多重人格を疑わせてきたローセは、本作でまた新たな人格を纏って職場に現れる。さらに彼女の精神状態が重篤化し、過去に抱えてきた心の闇が徐々に露わになることを思えば、本書はシリーズの中でも重要な作品と言えるかもしれない。
さてシリーズとしての役割はともかく、本作も、デンマークの社会問題の闇に迫る一作となっている。北欧諸国が世界に誇る福祉政策の裏側で、福祉され受給する似非(えせ)弱者たちの問題である。失業保険を過度に受給する若く美しい女たちが一向に真面目に働かず、華美な衣装に身を包んでいることに、切れてしまう福祉局職員の犯罪、という少し考えにくい想定でありながら、いつもの通り、物語は想像を遥かに超える怖い場所にまで
読者をいざなってゆく。徐々に壊れる心と、狂気の怖さは、事件当時者の側にも、捜査側のローセにも同時並行的に膨らんでゆくのである。
いつもの緊迫感に欠けはするものの、じわじわと迫ってくる物語の深さと恐怖を味わいつつ、特捜部Qは新たな救済に向けてまた一作進んできたことをも伺わせる。あと三作ですべての宿題がきれいに片付いてくれることを願うばかりだ。