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- カテゴリ:一般
- 発売日:2018/01/24
- 出版社: 早川書房
- サイズ:19cm/328p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-15-209742-2
紙の本
津波の霊たち 3・11死と生の物語
著者 リチャード・ロイド・パリー (著),濱野 大道 (訳)
在日20年の英国人ジャーナリストは、東日本大震災発生直後から被災地に通い続け、宮城県石巻市立大川小学校の事故の遺族たちと出会う。取材は相次ぐ「幽霊」の目撃情報と重なり−。...
津波の霊たち 3・11死と生の物語
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商品説明
在日20年の英国人ジャーナリストは、東日本大震災発生直後から被災地に通い続け、宮城県石巻市立大川小学校の事故の遺族たちと出会う。取材は相次ぐ「幽霊」の目撃情報と重なり−。「黒い迷宮」の著者による迫真のルポ。【「TRC MARC」の商品解説】
在日20年の英国人記者は被災地で何を見たのか? 震災直後から東北に通い続けた著者は、大川小学校事件の遺族たちと運命的な邂逅を果たす。取材はいつしか相次ぐ「幽霊」の目撃情報と重なり合い――。『黒い迷宮』の著者が悲しくも不思議な津波の余波に迫る。【商品解説】
著者紹介
リチャード・ロイド・パリー
- 略歴
- 〈リチャード・ロイド・パリー〉1969年生まれ。英国出身。オックスフォード大学卒業。英『ザ・タイムズ』紙アジア編集長および東京支局長。BBCの番組の「今年の外国特派員」賞を受賞。著書に「黒い迷宮」がある。
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紙の本
東日本大震災を忘れない
2018/05/03 17:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京在住20年以上という日本通のイギリス人ジャーナリストの震災ノンフィクション。
東日本大震災での津波被害が甚大であった北上川河口地域に関わる報告である。特に大川小学校の悲劇と栗原市通大寺金田住職の活動物語が中心となる。これまで発表された震災物語よりもより多く時間をかけたと思われる取材内容と自身の日本観を加味してまとめられた秀作であると思う。
一気読み後の余韻が深い。日本人を熟知した外国人の優れた観察眼による日本論と思う。訳も味わいがあって読みやすい。
紙の本
ここまで踏み込んで書けるのは英国人ジャーナリストならではだろう
2020/12/30 09:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toto1Q69 - この投稿者のレビュー一覧を見る
英国人ジャーナリストならではの視点、描写、取材が大変印象深く、心に沁みた。日本のジャーナリストであればおそらくここまで踏み込んで書くことはできなかったであろう。未曾有の大災害に改めて真摯に向き合えるのと同時に、お亡くなりになった方の御霊に、そしてそのご遺族の皆様に改めてお祈りを捧げたいと思った。
紙の本
津波の「霊」とは何か
2020/05/07 17:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かばおじさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は主に2つのテーマから構成され、場面ごとに両者が切り替わる。1つは大川小学校で起きた悲劇について。もう1つは震災後に頻発した心霊現象について。
私が特に印象に残ったのは、日本人の特性についてである。著者は日本の自然環境の厳しさによって培われた日本人の特性(詳細は本書を参照)は美徳とされる一方で、「自尊心の集団的欠如」でもある、と指摘する。
そして、著者はこの日本人の特性こそが、大川小の不可解な経緯や保護者たちの苦悩・葛藤、さらには日本人の死生観(この言葉も死・生の順である)の奥底に流れる意識と看破し、これにより上記の両テーマが鮮やかに繋がってくる。
『津波の霊たち』の「霊」とは何か。私はこの言葉に、心霊現象としての霊だけでなく、日本社会に漂う閉鎖性や不文律、日本人の特性なども含意されていると感じた。
そして、2020年の新型コロナウイルスの対応を見れば、現在も変わらず日本はこの霊に支配され続けていることは明白であり、本書での著者の叫びは少なくとも目に見える形では日本を変えるには至っていない。
紙の本
震災(津波)被害がもたらした人間関係の断絶を丹念に取材したノンフィクション
2019/02/04 17:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災では3月11日に学校の教師の管理下にあった子供達のうち75名が死亡しました。そのうちの74人は石巻市の大川小学校の児童達でした。すなわち大川小学校以外の学校ではあの巨大な津波に対して的確な避難がなされ、人的被害がほとんど出ていないということなのです。
大川小学校で何があったのか、生き残った児童やその保護者、子供を亡くされた保護者への丹念な取材から”あの時”に何があったのかを追い求めていきます。
取材を進めるうち、あの震災で様々な意味で人間関係の断絶が生じていることが浮き彫りになります。「わが子が生き残った保護者」と「わが子が亡くなった保護者」、そしてわが子が亡くなった保護者のなかでも「その遺体が発見された保護者」と「未だ遺体が発見されていない保護者」というふうに。
わが子が犠牲になった保護者の方々は教師の避難指示に過失があったではないかと訴訟を起こします。ところがわが子が生き残った保護者の人からすれば、日々わが子が世話になっている教師や学校を訴えることになり、訴訟には消極的になってしまいます。またわが子の遺体が発見されていない保護者の方はまずはわが子の遺体の捜索が第一で「訴訟で勝ったら気が晴れるのだろうか」と訴訟にまで意識が回らないのが現実です。
「震災の被害」と一言で片づけることができない複雑な人間関係を正確に描き出したノンフィクションで、読んでいて苦しくなる部分もありますが、マスコミが報道していない真実を丹念な取材で拾い上げている印象を受けました。