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怖いわー。現在の音楽業界が辿った道を【mp3開発者】【音源流出者】【音楽業界側】の視点で描いたノンフィクション。
音楽業界と流出者の主張は、最初の音楽との出会いが違法ダウンロードな世代にとっては論点ですらなく、作中に出てきた【現在、もっぱら主要な顧客はダウンロード出来ない世代だ】に震える。本屋大丈夫かよ!?電子化すれば必ず起こりうる事(違法ダウンロード)なのに今はメリットばかりが喧伝され【無料で読める】事になれた顧客を育てているんじゃないのかなー。紙を買う層と買わない層が存在している限り本屋は無くならないと信じてきたのが、これを読んでぐらついた。踏ん張ってるけど。
すぐに書店に置き換えて暗くなるが、80年代からのアメリカ音楽の歴史としても楽しめる。2000年以降はヒップホップ大目ですがそれがまたティーンの好みにも合い一気に音源のMP3化が進んだのだろう。歴史の転換期ともいえる1990年代後半からCD屋をやっていて(まさに絶頂期と下降期!ヤパー!)思い出すのは、「ワーナーミュージック」の注文書には毎回各アーティストの新譜から1曲づつ収録されたサンプルCDが閉じ込みで封入していて、それこそ発売1か月以上前には末端のCD店で音源が存在していた。本書でも描かれる「流出マニア」達の中にネットの海に流した奴が居なかったとは限らない。だってMP3音源ですべてが事足りるなんて全く思いもしなかった。MDが消え去るなんて思いもしなかったように・・・
「売り上げが落ちた原因が違法ダウンロードでは無い」
アメリカは広いね。国もココロも。
そんな意見に「3日前に初めてラジオで流れた新曲。もちろんCDは発売されていない。もちろん、その曲も落とせる」
本書には音楽業界だけでなくスティーブ・ジョブズや酒造大手シーグラム社会長にFBIと様々な人物が現れる。どれも音楽を守ろうと蠢いている。音楽という巨大産業がぶっ潰された後から何が生まれるのか?アメリカでも日本でもすでに新しい何かが芽生えている。新しいカタチが何であるのか見極める前に「そもそもどうなのよ?」で読んで欲しいのである。趣味の欄に「音楽鑑賞」としているキミタチに。
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とても面白く読めたノンフィクションです。
私の年代だとCDをショップに行って足で情報と
パッケージを買っていた年代ですが、
今は無料や定額制で聴き放題。明らかに音楽のリスニングスタイルが変わっています。その時代を
生きた人たちの物語が書いてあります。
面白いです。
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ナップスターが死んだらへんの話は話として聞いていたが、無断アップロードの活動がここまですごいものだとは思わなかった
もうアップロードするものがないという発言が飛び出すほどにまで拡大すれば音楽業界も必死になるだろう
とはいえ結局は標準化した音楽データを持ち運べるという便利さには勝てない
消費者は正直だ
良い技術(mp3)が採用されるとは限らない、政治力やプレゼン力が必要だというのは残酷な真実だが、それを克服しているのも魅力
ネットに上げる組織がいて、リリース前の音源を盗んでは上げるというのはすごい
それも基本的にカネ目当てではなくコミュニティ内の承認がメインで、まさに現代の先行という感じがした
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ファイルシェアやストリーミングの登場で、音楽を所有することの意味が限りなく薄くなる中で、それでも音楽を所有したいと思う自分は、古い世代なんだろうなと思う。
もっとも、最近はspotifyに頼り切ってしまっているけど。
少しずつ意識も変わっていくのかな。
〜〜〜
音楽をタダにした「犯人」のドラマを描くノンフィクション。
タダになったのは、ファイルシェアの存在が大きい。ファイルシェアサイトの管理者は。
ファイルシェアで人気があるのは、発売前のリーク音源。リークさせていた人は。また、特に人気のあるヒップホップを牛耳っていたエグゼクティブは。
音源をシェアできるようになったのは、mp3が開発されたから。mp3の開発者は。
特に面白かったのは、リーク音源の出所が非常に限られていたところ。世界中の人がばらばらに拡散させていたのではなく、組織だった集団が、代表の統率の下、活動していたこと。
複雑に見える現実を丁寧に追うと、シンプルな構図の輪郭が見える。作者の取材が浮かび上がらせた。
音楽好きな人には、特に読んで欲しい。
ストリーミングのその先には、何があるんだろう。"ローカル"な音楽は、立ち位置を失うんだろうか。過度に統率化された"シーン"で、その外側が果たす役割は変わっていくんだろうか。
歴史を紐解くと、未来を考えるきっかけになる。
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非常によくできたノンフィクション。
素晴らしいジャーナリズム。
内容はもちろん、文章自体も面白くて、最後まで飽きずに読める。
かつて、P2Pファイル共有ソフトなんかで、音楽ファイルを違法に入手できた時代を経験した世代としてはゾクゾクする内容だと思う。
(不特定多数の人が違法アップロードしてるんだと思ってたけど、ある一人の男がそのほとんどをアップロードし、世界の音楽業界を変えてしまっていたという話とか)
メインの男3人、それぞれ違った形で音楽業界を大きく変えた人たち。ただいずれも偶然やタイミングの一致が大きな要素だったなと思う。
映像コンテンツも同じような背景の中でネットフリックスが現れて世界が変わったし、雑誌やマンガもこうなっていくだろうし、そんなダイナミックな時代を生きてるんだなと。
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圧縮音声ファイル「mp3」が発明され、インターネットとコンピューターが民間に普及したときに起こったこと。そしてそのときの3人の男たちの物語。必ずしも彼らは天才ではなかった。
海賊版の蔓延、対策、音楽業界の古風なビジネスモデル…mp3の発明は確かに、海賊版を蔓延させた原因ではあっただとうし、一因にもなっていることは察する。しかし音楽という産業をつぶしたのは、それだけではないとも思っている。
ノンフィクションだが、見知った人物の名前も出てきたり物語のように読みやすい。そういった番組を見ているかのような感覚。
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マクルーハンのメディア論に書いてあったこと、そのまんまだと思いました。
「相互交換の手段、人間の相互交流の手段は、すべて加速によって改良をみる。すると、こんどは、速度が形態と構造の問題を強調する。古い編成はこのような速度を考慮してなされてはいなかったから、人々が古い身体的形態を新しいより速い運動に適応させようとするとき、自身の生命価値が流出しているように感じ始める。」
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田舎の工場で発売前のCDを盗んでいた労働者、mp3を発明した技術者、業界を牛耳る大手レーベルのCEO…。音楽産業を没落させた張本人たちの強欲と悪知恵、才能と友情に迫った群像ノンフィクション。
最初のうちは訳分からなかったけどだんだん面白くなってきた。
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評価大の書籍ながら、評価が難しいなあ。
でも結局、当時の主要メンバーは彼らなんだろう。真相は実は結局分からない。
本書の話以外でも、例えば日本でもWinnyが問題になったり、海外でもいくつか共有ソフトが流行ったし。Adobeのソフトコピーも色んな手でパスワードが作れたりとか。
音楽アルバムは多分彼らがぶっ潰したんだろう。
けど当時出回ってたブートレグのライブ音源とかはどこからやって来たんだろうね。今や貴重だなあ。どこにいったろうか。
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MP3技術による音楽産業の変革というものを
現象 → 構造 →(本質?) と、流れが捉えやすく描写されていたように感じた。登場人物全員が革命の一端を担っている。面白い。
当時莫大な資金と影響力を持っていたレコード会社も、民衆の「音楽はタダで聴きたい」という執念と技術の前に抗えずに衰退するのは痛快。正攻法じゃなかったとしても、今の音楽環境を作ったのはハッカーなんだな。
そこで真っ先に正攻法でitunes作ったジョブスはやっぱ最強。まじ官軍。
一つの社会現象を追ったケーススタディとして大変興味深かった。オヌヌメ。
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技術的な話はチンプンカンプンで一度挫折しかけたが、やっぱりどうしても気になって我慢して読んだところ、何となく何が起きていたのかわかったような気がする。どの程度理解できているかは自信ないけど。
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面白かったーーーーまさか、ストリーミングの技術が90年代、もっと前から考えられていたとは!!
レコード業界も知ってて、脅威にならないと思っていたんだね
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ウォークマンなどで一世を風靡したmp3の話がメイン
(妨害や利権により)日の目を浴びなかった技術が、奇しくも海賊版の流行によりメインストリームの技術として採用されるようになる。
今後の音楽業界や、トレント、今の音楽ストリーミングの時代の裏側や、仕組みがよくわかる本。
ITで働いている人は読むと面白いかも!
昨今のadobeやMicrosoftでも主流の「サブスク」にはこんな理由があるのかも
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最近のストリーミング/サブスクリプションについての本かと思い購入。
一つ前の期間、CD→mp3までの物語で、想定とは違う内容でした…
内容としては小説のように読み進めることができて面白かったですが、固有名詞が非常に多く出てくるのでなかなかのめり込めず…という感じでした。
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新しい業界は混沌として読み物として面白かった。
Spotifyなどの最近の話かと思って読んだが、初期のころの話だった