紙の本
一気に読めた
2021/12/10 07:01
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投稿者:たゆ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここに書かれているN編集委員って誰なんだろう
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1987年5月3日20時15分。散弾銃を持った男が朝日新聞阪神支に
侵入し、小尻知博記者と犬飼兵衛記者に銃弾を浴びせ、小尻記者
の命を奪い、犬飼記者に重傷を負わせた「赤報隊」。
事件直後、朝日新聞社内に結成された特命取材班に名を連ね、公訴
時効後も姿の見えない犯人を追い続けたのが本書の著者である。
取材し書くことが仕事であるはずの記者が、書くことを許されない
特命取材班に籍を置き、ひたすら事件に関係すると思われるメモを
残す作業に従事するのは辛いことだったのではないかと思う。
ましてや同僚のひとりは重傷を負い、ひとりは殺害されているのだ
から。
それでもひたすらに「赤報隊」を名乗る犯人を追い続けた30年の
集大成が本書なのだろう。きっと、書けないこと・書かないことも
山のようにあったのだと感じる。
旭市新聞を敵視する右翼との対峙、系列の週刊誌が批判記事を書いた
新興宗教団体とその別動隊(霊感商法の、韓国発祥のあの宗教団体)、
絵画盗難事件に係わった人物。
何度も足を運び、時には会うことさえ拒否されながらも僅かでも犯人に
繋がる可能性を見出しながら取材を続けた年月だった。
そればかりではない。朝日新聞社上層部の問題点、警察への批判など、
公表しにくなっただろうと思われることも綴られている。
既に朝日新聞社を退職している著者であるが、この方は今後も同僚の
命を奪った「赤報隊」を追い続けるのだろうな。
主義主張が違うからって命を奪っていいなんてことはない。なのに、
「〇〇を殺せ!」なんて言葉が巷には溢れていやしないか?
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「まえがき」を読んだ時点で、すごい気迫を感じ、こちらも心して読まなければ、と感じた。
30年間追いかけ続けられた執念(すみません。言葉知らなくて。いい意味で使ってます)に感動する。
多分犯人にたどり着いてるであろうに、完全な証拠がなく、それを公表できない苦しさ。
言論を暴力で押さえつけようとするものに対して、許すことのできない思いを持ち続け取材される、その原動力は、仲間の記者が殺されたこと。
時効なんて関係ない(でも時効って変なシステムだよな)。
真犯人を上げるまで、この先も続く戦い。
この犯人が捕まらないことと、右傾化が進んできた現在のこの国の状況。直接的な繋がりはないのかもしれないけど、やっぱり繋がっている。のさばらせてしまっている。
あまりにものさばらせてしまったので、政権の中枢もそっち系の人で占められてしまうようになった。
そして、直接的な暴力ではないけれど、言論を封じ込めようとしている。
ちょっと最近は盛り返してきた感じはあるけど、まだまだだし、ここでどれだけ頑張れるか、踏ん張れるかが日本の将来を決めると思う。
朝日新聞がんばれ。メディアの人がんばれ。
そして何より、それらの人を支える国民一人一人が目覚めよ!
30年が賭けられた著作なので、命が賭けられた著作なので、ちゃんと感想書きたいのに、アホなのでうまくまとまらない。
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1987年5月3日、朝日新聞阪神支局が襲撃され当時29歳の小尻記者が散弾銃で撃たれて亡くなった(1人は重症)事件の犯人を、同僚記者が捜し続ける記録。また、事件の背景についての考察の記。
某宗教団体とこの事件との関係性については、殆ど世間では語られていない。宗教団体の報道面での取り扱いというのは、オウム事件以来変化があるのかと思っていたがそうでもないということか、政治的背景が大きく関わっているのか。
もしてこの本の白眉は、事件を追い続ける記述にもあるが、一方で、最終章にあるのではないかという気がした。1997年の日本会議設立以降、右傾化が大きく進行。彼らを甘く見過ぎていたという後悔が感じられた。
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一九八七年五月三日憲法記念日の夜、朝日新聞の記者二人が突如、目出し帽をかぶった何者かに散弾銃で殺傷された阪神支局襲撃事件。この事件を含め、約三年四か月の間に計八件起きた「赤報隊」による襲撃・脅迫事件は、未解決のまま、二〇〇三年三月にすべて公訴時効となっている。事件の三年前まで同支局に勤務し、発生当初から記者として特命取材班に加わり、時効後も一貫して事件を追い続けてきた著者による渾身の書き下ろし。
阪神支局襲撃事件は私が生まれる前の事件で、名前しか知らなかった。正直なところ、私は朝日の論調が自分の意見と合わない。でもこんな闇の深い事件だったのかと初めて知ることばかりで驚いたし、誰が犯人だったとしても卑怯極まりない行為には朝日も全力で戦ってほしかった。リベラルという思考を貫いて自らの信念を世に広めていく強さが欲しい。右寄りの考え方が台頭している現代だからこそ、改めて思想や言論の自由も考えるべきなのかもしれない。未解決のままだが、いつか真相が分かる日がくるのだろうか・・・。調べ続ける筆者の熱意に頭が下がります。
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元朝日新聞記者が赤報隊事件を追った,渾身のノンフィクション.右翼ルートと統一教会ルートを追う.動機や背景からして右翼ルートが怪しいように思うのだが,これだけ犯行回数も多いのに逮捕できずに時効を迎えたというのは戦慄である.よほど慎重で一匹狼的な犯人なのだろうか?
しかし,いまの「ネトウヨ」とは,右翼の名前を借りてはいるが,右翼とは全くの別物ではないか.別の名前を与えた方がいいんじゃないか?
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1987年の朝日新聞阪神支局襲撃事件を中心とする一連の広域テロ、いわゆる「赤報隊」事件を30年以上にわたって取材し続けた元朝日新聞記者によるノンフィクション。結局、未解決のまま公訴時効となった事件だが、本書では従来からの主流説である「新右翼(反米右翼)」説に加え、一部で囁かれていた旧「統一教会」・「勝共連合」説にも多くの紙幅を割き、改めて再取材を繰り返した成果が示されている。特に後者の非公然軍事組織に迫ったことは、「赤報隊」事件の枠組を超えた「スクープ」としての価値があろう。いずれの犯人「候補」も決め手を欠き、本書でも「真犯人」は明らかになっていないが、「赤報隊」事件を起こしたある種の政治的・運動的なメカニズムにはかなり肉薄していると思われる。
退社後の著作であるため、朝日新聞社の社史部局が歴代社長の非公開「回想録」を秘蔵しているとか、朝日経営陣と統一教会系の世界日報との「裏取引」疑惑や某記者(名前は伏せているがわかる人にはすぐわかる)の金銭授受の証言など、朝日新聞にとって不都合な事案も示しており、野村秋介事件前後の社の対応も厳しく批判している。事件当事者にして報道機関という立場にあって、警察との距離の取り方、特に取材情報と捜査情報の共有はどこまで許されるのか、大組織にあって社内の合意のないままに、なし崩し的に取材ノートや社内報告書が警察に流れていった経緯を批判的に検証してもいる。戦前の戦争協力から近年の朝日新聞バッシングに至る歴史意識も明確で、事件当時は圧倒的に少数派であった極右言説が今や日本社会の主流にすらなっている現状への確かな危機感は胸に迫るものがある。
なお問題点としては、まず仮名・仮称が多すぎることで、特に統一教会関係は団体名すら伏せられている。仮名であっても叙述内容から誰であるかは明白な場合が多く、匿名化の意味を感じなかった。おそらく岩波側の判断だろうが、あまりにも弱腰すぎる。また、「ミイラとりがミイラになる」というか右翼人脈との取材を繰り返す中で、右翼の「論理」に取り込まれている点も見受けられ、例えば南京事件否定説に一部評価を与えていることを窺わせるなど極めて疑問である。総じてジャーナリズムにおける取材対象(それも取材者に敵意を示している)との関係のあり方はどうあるべきか、難しさを改めて考えさせられた。
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赤報隊事件ってなんだっけと思いながら手に取った。
朝日新聞阪神支局の記者が散弾銃で襲われた事件。
1987年の憲法記念日のことだった。
報道に関わる人たちやその仕事のことを知ることができた。
右翼や宗教団体のことも。
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朝日新聞の元記者が赤報隊と称する者に、襲われ、殺された事件を追ったものをまとめた本。
取材は関係すると思われる右翼及び某宗教関係者にあうことによって行われており、相当の労力がかかっているであろう。
が、本書を読むと朝日新聞が退潮気味になったのはなぜなのかもわかる。
犯人と疑わしい人物に対して「総合的に見てシロ」とかという記述が頻出する。すくなくとも、この点とこの点からシロと判定したという論拠を書くべきだろう。
また、P.146で民族派の某氏が、α連合(本書内では、現在元首相暗殺で夕目になった 某宗教をα教、その政治団体をα連合と書いているが、このようにして名前をぼかす意図もよくわからない)に出した原稿を「いやな予感」がしたので取り戻したという文書がある。この文書何を言いたいのかわからない。一個人の主観的な感覚をわざわざ書くことに何の意味があるのだろうか。α連合に対するイメージを悪化するためだけに、一個人の主観を記述しているのだろうか?
以上のように朝日(の記者)は、曖昧かつ主観的な記述を書き連ねるから(朝日新聞は)退潮気味になったと自分は考える。
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どうも首相狙撃事件との関連性があるかもしれない…ということを知って読んでみた。
それにしても約35年前は、直接的な行動が多かったんだなということを実感。当時に比べてこういう事件が少なくなったのは、ある意味ネットができて、思いを吐き出せる場所が行動の抑制になってるんじゃないか?などと妙に感心してしまった。(勿論その分匿名となって攻撃してくる陰湿な事案も増えたので感心してる場合ではないのだが…)
そしてこの記者さんたちによる徹底した取材ぶりに陳腐な言葉だが本当に頭が下がる。野次馬的で恐縮だが、いつの日か真相が明るみになることを祈る…
色んな報道で見聞きする「政治の力」という言葉が実感できる章があるので、そこだけでも読むべきでは?なんて…
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うかつにも旬な本であることに気づかずに読み始めた。
赤報隊として、韓国発祥で霊感商法などにより「朝日ジャーナル」誌から批判されていたα教団、その政治団体であるα連合など(αは本書の中の表記)が疑われていたことは私の頭の中からは消え去っていた。
いや、当時おこちゃまだった私には最初からインプットされなかったのかもしれない。その犯行声明もあって、一般的には右翼団体が疑われていたわけだし。
事件当初から朝日新聞社の取材班はα教団に注目していたというし、右翼の有力者もα教団を疑っていたというが、おこちゃまレベルにまで広まってはいなかった気がする。
本書は、朝日新聞社の取材班時代から30年にわたって事件を追い続け定年退職を迎えた元記者によるもの。
結局、真犯人を名指しするところには至っていないのだが、なぜこの事件が未解決に終わったかの理由については、その「真実」が垣間見えるようになっている(私が読み取った行間が正しいのであれば)。
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この古い未解決事件にも今話題の教団が影を落としているとは驚く。だが実際に誰がどんな背景で起こした事件なのかは本書でも明らかにはならないし、これからもなることはないだろう。
しかし本書を読むと何故かもう一歩のところで捜査の手が緩められている気がしてならない。公安警察と右翼や宗教関係とのつながりの深さを感じてしまう。(特に世界日報関係の殺人未遂事件は明らかには捜査の手抜きとしか思えない)
今回の件で、闇に埋もれた過去の事件にも再び光が当たることを望む。
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富山市立図書館070.1||ヒツ||2018
167p 末尾から2行目
誤)1966年7月7日付
正)1967年7月7日付
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赤報隊による襲撃・脅迫事件は、報道機関の根底を揺さぶるテロ行為である。その事件にまつわる疑惑や賛否の声に思想の違いを認めても、これほどの暴挙は理解できないし人道上許すべきではない。真相は藪の中だが、この未解決事件を追及する筆者と仲間や協力者が抱く覚悟と矜持に賛辞を送りたい。
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面白いのに文字が滑りなかなか頭に入らない
時期的に忙しかったからなのだろうか?
読むタイミングだけが上手くハマらなかった