紙の本
日本の企業に蔓延る悪習を考察した書です!
2018/10/12 14:54
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、日本人の能力は非常に高いにも拘わらず、企業では毎日のように信じられないような事件が起こっていることに対し、なぜ、そのようなことが頻発するのかを検証し、日本の企業のあるべき姿を説いた書です。OECDの学力調査などから見ても、日本人の学生の能力は非常に高いことが証明されています。しかし、「成功してやる!」と意気揚々で就職した若者が、わずか数年のうちにやる気を失っているという現状が多々見られます。なぜ、そのようなことが起こってしまうのでしょうか。そこには日本の企業に蔓延る悪習があるからです。本書は、それを明らかに解き明かしてくれる傑作です。
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何だか自分の職場というか上層部が残念な感じなんだけど、何が残念な感じなんだろうと思い読んでみました。著者の河合さんは、昔ニュースステーションにお天気キャスターとして出演もしていた人らしく写真見たら、あ、この人かと思いました。今は健康社会学というものを専門にする研究者になっているとのこと。本書もどちらかというと、人々が健康にはたらける職場を作るにはどうすれば良いか、ということが著者の関心なんだと思います。本書ではまず、残念な職場がどうして出来あがってしまうのか、ということを、多くの研究結果を、河合さんが自身で行った多数のインタビューによる具体例を交えて紹介してくれます。研究者らしからぬかなりフランクな文章は読みやすい反面ちょっとどうかと思うのと、残念な職場の紹介となる前半はあまりまとまりが無いなぁと感じましたが、残念な無責任上司、経営者が生み出されてしまう企業組織の仕組みなど、変頷ける内容です。また、そのような残念が職場を改善するにはどうしたら良いか、という後半部分はおそらく著者の本当に言いたいことなんだと思いますし、とても参考になりました。働き方改革(働かせ方改革)とかいって残業月100時間が認められしまったのが、”過労死合法化だ”、というのも良く分かりました。
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無責任な人ほど出世する。
経営しない経営者。
女はめんどくさい。
残業のリスク。
改善案。長期雇用。社員への投資。Job Security。
会話、共感。学びと教え。喜びと誇り。
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借りたもの。
何故、職場の上司は残念になるのか――若手の頃は熱意にあふれていた人もいずれそうなってしまう――、そのメカニズムを心理学、様々な統計結果を通して紐解く一冊。
心理学用語や統計結果のソースを紹介するに留まる本のため、気になる詳細は自分で調べろ、ということか。
現代の出世制度そのものに構造的な問題があることを指摘。出世に伴い求められるスキルが変わってしまう……現場などで活躍できる人材が、人を束ねる人材に向いているとは限らない、等……
残念な職場が醸造されるメカニズムについては前半くらいで、次第に職場は「会社」に、会社は「社会」へと視野が広がってゆく。
そうした「職場」が「社会」をつくっていると言って過言ではないだろう。
話は日本の「働き方」そのものを言及してゆく。
女性の働き方についても。
著者が女性であるから、という問題ではない。
共働き世帯が多くなったとはいえ、未だ女性の社会進出は阻まれている。それは女性と男性の価値観の違いも一因で、長く男性社会だったため、“女性の価値観”への社会の認知不足が影響していることを示唆していることが興味深かった。
何でも、男女比6対4で、初めて個人が評価される職場になるそうだ。
過労死問題について、
高度経済成長期やバブル期などは人手も足りず、需要に供給が追い付かなかった。
そして「働いた分だけお金をもらえた」ため、「残業」をしていたのだが、それが崩壊した時、“人件費削減”の名目で「残業文化」だけが残った……
それは「経済」一辺倒で人材やその育成を「コスト」と見做し、それを削減することに重きを置き続けた日本社会の病理だった。
私の主観だが、そうした社会の在り方が、機能不全家族、愛情不足な人々、依存症、虐待などを引き起こした原因となったと思う。人そのもの、人材育成を「コスト」と見做した社会が、次世代を育てることに寛容な訳がなく、“少子化”となるのは必然だったと思うのだ。
それらの経緯にもまた、人間の矛盾する心理作用――疲労を無視したり、保身に走ったり、もはや誤作動レベル――があることを紐解いている。
本の最後に、SOC(ストレス対処力)形成の重要性を紹介。
……そのためにも働き方そのものを本当に改革しないとまずいと思った次第。
所々で日本が本来メンタル強いとか、技術は一流と紹介しているけれど、現状、疑問を覚える。
メイド・イン・ジャパンはもう古い。技術立国ともてはやされたが、それはもはや日本の専売特許ではないからだ。
国の枠を超えた「個」のブランディング力が求められていることも加味しなければならないと思った。
瀧本哲史『ミライの授業』( https://booklog.jp/item/1/4062200171 )参照。
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時間外労働、パワハラ、ブラック企業と昨今の流行りのキーワードを盛り込んだ河合氏のエッセー。仕事ができる人ほど、転勤でとばされてしまったり、仕事ができなくても優秀な上司に気に入られれば出世する。
百田氏の「逃げる力」では高橋まつりさんはTさんとして出ていたが、本書では実名を出している。テーマは似たような内容だが。SOCの話も最後にでてきた。(「他人をバカにしたがる男たち」にもあった)
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「うん、うん」「そう、そう」と納得する内容が盛りだくさんで、「なるほどそうなのか」という気付きもたくさん頂きました。
著者が女性で、女性の立場に立った話でスタートしたので、女性の地位向上の流れなのかなぁと思いましたが、読み進めていくうちにそんなこと忘れて、引き込まれて行きました。
「600万の黒字より、2億の赤字が評価される会社」「休暇を満喫し、愛を語らい、人生を楽しんでいるスペインやイタリアより、日本は生産性が低い」などの興味深い話や、初めて聞いた「ケア労働」という言葉、学びの多い本でした。
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新聞広告で気になって図書館で借りた。タイトルで煽る感じの内容は前半部分。後半はなぜ起こるかの科学的な根拠など。
以下メモ。
●現場で「これって意味ないじゃん」と口を尖らせていた社員までもが出世した途端、意味不明の世界に埋没していくという現実。人間は観念の動物であり、自分で解釈を変えることもできれば、見えているものを見えなくすることもできるため。
●「確証バイアス」。自分の意見を支持するものを受け入れ、反するものは目に入らない。見えているものを見るのではなく、見たいものを見る。自分に都合のいいものだけが鮮明に見える。
●人間の記憶は書き換えが可能。実際になかったことを「あった」としたのはたったの25パーセント。しかし25パーセントと大きい数字。
●責任感や几帳面さは昇進にマイナスに作用する。理由の1つは正義感。自らの責任に加え、他者への責任追及も厳しくなりがち。
●心に残る上司とは自分を人として敬意を示してくれる人。上司部下関係を超え「1人の人間」として接してくれる瞬間を大切にする上司に部下の心は動かされる。
●日本の技術力は高い。潜在能力は高いのに、それを発揮できていない。明らかに経営者のミス。
●男性の高学歴熟年労働者40代が90年代の技術進歩率に負の影響を与えていた。IT化の進展により、生産現場で蓄積された暗黙のノウハウやスキルがデータベースに置き換えられて共有化された結果、40代の高学歴熟年労働者による人的資本が「陳腐化」した。その根本原因は人員を削減し負荷を大きくした「経営の問題」。「現場で語られるストーリーの大切さ」を忘れた経営者が、効率化というマジックワードで現場力を低下させた。
●会話には単なる情報のやりとり以外のものが含まれている。会話はお互いにとっての意味の発見、規範や目的についての交渉、共感や否認、困惑、理解の表現が含まれる。そこには相互性とある種の関与、すなわちリレーションシップが暗示されている。
●仕事の前後にマラソンのトレーニングに時間を費やし励んでいると「自分を律し自己管理が出来ている」と評価するのに、子育てに精を出す部下には「なんだ。家庭のことばかり気にして」と非難する。オフの時間を有効活用している点で差異はない。「タイムマッチョ文化」は改めるべきではないか。
●女性が全てを手に入れるための6つの策。①人に直接会う文化を見直す②家族の価値を見直す③キャリアパスを見直す④幸せについて見直す⑤国を変える⑥男性に協力を得る
●「do」に価値を置く男性は「解決」をゴールにする。「be」に価値を置く女性は「共感」がゴール。
●市場労働=商品として売買される労働力としての「有償の労働」。ケア労働=家事、育児、介護、ボランティア活動などの「無償の労働」。ケア労働を評価しない米国日本と、評価する北欧諸国。会社で仕事ばっかりやってないで、さっさと家に帰って家事や育児をしないと一人前じゃないぞ、という空気が熟成されている。今の日本の政策は市場労働に女性を参加させる、ことが目的となっている。
●日本のサラリーマンは死ぬほど仕事をした後、同僚やクライアントと長々���飲み続ける。マラソンドリンキング。
●睡眠3時間のショートスリーパーは人口の1パーセント。それ以外はエセ。疲れの見張り番が故障しているだけ。
●長期雇用は雇用制度ではなく、経営哲学。私たちはあなたやあなたの家族が露頭に迷うことのないよう、安易にクビにはしません。長く働いてくださいね」という暗黙のメッセージであり、私は企業から大切にされている、と働く人が受け止めることで成立する心理的契約。
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■ジジイの定義
変化を嫌い自分の保身だけを考え「会社のため」「君のため」と言いながら「自分のため」に手に入れた既得権益にしがみつく人々。年配の男性とは限らない。女性のジジイもいるし若者にもジジイはいる。そしておそらく誰もがジジイ的なものを心の奥底に秘めている。
・小ジジイ
課長クラスに多いことから「課長文化」を形成する。大した業績も出しておらず"流れ"で昇進した人が多い。好きな言葉は「逆らわない」
・中ジジイ
部長クラスに多いことから「部長文化」を形成する。同期の中でもエリート。この小さな"プライド"を大切にする。好きな言葉は「危険を冒さない」
・大ジジイ
役員・社長クラスに多いことから「社長文化」を形成する。たまたま若い頃の配属先で"優勝な上司"に出会い運よく上り詰めた人が多い。好きな言葉は「既得権益」
■人は「これだ」といったん確信を持ってしまうと,その核心を支持する情報だけを受け入れ確信に反する情報を探すことも受け入れることもできなくなる。この心の動きを「確証バイアス」という。
・自分の意見を支持するものを受け入れ反するものは目に入らない。人は見えているものを見るのではなく見たいものを見る。自分に都合のいいものだけが鮮明に見えるということが証明された
■出世する人の特徴の研究
・大きな組織では几帳面さや責任感は昇進にマイナスに作用する
・部課長までの昇進には「学歴と早い時期の評価」が圧倒的に重要である
・交渉力,運への自信,指導力,昇進意欲などが重要
・忠誠心,明るさは関係ない
■責任感の強さがなぜ昇進にマイナスに作用するのか。理由の一つは正義感。責任感の強い人は正義感も強いため自らの責任に加え他者への責任追及も厳しくなりがち。正義の人は厄介な存在。
・日常業務の中にも多かれ少なかれ嘘や責任逃れが横行しておりそういう人は案外上や周囲から重宝がられる。つまり嘘つき上手は上からの「引き」で出世する可能性が高まる
■ローレンス・J・ピーターのピーター法則によれば「上司が無能なのは人間の現在でも社会を攪乱しようという悪しき意図のせいでも,たまたま起こる事故や失敗のせいでもない。元凶は"環境(=制度)"にある」というもの。
・「有能な上司はアウトプットで部下を評価するのに対し,無能レベルに達してしまった上司は組織の自己都合という尺度で部下を評価する」
■日本の高学歴熟年労働者(40代)が90年代の技術進歩率に負の影響を与えていた。
・IT化の進展により生産現場で蓄積された暗黙のノウハウやスキルがデータベースに置き換えられて共有化された結果40台の高学歴熟年労働者による人的資本が"陳腐化"した
・その「陳腐化」は環境によって進み技術が低下した根本原因は,人員を削減し負荷を大きくした「経営の問題」
・上司から部下,熟練者から初心者に語られる言葉は現場の力を豊かにする大切なリソース
・現場で語られる「ストーリー」の大切さを忘れた経営者が効率化というマジックワードで現場力を低下させた
■組織を変えたきゃ若者,よそ者,馬鹿者の視点を生かせ
■職場で男と女の区別がなくなる比率は「6対4」。男社会で女性が占める割合が40%になって初めて男女の分け隔てが消え個人の資質や能力が正当に評価される
■人間は「他者と関わる」ことで自分の存在意義,存在価値を確立する。その関わり方に性差が存在する。
・男性は他者と一緒に「する(do)」ことによって,女性はその他者と共に「いる(be)」ことで「自分の存在」を確かなものにする傾向が強いことが分かっている
■「人に迷惑をかけたくない」という意識が長時間労働→疲労→家でも仕事→睡眠不足→作業能率の低下によるミス→自己嫌悪→挽回するため長時間労働+家でも仕事→更なる疲労といった矛盾に満ちた行動を可能にする。
■心身に悪影響を生じさせる労働時間を分析していくとボーダーラインは「月残業時間50時間前後」で「帰宅時間22時」ということが分かっている。
■ヒトは想像以上に弱く,想像以上に強い。この二面性が複雑に絡まりあいながら私たちは社会的な動物として環境に適応する。
■近年若者の過労自殺が増加している背景には「組織社会化」即ち「適応の途中なのに一人前の仕事を期待されている」という問題がある。
■「組織社会化」とは「個人が組織内の役割を引き受けるのに必要な社会的知識や技術を獲得するプロセス」で新入社員の組織社会化の最大の課題は「役割の獲得」。会社で確固たる居場所を得て自分がやるべきことを見出し,自分の役割を獲得していくことで新入社員は組織に適応する。このプロセスには最低でも3年。長い場合10年かかるとされる。
・年功序列が当たり前で人員的な余裕もあった時代には組織社会化が自ずと行われていた
・組織社会化には「最初に出会った上司」が強い影響を与える
・プレイングマネジャーが当たり前になり人的余裕も時間的余裕もなくなった現代社会では新人はすぐに「一人前」になることが強要される
■新入社員は「組織に実際に所属する前の自分の期待」と「現実に経験したこととのギャップ」から生じるリアリティショックという状態に陥る。ここから抜け出すのに有効なのが上司による手ほどき。
具体的には,
・その仕事にどんな意味があるのか?
・どういったことが重要でどのように進めればいいのか?
・仕事の具体的な進め方,方向性を示す
といった情報を上司がきちんと伝え,
・職務を遂行する上で障害となりそうな外圧から守る
・的確なフィードバックを行う
など
■特に最近の若時人たちは分からないことを「聞く」のが下手。「そんなことも知らないのか」と言われるから言えないと考えているのでおせっかいなくらい「仕事に役立つ情報」を伝える。
■残念な職場とは「働いているのは人である」という至極当たり前のことを忘れている職場。
■理想の職場とは「人生の邪魔をしない職場」
・人間は「仕事」「家庭」「健康」という三つの幸せのボールを持っていてどのボールが地面に落ちても幸せになれない
・人生を邪魔しない職場では「17時退社が当たり前」であることを共通の目標にしている
・これを当たり前にするには「仕事の意味」を理解し「人が秘める能力を最大限に引き出す職場」を目指さなくてはならない
・職業は人生の背骨である(ニーチェ)
・仕事が無意味であれば人生も無意味なものになる(アウラハム・マズロー)
・働くことは「生きている価値」と「存在意義」をもたらすとても大切な行為
■いったん職を失った人が再び仕事を得た場合,たとえ経済的状況が改善されなくとも精神的健康度が向上する。また,賃金の低い不定期な仕事であっても働いている人は働いていない人より活動的で自立心が高く精神的に安定していることが認められている。
■「働く」という行為には「潜在的影響」と言われる経済的利点以外のものが存在する。「潜在的影響」は自律性,能力発揮の機会,自由裁量,他人との接触,他人を敬う気持ち,身体及び精神的活動,一日の時間配分,生活の安定などでこの「潜在的影響」こそが心を元気にし人に生きる力を与えるリソースである。
・リソース=汎抵抗資源。世の中にあまねく存在するストレッサー(ストレスの原因)の回避,処理に役立ち,リソースを手に入れることでウェルビーイング(個人の権利や自己実現が保証され,身体的,精神的,社会的に良好な状態)が高まる
■ユーサイキアン・マネジメント(マズローの造語)
「個人の成長という観点から見た場合,企業は自律的な欲求充足に加え,共同的な欲求充足をもたらすことが可能であり,この点においていかなる個人的心理療法にも優っている」
・仕事は幸福に生き,生きる力を支える極めて大切なリソースの一つ
■働くことは人生を豊かにするかけがえのない行為。ところが残念な職場では潜在的影響がリソースとして機能していないので単なる「労働」に成り下がっている。
・「労働」は明治維新以後にLabourに対する訳語として考えられた造語
・西欧では労働=Labourは奴隷が行うもので体にむち打ち生産性を上げることだけを目的とした働き方
・労働時間を長くとれば生産量は増える。人を減らせばもっと生産性は向上する。人はコスト。意思と自由を奪われ雇用主が儲けるためだけに働くのが「労働」
■残念な職場と人生を邪魔しない職場の比較
・自律性:意味不明の仕事が多い/仕事に喜びと誇りを持てる
・能力発揮の機会:成長が感じられない/教えと学びがある
・他者との接触:会話がない/会話がある
・他人を敬う気持ち:権力者の力が強い/共感がある
・身体及び精神的活動:年齢や性別で差別する/年齢や性別による差別のない全員野球
・1日の時間配分:残業が当たり前・17時退社が当たり前
・生活の安定:非正規社員が多い/長期雇用が原則
■リソースは「元気になる力」仕事のリソースを手に入れることはSOC(Sense of Coherence)を高める。
・SOCは「人生であまねく存在する困難や危機に対処し,人生を通じて元気でいられるように作用する人間のポジティブな心理的機能」のこと
・わかりやすく言えばだれもが心の奥底に持っている「生きる力」
・SOCは生まれつきの能力ではない
■これまで世界中で行われた実証研究で確かめられたSOCの高い人の傾向
・職務満足感や人生満足感が高い
・仕事上の疲労感が少ない
・欠勤が少ない
・抑鬱や不安が少ない
・バーンアウトを起こしにくい
■人間の���康は「健康(身体的,精神的,社会的)」と「健康破綻」を両極とする1本のレールでつながっている。
■人間の知能は「流動性知能」と「結晶性知能」の二つに分かれる。
・「流動性知能」とは,新しいことを学んだり,新しい環境へ適応したり,情報処理を効率的に行ったりするための問題解決能力で,記憶力や暗記力,集中力など
・「結晶性知能」とは,学校で学んだことや日常生活や仕事などを通じて積まれた知識や経験を生かした応用する能力でいわゆる経験知や判断力
・どちらの能力も「60歳代前半までは大きく低下しない」
■疲れは時間が経てば自然に消えていくものではない。特に心的な疲れを癒すには適度な運動,精神的ゆとり,遊び,おしゃべり,笑い,などのリソースが必要不可欠。
■死ぬ瞬間の五つの後悔(ブロニー・ウェア)
①他人が自分に期待する人生ではなく自分自身に正直な人生を生きる勇気があればよかった
②あれほど働かなければよかった
③自分の気持ちを率直に表現するだけの勇気があればよかった
④もっと友達付き合いをしておくべきだった
⑤もっと幸せな人生を送ればよかった
・「もっとお金を儲ければよかった」と言った人は一人もいなかった
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覚えておきたいキーワード
人生を邪魔しない職場
Sence of Coherence SOC
人生を通じて元気でいられるように作用する人間のポジティブな心理機能
ライフキャリアレインボー
家庭や社会もキャリアの一部
心理的安全性
第5章は近いうちにまた読みたい
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意外と硬派に「残念な職場」を科学的根拠を基に解き明かす。調査研究や心理学からの解説は納得性が高い。確かに出世している人に無責任な人が多かったり長時間労働が結果生産性低下になるというのは肌感覚とも合致する。
諸々の原因はしっくりくるが、散々煽りながら結果解決提言はビジネスの実態を無視した何かふわっとした実現性の薄い内容なのが惜しいところ。
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図書館で借りた本。無能な人がトップに座る会社。不祥事が起きた際の説明で無責任、知らぬ存ぜぬ、他人のせいだと弁明する。大企業でさえもそのパターンは多い。じゃあなぜそんな人間がトップに登りつめる事ができるのか?それは無能について研究している学者も世の中にはいて、データを集め結果を発表している。他にも出来る人が飛ばされたり役員になれなかったりする理由などもあり、最後に残念な職場を変えるヒントを書いている。
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働くことに関連する様々な要素をコンパクトにまとめた良書。
色々な考え方を総花的にまとめているというよりも、筆者が自分の言葉で咀嚼して、簡易に語っているところに好感が持てた。
前半は、出世、上司にまつわる話。
出世する人が無能に見える訳、若いころに”職場の意味不明”と思っていたことを出世すると問題なくやりたがる
など、職場あるあるの構造が、シンプルに解き明かされる。
すごく腑に落ち、ある意味、目からうろこ状態。
自分も20年以上働いているけど、ここに書いてあるようなことを実体験として経験しながら、その仕組みに気付けていないということに、自らのニブさをひしひしと感じた。
後半は働くことにまつわる、色々な考え方、要素がテンポよく提示されて、新書でこれだけの範囲をカバーできるってなかなか良くまとまっていてコスパが良い本だと思う。
それぞれの考え方は導入レベルなので、気になった考え方はそのテーマを深めるために別の本を読んでいけばよいと思う。
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最初認知心理学から入ってくるあたりが目新しい。日本の会社組織を「ジジイ文化」「タイムマッチョ文化」と切り捨ててくれているのは気持ちが良い。「残念な職場とは“働いているのは人である”という至極当たり前のことを忘れている職場」という分に「まさに!」と膝を打った。
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残念な職場 53の研究が明かすヤバい真実。河合薫先生の著書。どのような職場やどのような組織でも似たような問題を抱えていて、似たような問題児がいる、それがよくわかります。所属している職場や組織に不平不満を感じている人におすすめです。私も不平不満があるけれど、この本を読んで気持ちがすっきりして楽になりました。
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冒頭から「無責任な人ほど出世する職場」が数多く
ある、と結論付けられています。
まあ、うまく立ち回った人が出世するのが今の
会社のありようである、と言ったところの結論です。
そうであるなら「残念な職場」だらけじゃないか、
となります。
そう、日本は「残念な職場」ばかりなのです。でも
最後の方に、それを変えるためにはどうしたら
良いのか。という希望も語られていて、少し安心
します。
「まだまだ捨てたものじゃないぞ日本の会社」と
ポジティブに思って読むのが正しい一冊です。