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商品説明
透徹した理性と柔軟な感性、研ぎ澄まされたアンテナ感覚で人と時代を捉えてきた精神科医・中井久夫。その半世紀におよぶ思考と実践の道筋を追う。6は、子どもの世界の政治学を分析した「いじめの政治学」ほか多数収録。【「TRC MARC」の商品解説】
精神医学において、従来の精神障害を「内科的疾患」とすれば、心的外傷に続発する障害は「外科的障害」である。こちらのほうは、個人的に耐え忍び、自分の中に抱え、自力で処理されるべきものとされてきた。たとえば肉親・近親者・親友との離別、死別、幼児虐待、性的虐待、犯罪被害、被災、戦争体験、死に至る病の告知を受けること等々である。ところが、そうではなくて、コミュニティの中で支えられ、援助されるべきであると考えなおされてきた。この最近の世界的な思想的・社会的開眼という大きな文脈の精神医学版がPTSDとなって現れたのである。
(「喪の作業としてのPTSD」 1996)
いじめが権力に関係しているからには、必ず政治学がある。子どもにおけるいじめの政治学はなかなか精巧であって、子どもが政治的存在であるという面を持つことを教えてくれる。子ども社会は実に政治化された社会である。すべての大人が政治的社会をまず子どもとして子ども時代に経験することからみれば、少年少女の政治社会のほうが政治社会の原型なのかもしれない。
いじめはなぜわかりにくいか。それは、ある一定の順序を以て進行するからであり、この順序が実に政治的に巧妙なのである。
私は仮にいじめの過程を「孤立化」「無力化」「透明化」の三段階に分けてみた。これは実は政治的隷従、すなわち奴隷化の過程なのである。
(「いじめの政治学」 1997)
子ども社会におけるいじめの進行過程を分析した表題作ほか、PTSDやこころのケア、ロールシャッハ・テストに関する論考等30編。【商品解説】
「いじめでないかどうかを見分けるもっとも簡単な基準は、そこに相互性があるかどうかである。」権力欲という観点から差別問題を捉え、子ども社会におけるいじめの過程を「孤立化」「無力化」「透明化」の三段階の政治的隷属化として分析した表題作はじめ、阪神・淡路大震災後著者が向き合ってきたPTSD や「こころのケア」に関する論考、ロールシャッハ・テストについての長文考察など30 編を収録。【本の内容】
目次
- 1996年1月・神戸
- 戦時下一小学生の読書記録
- 喪の作業としてのPTSD
- 訳詩の生理学
- 私の三冊
- 清明寮の庭
- 私の「今」
- 記憶について
- 医師は治療の媒介者
- 三幅対
収録作品一覧
一九九六年一月・神戸 | 1−32 | |
---|---|---|
戦時下一小学生の読書記録 | 33−40 | |
喪の作業としてのPTSD | 41−48 |
著者紹介
中井 久夫
- 略歴
- 〈中井久夫〉1934年奈良県生まれ。京都大学医学部卒業。神戸大学名誉教授。精神科医。著書に「分裂病と人類」「精神科治療の覚書」「関与と観察」など。
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自分が思っている以上に傷ついていたときに
2019/10/19 01:30
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:1ベクトル - この投稿者のレビュー一覧を見る
いじめを受けることがあった過去を思い出していたたまれなくなったとき、あるいは現在まさにそうである自分の状況に「どうすれば?」「なぜこんなことに?」と疑問ばかり浮かんでそこから抜け出せなくなったとき、書店でこの本が目に留まったことは救いだったと思う。
渦中にある自分を外側から把握できれば、それだけで息をつける。どうにもならないとしても、分かれば何とかなるかもしれない。外側から自分を見る視点を与えてもらってしがみつく、この本に。