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商品説明
人間を超え、生類へと広がる世界を見つめ続けた石牟礼道子。数々の名著を遺して世を去った作家が、生涯を賭して闘ったものとは何だったのか。親しく交流した批評家が、その精髄に迫る。石牟礼道子との対談も収録。【「TRC MARC」の商品解説】
苦しみの中にある者たちを照らし続けた作家に捧げる、言葉の花束。
人間を超え、生類へと広がる世界を見つめ続けた石牟礼道子。『苦海浄土』をはじめ数々の名著を遺して世を去った作家が生涯を賭して闘ったものとは何だったのか。
作家と親しく交流し、NHK「100de名著『苦海浄土』」で講師もつとめた批評家がその精髄に迫る。
石牟礼道子と著者の対談も収録。
昨年の六月に会ったとき、石牟礼さんが伝えたいと言っていたのも、どんなに語ろうとしても言葉にならないことがある、ということだったような気がしている。
会って話さねばならないことがある、人はそう強く感じても、それを語り得るとは限らない。だが、対話を求められた方は、その気持ちを受けとめることができる。語り得ないことを語り継ぐ、それが石牟礼道子の遺言だったと、私は勝手に解釈している。(あとがきより)【商品解説】
著者紹介
若松英輔
- 略歴
- 〈若松英輔〉1968年生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。批評家・随筆家。「叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦」で西脇順三郎学術賞、「見えない涙」で詩歌文学館賞受賞。
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たいまつの火をつなぐようにして
2018/06/14 16:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今年(2018年)2月10日、文学者石牟礼道子さんが亡くなりました。90歳でした。
石牟礼さんといえば、公害病水俣病の被害者の皆さんの視点に立った『苦海浄土』で知られる文学者ですが、本書はその晩年彼女の良き伴走者であり理解者となった批評家であり詩人でもある若松英輔さんが彼女の死後新聞等に記した追悼文八編を核にして出来上がっている。
若松さんは2016年9月にNHKEテレ「100分 de 名著」という番組で『苦海浄土』が取り上げられた際に解説を担当したことでも知られている。
若松さんは「この本は、石牟礼道子論とよばれるようなものではないが、随想という様式だからこそ書き得る問題は、いくつか提示できたように感じている」と、「あとがきに代えて」という一文の中で記している。
確かに堅苦しい論ではない、平易な文章ならでは伝わるものがある。
特に著作名はとても知られた『苦海浄土』ではあるが、その実三部作となった作品は大部のものでなかなか読み切るのは容易ではない。
それでも石牟礼さんが伝えたいことを理解しようとすれば、若松さんのこの方法はとても有効だろう。
ある追悼文のおわりに若松さんはこう記した。
「「いのち」とは何かを考えるためには私たちは、まず「虫」の眼をよみがえらせなくてはならない。それが石牟礼道子の遺言だったように思われる」と。
若松さんがこの文集で私たち読者に伝えたかったことは、そういった石牟礼さんが私たちあとに残された者たちへ伝えようとした思いだったにちがいない。