紙の本
現実と夢がバランスよく語られています
2018/08/11 07:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Otto Rosenthal - この投稿者のレビュー一覧を見る
右肩下がりの出版業界ですが、それでも本屋を始めたいと思う人へのガイドブックです。
とじ込み別冊の「本の仕入れ方大全」は書誌流通について簡便にまとめてあります。
後半はビジネスミックスを視野に入れた今後の本屋の姿が夢を持って語られています。
電子書籍
電子書籍で読むと複雑な気持ちです
2018/08/11 07:27
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Otto Rosenthal - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋を始めたい人の入門書です。紙の本は上の角を切り取って屋根型にしたユニークな装丁ですが、電子書籍では残念ながらその特徴は再現されていません。
リアル書店だけにこだわらない本屋業も本書では紹介していますが、紙の本の手触りやズラリと並んだ書棚を眺めるメルワクワク感が忘れられない旧世代の人間には、少し寂しい気もします。
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下北沢で本屋B&Bもいとなむ、内沼晋太郎さんの本屋をやりたい人にむけた一冊。
取次とお付き合いするには?書店経営のやり方とは?と、わからないことが、丁寧にかかれています。
出版イベントにも参加したのですが、造本としもおもしろく、めずらしい形だったり、ノンブルもおもしろく仕掛けがあり、本棚においておきたい一冊となっています。
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本屋のたのしみの章を読んで、自分のことを言葉にしてもらったようで 「わかる〜!それだよ〜言葉にしてくれてありがとう〜〜!」という気持ちに。。
読書の喜びの1つとして、自分のことを言葉で言い当てられたいっていうのがある。
積ん読が増えるのも、本屋があるとつい覗いちゃうのも、そうなんだよなぁ。
「本は人」という箇所を読んで、仕事で子どもに金子みすゞの詩を紹介したときの子どもの 「先生会ったことある?」 「会ってみたかったな〜」の言葉を思い出した。
自分の本棚は自分用の図書館、という話では、興味の方向を見るためにこのブクログをつけているところもある(あと読んだときの感じを残しておくため)し、人の本棚見るときそう思って覗いているのでこれも共感。
本屋は人が作っているから、中身は変わっていくのに好きな本屋は好きなまま…というのも面白かった。本屋は人で、書店はお店。
そして一番身近な本屋は親、図書館は?なんて話も興味深く読んだ。
「本の面白さを誰かに伝える活動に携わりはじめたとき、すでにあなたの 『本屋』ははじまっている」という。
自分も広義の 「本屋」かもしれない。
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筆者は下北沢でB&Bというビールの飲める本屋を経営し、本屋起業希望者向けのセミナーも主催している。
出版不況、Amazonに代表されるネット書店盛況、リアルな書店の衰退という状況の中で、自分自身と、同じような小規模でユニークな本屋を経営する人たちの経験と実態などをベースに、なぜリアルな本屋を経営するのか?そもそも本ってどういう可能性を秘めたメディアなのか?というところから掘り下げて、リアルな本屋の生き残る道はどこにあるのか?という話を語っている本。
中に本当に本屋を始めたい人向けに、本の仕入れ方について解説した別冊を含んでいる。
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本屋さんになるためのガイド。最後の章、著者がやってきたことが刺激的。
「本屋をダウンサイジングする」が参考になる。大商いを考えいるんであれば本屋はそれにふさわしくないし、ある種「生き方」としての本屋を目指すなら、ここの書かれていることはすごく参考になる。
成功者の堀部氏等との鼎談での堀部氏の発言は興味深い。何を求めて本屋をするのか、ということ。
すでに業界にいる人とそうでない、夢見ている人では受け止め方がずいぶん違う本になるだろう。前者にとってはすぐ参考になる実用書、後者にとってはおとぎ話。
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本と本屋が好きでたまらないのです。みんなそうでしょ? だったら読んでワクワクしたほうがいい。
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ずいぶんレビューをサボったおかげで、積本が異常に増えてしまった。
いうまでもないが、本が好きだ。本屋も好き。
本屋をやっている人や、やろうとしている人も、好きだ。
下北沢B&Bの内沼晋太郎氏による、本屋とはなんぞや、本とはなんぞや、という本。
なのだが、最初にひとつだけ。
上部の角が落とされた装丁で、目を引くのだが、これが妙に読みにくい。
ページとページの間の隙間から見える、本ではない部分が気持ち悪い。
ああ、でもこれは本屋の形を表しているようでいて、体験上は本と本でないものの境界を、少しいじりたかったのだなあ、などと思ったり。
さて内容は。
小さな本屋でいい本を見つけたときの歓びについて、というところにまずは引っかかる。
そう、いちいち小さな本屋に行くのはそのためだ。注文して取り寄せてもらえばいいんだろうけど、勝手にセレクトに期待したい。
本屋は動的平衡で成り立っている。本が売れて入れ替わっていかなければ死んでしまう。本が入れ替わりながら、場合によっては什器や人も入れ替わりながら、でも同じ本屋である。極端な話、本が全部入れ替わっても同じ本屋だ。それは場所とか経営母体とか、そういうんじゃない、まさに動的平衡たる本屋。
こうなると本屋の定義もぶっ飛んでくる。
生計を立てなくても本屋。いいのか?
一番身近な本屋は親。そうか、僕も本屋だったのか。
本屋は今やリスクの大きい商売ではあるが、なにかと掛け算をすると急に魅力が増す。本屋とビール、はもちろんのこと、イベント、教室、家具、メディア、などなど。
本屋を本業に取り込めば、本屋は延命され、さらに輝くのだ。と考えると、多くの人が本屋になれるチャンスがあろう。たしかに、身の回りにもそういう本屋が、実は思いのほかたくさんあった。
あくまで客側の立場としてみれば、本屋またつぶれたと嘆くのはもうやめてもいいのかな、と思った。書店の看板を出していない本屋がいくらでもある。とはいいながらも、地元の本屋には満足できず、隣県の本屋に通う日々なのだった。ああ、本と本屋はいいね。
この本の内容はnoteで無料で読める、のだけど、ぜひ装丁による奇妙な感覚も味わってほしい。
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「本の逆襲」から4年。その間に自分の街でもいろいろと変化があり、一箱は続けているけど自分でもZINEを作ったりと、本業とはまた違う方向で相変わらず「本屋」はやっている。
これをビジネスにしたいかというと、相当の覚悟と思い切りが必要だが、その一方で本書に挙げられているような本と書店、そして人との関わりの現在については興味深く、今後も注目していきたい。
ラストに東アジアの書店事情に少し触れられていた。最近台湾でもやっと書店に行く余裕ができたが、台湾や香港の書店は本当に面白いので、次刊の台北の書店レポートは絶対読みたい。
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本屋になる(広義)場合の方法について広く深く示してくれている本
あわよくばこれからの本屋講座を受講したかった
ときどき読み返して生き方を軌道修正したい本
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これからの本屋について現場から考えたことが語られている。本屋は稼ぐという観点では想像以上に厳しい業界ということがヒシヒシと伝わるが、同時に本の可能性は何ページにも開かれているということが分かった。
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下北沢でビールが飲める本屋B&B(行きたい!)を経営する内沼晋太郎さんのご著書。本の再定義から始まり、本の仕入れの方法や原価率、これからの本屋に求められることまで懇切丁寧に解説してくれています。私は自分が住む地域に本屋がなく「自分で本屋を作れたらいいな」くらいの生半可な気持ちで手に取ったので、心を挫くには十分すぎる内容でした。経営するには勝算が低すぎるし覚悟が必要だなーと尻込みするばかり。。一方、本気で本屋を目指す方にとっては必読書とも言えると思います。
HOW TOの部分以外で興味深かったのが、これからの時代は問いを立てる力が必要、それを養うのはほかならぬ本であるという主張。本を読まなければどんどん消費されるばかりであることを実感していたので、大きく頷けました。
また、内沼さん自身の経歴もとても面白いです。本への愛がひたむき過ぎる!行きたい本屋も増えるので、心は挫かれたけど読んでよかったです。
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”内沼晋太郎さんの本屋本 最新刊。「はじめに」の最後の言葉にしびれて購入。
広義の「本屋」として生きることを考えている身にとって貴重な本。これをもとに実践したい。
<抄録(抜き書き)>
・本屋の書いた本なんてもう読み飽きたよ、という声が聞こえる気もする。けれど、本書はたぶん、網羅性と実用性という点において、過去のどんな本とも違っている。
不十分であっても、見渡せる地図が、立ち戻れる教科書があるべきだ。若輩者が畏れながらも目指したのは、そういう本だ。(はじめに)
<きっかけ>
内沼さんの本屋本は買い!”
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本や本屋全般についての考え、具体的な仕入れ方、作者がどうやって本づくりに携わるようになったのかすべてが網羅されていて、とても考えさせられる、かつワクワクする本でした。
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本を取り巻く状況が厳しくなるにつれて、意識的に本そのものを題材に扱う本が多くなってきました。そしてそういう本を読む人は基本相当な本好きだと思う。
知らないうちに著者の内沼氏の関わった書店に行っていおりました。
下北沢のB&B、長野上田のNABO。特にNABOについては2回行きました。上田という町自体が何故か書店が妙に多くて、文化的な香り漂う大好きな町であります。
さて、この本は本屋になりたいと願う世の中の本好きの心をちくちくと刺激する本です。本屋というものの定義は彼にとってとっても広く、本を売らなくとも本を人に勧めていくだけでも広義の本屋と思ってくれているようです。僕も出来れば、音楽演奏と読書の勧めを一緒にする事が出来ないかなといつも思っています。
色々なものと掛け算できるのが本であるという言葉には胸が熱くなります。そうか、どんなものでも書物のつながりが有るという事は、掛け合わせることによって相乗効果が見込めるのか。僕にとってはそれは音楽にあたるよなあきっと。
大資本でないと従来型の書店としてはビジネスとして成り立たず、小規模で特色のある書店を目指している人達が増えているようです。僕としても大型書店とセレクトショップ的な書店の存在意義は別なのでどちらも変わらず是非発展して頂きたいものです。
それにしても彼のような生き方というか、本との関わりを生きていく糧に出来ているっていうのはすごい事だ。ある意味出版危機である今だからこそ求められているのだろうと思います。頼むぞ内沼晋太郎。
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下北沢で本屋B&B筆者の本屋を始めたい人向けの指南本。
筆者が本屋への愛で満ち溢れているところが良いです。
厳しい現実もきちんと見つめた上での現実的な情報、戦略が書かれているところも、本屋を開業したい人にとってはありがたいでしょう。
本屋の売り上げは1996年をピークに2018年は半分になっているとのこと。またamazonなどのネット書店の隆盛によりリアル本屋は次々になくなっている。
そんな中、あえて本屋を始めるとはどういうことかがリアルに書かれている。その中であえて本屋をはじめるために、はじめ方の様々な可能性を含め教えてくれる。
前半は本屋という形態にたいする哲学的ともいえる色々な考え方が書かれている。
これは、何故自分は本屋をやるのか?を突き詰めるために必要な考え方なのだと思う。
昔のようになんとなく本屋を開いても、amazonなどにはかなわなく、月の最低限の売り上げも上げられず、つぶれてしまうから、
後半は本屋の様々な形態を紹介。
ダウンサイジングと掛け算というのが筆者のキーワードとしてなるほどと思う。
いかに個性的な店を作り、自分が実現したいことを第一に、利益を出すことは目的とせずに実施していく。
後半の本屋さん同士の対談、本の仕入れ方の別冊などが特に面白い。