紙の本
『デザインが日本を変える』
2019/01/23 21:43
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
マツダのブランド哲学を表現する“魂動(こどう)デザイン”
これを生み出したデザイン本部長が激動激闘の9年間を振り返った魂の書
90年代の経営危機からフォードの傘下へ
リーマンショックによりフォードから離脱して再び独り立ちしたマツダで、著者はデザイン部長に任命される
「2週間後からだ」
マツダのDNAをたどり、チームをまとめ、組織を動かし、ブランド価値を上げるカタチと言葉をつくりあげていく
そしていま、マツダは“新世代”から“次世代”へ
「艶」を体現するRX-VISION
「凜」を体現するVISION COUPE
進むべき道の両端がそろい、市販用ニューモデルへと向かっていく
マツダファンはもちろん、ビジネスの方向を模索するリーダーにも
(これを読むとマツダ車に乗りたくなる!)
紙の本
危機から脱出したマツダの物語です!
2018/06/27 12:12
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、企業的に危機に立たされ、アメリカの傘下からも見放された小自動車企業マツダが、2009年に久しぶりにデザイン部門のトップに日本人を据え、その後、多くの反対を乗り越えて、車のデザインを一新した結果、2016年には同社のスポーツカー「ロードスター」が世界で最も優れた車として評価され、ヨーロッパを中心に大人気を誇るまでになった一連の過程を物語として語ってくれます。今や、世界から注目される自動車企業となったマツダをここまで改革した精神とは、ノウハウとは、一体、何なのか。本書は、そういったことを丁寧に解説してくれます。
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日本の美意識を理解していない
2018/06/24 17:59
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投稿者:nobita - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は技術者なのでデザイナーが何を考えてデザインするのか興味を持った。デザインを言葉で定義するのは良いことだと思う。ただし車のデザインをartificialでなくartというのはおこがましい。artは自分のためや宗教性のために作るだけで、車とは異なる。又神社・仏閣・庭園・仏像はたくさん見てきたが、引き算思考はほとんどない。
どうしても、言葉が軽く思えるのは会社の関係者を意識しすぎか。
やはりデザイナーは技術者と異なり表面をうまく見せるのが得意。でもそれが理解でき面白かった。技術開発の正解は一つでない。デザインは感性なので正解はない。
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学生の頃、車を持っていることがステータスだったはずなのに、今は車を持ちたいと思う人が減っているらしい。。。それは学生だけじゃなくて社会人でも同じらしい。。。(何だか夢がない。。。笑)
と言いながら、今自分も車を持っていない。確かに都内に住んでいたら使う機会なんてほとんどないし、カーシェアリングとか便利なサービスもどんどん出てくるので車を所有している意味は薄れている。
でも、「格好イイ!」車があったら単純に欲しい。世界一格好イイ車を日本メーカーが作っていると聞いたらどう思うだろうか?耳を疑いたくなるが、実は本当の話し。それも、大衆車の筆頭格だと思っていた「マツダ」がそんな車を作っていたなんてびっくり!
ただのデザイン本ではなく、「仕事の哲学」を感じる一冊だ。(外資に身売りして、そこから手放されて、独自路線。そんな紆余曲折の中でどうやって再建したのかストーリーも興味深かった)
そして、ちょっとおまけ的に「マツダ」のコンセプトカーに関する動画まとめ!
【動画まとめ】 https://note.mu/avacha/n/n2375fb849c8d
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本書にはマツダの"魂動"デザインがどのようにして誕生したのか、その経緯や葛藤について記述されている。特に強く印象に残っているのは2箇所。
「私に言わせれば、大事なものは常に外ではなく自分たちの中にある。(p.53)」、「他人の言っていることを受け入れられなくなってしまった瞬間からもう自分しか残らないわけで、その人はそこ止まりですよ、だから常に耳は謙虚でいることが大事。(p.227)」
マツダのデザイン、アイデンティティ、ブランドを追求していく過程において、大切であったのは他社や顧客を向いた外部的な思考ではなく、自分たちの歴史を振り返るというシンプルな内向きの思考であった。これはシンプルなことであるが、内省を深めるというのは非常に手間のかかる、膨大な工程だったと想像する。
今後企業の競争優位性はデザインにシフトいく、という議論があちこちで行われている近年、誰よりも鋭敏な感覚を持ち、それを具現化することのできるデザイナーと共創していくことの重要性が増していくと考えられる。言語化できる/できないという壁を越え、どこよりもこだわり抜いた作品を提供し続けるマツダの動向を今後も追っていきたい。
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「魂動 KODO」2009年
カタチと言葉でイメージを共有する。
生命感を表現する。
「靭 SHINARI」2010年
野生のチーターから立体のフォルムに落とし込む。
ブランドは作品から作る
デザイン決定権、さらにブランドを
マーケティングから、ものづくりの側に移管
プロトタイプ市場調査を中止、ビジョンモデルの調査へ
アテンザのやり直し=SHINARI化
Aピラーを100ミリ後退させた。
同じFORDグループのVolvo
ヘリテージからブランドを確立しつつある。
共創
感動で人を動かす。
成功体験の継続。
アンベール体験。
技能評価「匠モデラー」
クレイの削りと同じ流れに沿って、金型を磨く。
前田スタイル
明確な目標はあるが、明確な答えはない。
マツダというブランド
世界の名車たちが居並ぶ場所まで引き上げる。
要素全てに未来を継いでいく人たちに宿題を出す。
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マツダ本の中でも圧倒的に面白い。スカイアクティブは触れられてきたが、同時に始まったデザイン革新についてはあまり触れられてこなかった中、張本人が濃密に語り尽くした。デザインそのものや産みの苦しみだけでなく、デザインの一貫性独立性を確保するための組織間の縄張りまで緻密に描かれている。
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マツダユーザーになったばかりだが、よりマツダに親しみを覚え、次を期待する内容。うまくいけば後はなんとでも言えるもんだ。
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とても刺激を受けた
・マツダのブランドをどのように改革し育ててきたか
・デザイナーにとっての言葉とカタチ
・ご神体づくり
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ブランドは、その企業のアイデンティティ
つまり、内側にある本質、信念や志であり
最上位概念である。経営は未来への展望を
見せる必要があり、ワクワクするモノが
必要である。消費者が欲しいモノに企業が
寄せていく必要は無く、企業の志に基づい
た、メーカーの意志を示す商品を提供する。
それを提供するには、高いハードルや苦労
が好きで自主的にそれに挑む変態社員が
必要である。そして、言葉と形、両輪が人
の心を動かす。
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複数ある自社のサービスのUIやUXをどう統合的にして行くか、あるいはUIやUXをどう競争優位性にしていくか、誰にそれを任せるかということを悩んでいた時に会社の人が「これを読むことをお勧めします」と言って渡してくれた本。上記のような課題についても参考になったが、何よりも現在のマツダのデザインがどのような経緯と着想によって作られていくかを理解していく中で、街ゆくマツダのCX-8とかDEMIOとかがカッコよく見えてくるようになっちゃうんだから、あら不思議、という内容だった。デザインはブランドを表し、ブランドは「語る」ことによって価値を増すことがよく理解できた。
元々の課題について最も参考になったのは、マツダのデザインのコンセプトを「鼓動」→「魂動」という文字にし、今度はそれを「ご神体」と呼ばれる抽象的な彫刻で表して全デザイナーに共有、それを最後は「SHINARI」というコンセプトカーに仕上げることにより「これからのマツダのデザインはこの路線」というのを社内外に示した一連の作業の部分。これは、ぜひとも会社でもやるべきだと思いました。
CX-8,かっこいいなぁー。
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デザインへの想いが詰まっていて良かったです。
デザイン駆動型開発って感じました。
ドイツも日本同様にミニマリズムの美意識があるが、異なるミニマリズムである主張にグッとくるものがありました。
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マツダ車。
10数年前、ビアンテという車を見たとき、なんてダサい車だろう、誰がこんなものにOK出したんだ、と思った記憶がある。
最近のマツダ車、どれを見てもカッコいい。
ディーラーもさっぱりしていい。
ユーノスロードスターに乗ってたころ、マツダのディーラーに行ってその芋臭さに驚いたことがあるが、確かに変わった。
全てが。
一車種だけが、優れているなら、それはまぁたまにはあることだろうけど、全てを洗練させ、それを継続することは、まぐれではできないことではないか、と思い、マツダの変化の背景を知りたいと思うようになった。そしてこの本に出会った。
書かれていることに、特別なことはなにもなかった。
ブランド論として、よく言われていることを、泥臭く、懸命にやり抜いている、ということと受け止めた。
そういうものなのかもしれない。
しかし、著者も、偶然この立場に立ち、活躍できているが、なにかが少しでも違えば、例えば年齢が数歳上でも下でも、この仕事にはついていないのではないか。
意思や努力、才能とは違うなにかが、人や組織を大きく規定しているんじゃないか、と強く感じた。
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ビジョンを突き詰めて考え、カタチやコトバをこだわり抜いて具現化していく。マツダは、自分たちが何者なのか、何者でありたいのか、そして、自分たちの生き様を、ブランドとして経営の最上位に据えて、「作品」を作り出している。その徹底した姿勢に感銘を受けた。何度も読み返したい。
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デザインのお勉強。
つまりブランドには、一定の「様式(スタイル)」というものが不可欠なのである。様式はどんな細かなものにでも適用される。キーフォント、キーカラー、キービジュアル、広告の打ち出し方、ネーミングのセンス、車であれば販売店の建築様式、店のインテリア、販売員の制服、話し方、営業方法……どれも適当に決められてはいけない。すべては「会社のブランド・アイデンティティがこうだから、こうなのだ」という必然性の下に設定されなければならない。
新設されたブランドスタイル統括部は、そういったブランド様式にまつわるトーン&マナーをルール化していく部署である。これまで、広告部、宣伝営業部、販売店など部署ごとに決めていたものを一括し、一元的に管理すること。これによってブランドイメージの拡散を防ぎ、「どこを切ってもマツダらしい」という一貫性がだいぶ表現できるようになった。
私にとってブランドとは何か?私にとってブランドとは、「われわれはこのように生きていく、こうした志でビジネスをやっていく」という宣言のようなもので、ブランドスタイルとはそれを目に見える形で表現した様式である。そこには仕事に対する考え方も、会社の歴史も、職人たちの技能もすべてが含まれている。企業にとっては魂そのものであり、いくら商品が変わっても、役員の面々が変わっても、それは未来永劫生き続けていく。ブランドだけは朽ちることなく残るのだ。
ではチームをまとめるために必要だったものは何か?まず、何はなくても成功体験である。
私は人を動かすための一番強力な手段は、その人を感動させることだと考える。
大事なのは常にチームなのだ。…
自分が褒められるより、チームが褒められる方が断然嬉しい。―もしかしてリーダーに一番必要なのはそういう資質なのかもしれない。
前田はどういう人か?魂動デザインの本質を作り上げたのは前田ですけど、まわりのデザイナーやクレイモデラーの理解や協力なしでは魂動デザインは生まれなかったと思うんです。ある意味、前田は自分の想いを伝えながら周囲をリードしていく存在というか。「おまえらもちゃんと考えろよ」とチャレンジさせつつ、「いいものはいい、悪いものは悪い」としっかりジャッジを下し、いつの間にか自分の目指すゾーンに引き込んでいる。はっきり答えを明示するのではなく、ぼんやりとした方向性を示した上で、明確なゴールはまわりのスタッフと一緒に作っていく……
そこでわれわれは発想の転換を行いました。先にデザイナーがイメージを作って生産にバトンタッチする方式ではなく、最初の段階からデザイナーやエンジニア、生産担当者など塗装に関係するスペシャリストが一堂に会して、みんなで一緒に作ったらどうだろう、と。…
…つまり、みんながハラオチした上で「どうやってこの理想を手に入れるか?」という共通の目標に向かっていくやり方に変えたのです。
それはエンジニア側の意識も大きく変えました。今、彼らは「作りたいものを作るために技術を作る」という考え方が主流になっています���「まずは理想。そのために現実を変えていく」という志向が一般的になったのです。
さらにそれは部署間の連携も変えました。これまでマツダの各部署は自分たちを守るため、そして他部署から責められないため、リスクはなるべく回避する傾向にありました。しかし、各部署が閉じていたのでは真の”共創”は成立しません。それを打ち破るにはタスクチームに対する信頼―何かあれば必ずみんながサポートしてくれる安心感―が必要になります。マネジメント側が高みを目指すタスクチームをサポートする姿勢を打ち出したこともあって、今、社内には新しいことにチャレンジできる気運が高まっています。