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仏教を題材
2020/03/10 22:41
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投稿者:あれこれ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ぶっ飛んだ内容だった。お寺が宇宙船となるとは。
作中では、ぶつということばには、佛という漢字を使われている。
仏教を題材にしているので、ちょっと難しい印象を受けるが、慣れれば大丈夫。
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スペースオペラにとどまっている
2021/06/06 19:01
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
「創元SF短編賞」受賞作ということでかなり期待して読んでみた。仏塔の形をした宇宙船とか物理学用語を仏教用語に置き換えているとか斬新な着眼点はたしかにとても面白い。しかしSFの傑作に必要とおもわれる、世界観や新しい解釈などがあまりなくスペースオペラにとどまっているところがやや残念である。
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創元SFの年刊日本SF傑作選シリーズ。2017年に発表されたSF作品を集めたアンソロジー。なぜかシリーズを逆順で読み始めたため、『おうむの夢と操り人形』に続いて2冊目。2冊読んで思ったけど、テーマ別アンソロジーと違って、年刊アンソロジーは当たりもハズレも混在してるけどそういうもんだなーと。この中からいくつか気に入った作品と出会えたらラッキーだと思うべきかなと。
上田早夕里「ルーシィ、月、星、太陽」 ★★★☆☆
* プルームの冬により、地上が住めなくなったため、人類が海中で暮らせるように意図的な変異種を作り、ルーシィと呼ばれる種族となった。地球が暖かくなって氷上に出てきたが、すでに旧人類は絶滅しており、人類が遺したプログラムだけが稼働し続けていた。
* 作者の想像力はなかなかのものだなと。
円城塔「Shadow.net」 ★★★★☆
* 『攻殻機動隊アンソロジー』掲載作品のため、既読。
小川哲「最後の不良」 ★★☆☆☆
* 小川哲だけども、設定も未来だけども、SFテイスト弱め。あのPenに寄稿したらしいので仕方ない。カルチャー雑誌『Eraser』(Penのパロディ)が廃刊になり、これまでのEraserの”アンチ・トレンド”トレンドに対するアンチ達が暴動を起こす、みたいな話。
我孫子武丸「プロジェクト・シャーロック」 ★★★★☆
* オープンソースで開発された事件を解決するための探偵AI、事件の状況を入力すると誰がどのようになぜ殺人を冒したか示唆してくれる。その開発者である木崎が殺害された。
* シャーロックに対抗するモリヤーティと呼ばれる完全犯罪AIが裏では開発されていた。それを利用した人は、別の殺人の実行犯として指名される。
酉島伝法「彗星狩り」 ★☆☆☆☆
* 宇宙空間で暮らす機械生命体の話。ちょっと何言ってるかわからなかった。
横田順彌「東京タワーの潜水夫」 ★★★☆☆
* よこたじゅんや、と読む。シャーロック・ホームズのパロディ、ルーフォック・オルメス (Holmés) のパスティーシュとのこと。短め。
彩瀬まる「山の同窓会」 ★★★☆☆
* 人は卵を産む、三回も産卵すれば人は死ぬが、種のために卵を産むことが幸せとされている。そんな中でニウラは"交尾"することに興味が持てない、という苦悩…みたいな奇妙な設定。やたら記憶に残る短編だった。
伴名練「ホーリーアイアンメイデン」 ★★★★☆
* 売れっ子ということでもないのに、年刊日本SF傑作選シリーズに選出される率が非常に高いという。人に抱きつくとその人のエネルギーを奪い、柔和な人格に変えてしまうという特殊能力を持つ姉、という新鮮なSF設定も良いし、「妹から姉に対する手紙」という形態なのも面白い。
加藤元浩「鉱区A-11」 ★★★☆☆
* 漫画。ロボットもの。アシモフのロボット三原則ネタ。
松崎有理「惑星Xの憂鬱」 ★★★☆☆
* コメディSF。冥王星探査機と、冥王星から名前を取ったメイ。メイは冥王星の国王を宣言し、その独立のため国連と五番勝負に挑む。なんやねんそれ。
新井素子「階段落ち人生」 ★★☆☆☆
* 何度も階段から落ちているがアンブレイカブルな女子大生と事故多発地帯に赤いモヤが見える超能力者の話。
* 新井素子のこのカジュアルな文体があまり得意ではないため低めの評価。
小田雅久仁「髪禍」 ★★★★★
* おだまさくに、と読む。ホラー系SF。髪の毛にまつわるカルト宗教の祭事にさくらとして参加した主人公を襲う怪奇な儀式。新しい設定だった。どうも宗教ものにはハマってしまう。
筒井康隆「漸然山脈」 ★☆☆☆☆
* ちょっと何言ってるかわからない。
山尾悠子「親水性について」 ★☆☆☆☆
* SF第二世代とも呼ばれる山尾悠子による短編。
* 頑張ったけどやっぱり何言ってるかわかんなかった。
宮内悠介「ディレイ・エフェクト」 ★★★★☆
* 77年前の東京が現代の東京に重なってしまう、というなかなか新しい設定。曽祖父母と一緒に暮らしているかのような状況。そして数ヶ月後には東京大空襲がやってくることを「知っている」中で、職場の描写や夫婦関係のこじれなど色んな要素が出てきながらも、ラストは予想外な方向へ。
八島游舷「天駆せよ法勝寺」 ★★★★★
* やしまゆうげん、と読む。読み始めた瞬間からこれは星5つだなと。仏教が高度な科学(佛理学)に進化していて、仏閣そのものが宇宙船化してて、宇宙に飛び立つという。
* 毎回、この創元SF短編賞受賞作を読むのが楽しみ。
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年刊日本SF傑作選2017『プロジェクト:シャーロック』読了。既読は宮内悠介「ディレイ・エフェクト」のみでまだまだ面白いSFがいっぱいだなと。小川哲「最後の不良」、伴名練「ホーリーアイアンメイデン」が好み。今年の創元賞受賞作の八島游舷「天駆せよ法勝寺」は仏教用語で構築されたSF世界が圧巻。
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やはりSFは良いな
上田早夕里さんのルーシィが読めた。これ一番の収穫。そして宮内悠介さんのディレイが素晴らしい。アイアンメイデンとか既読もあったけど、この2作品が私には全てだったかな。満足。
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SF。短編集。
再読ではあるが、上田早夕里「ルーシィ、月、星、太陽」がベスト。好きすぎる。
他、好きな作品は、表題作と「山の同窓会」「ホーリーアイアンメイデン」「惑星Xの憂鬱」「髪禍」「ディレイ・エフェクト」。
作家としては、彩瀬まるさんに興味。
苦手な作品もいくつかあるが、全体的には満足の内容。
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2017年に発表されたSFジャンルの作品16編。
こないだ読んだ時代小説ザ・ベスト2018もそうなんだけど、好きな読書ジャンルなのに、知らない作家さんや作品が多いです。
それは、新たな世界がまだまだ広がっているという意味で嬉しいことであるけれど、自分の趣味をさぼっているという意味で、つまらないことだと感じます。いかんなぁ。
「ホーリーアイアンメイデン」
タイトルが皮肉。
彼女は、抱擁で人の性質をきれいなものに生まれ変わらせてしまう。抱擁以前と以後で、別人のように。それはそれまでの存在を殺してしまっているんじゃないかな、という意味なんでしょうけど。行為の結果がきれいなものになっているだけで、なんて残酷な行為なんだろうと。
きれいなものだけでは、本当の意味は理解できない。ディストピアって、その疑問から始まることが多いと思う。ただ、彼女の作り出していく世界は、その疑問すら思わせない世界。おっかない世界だ。
「髪禍」
ただただホラー。
主人公一人だけが、なにかしらの怪異に巻き込まれて変性していくのかと思ったら、留まることを知らない終末の世界へ。
16の内、読了直後に心に残った2編の感想。
なんだか、気持ち悪いのが印象に残りました。
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久しぶりにSF短編アンソロジー。ぶっとび方は筒井康隆が抜けてる感じ。引き込まれたのは八島游舷さんでした。
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ここしばらくいつものことながら、豊作だなあ!
上田早夕里「ルーシィ、月、星、太陽」
円城塔「Shadow.net」
小川哲「最後の不良」
我孫子武丸「プロジェクト・シャーロック」
酉島伝法「彗星狩り」
横田順彌「東京タワーの潜水夫」
眉村卓「逃亡老人」
綾瀬まる「山の同窓会」
伴名練「ホーリーアイアンメイデン」
加藤元治「鉱区A-11」
松崎有理「惑星Xの憂鬱」
新井素子「階段落ち人生」
小田雅久仁「髪禍」
筒井康隆「漸然山脈」
山尾悠子「親水性について」
宮内悠介「ディレイ・エフェクト」
そして 受賞作 八島游舷「天駆せよ法勝寺」
「プロジェクトシャーロック」「山の同窓会」「ホーリーアイアンメイデン」「逃亡老人」そして「ディレイ・エフェクト」が好きかな!「鉱区A-11」はまさかこのシリーズが収録されるとは、と驚いた。「階段落ち人生」は設定が好き。
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奇妙な作品が揃った。2017年のSF短編小説を集めると、こんなにも突飛なものになる楽しいアンソロジーに仕上がるのかと驚いた。2017年ってどんな年だったっけ?と思い出す努力を(少しだけ)したが、普段から普通の生活をしている私は何も思い出すものがなかった。それでも作品は面白く意外性で驚かせ、意外性を越えた突き詰める突飛な作品まで生まれている。楽しい楽しい。
個人的に気に入った作品は、「ルーシィ、月、星、太陽」「ホーリーアイアンメイデン」「階段落ち人生」「髪禍」といったところ。
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SFあまり読んでないな…と思ったけれど、初見の作家さんあまりいなくてびっくりでした。SFだと思って読んでなかったお話もあって、SFというジャンルの拡がりを感じます。暴論ですが、面白ければなんでも。
どれもこれも面白かったです。好みの問題で、好きなのと引っかからなかったのはあるけど、面白くないお話がない。このおふたりが選者だと間違いない…すごい。
1話目からオーシャン・クロニクルで嬉しい。これだけ読めていなかったので出会えて良かったです。
既読は「山の同窓会」「ディレイ・エフェクト」「天駆せよ法勝寺」。彩瀬まるさんのは幻想小説として読んでたけど、系譜とされてた「侍女の物語」「大きな鳥にさらわれないよう」「魚舟・獣舟」はどれもSFだ(3作とも既読)。既読でも別の目線から読めるの楽しいです。
「プロジェクト:シャーロック」「ホーリーアイアンメイデン」「親水性について」が好みでした。山尾悠子さん好きでこれは読めてなかった。。
「髪禍」はホラーとして。怖い。辿り着く結末にやられました。
酉島伝法さんのこのお話は読みやすかったです…もしかしたら既読かもしれない。。
「天駆せよ法勝寺」は安定のバカSF。今回もニヤニヤしました。半径三丈を涅槃に変えながら、「成佛がこれほど簡単であったとはな……」となりたいです。
2017年の日本SF界概況で読みたい本も増えました。
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タイトルでポチッた時は北原案件だと思ったら、年刊SF傑作選だったw
創元SF短編賞の『天駆せよ法勝寺』サイコー
物理学ならぬ佛理学で往くスぺオペ!連作化希望。合掌。
眉村、筒井、横順等が現役なのは知っていたが、新井素子が現役とは知らなんだ…
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SFを読もうキャンペーン2冊目。
「ホーリーアイアンメイデン」、「プロジェクト・シャーロック」、「鉱区A-11」が個人的ベスト。初心者にも読みやすかった。物語の進行と共に、登場人物やロボ・AIに対する感情が変わっていきました。
「ルーシィ、月、星、太陽」は世界観が、「階段落ち人生」と「ディレイ・エフェクト」は設定が好き。
「髪禍」は気持ち悪さが後を引く。読み終わって数日経っても忘れられず、お腹と胸のあたりがぞわぞわする。きっと数年後の悪夢にも出てくる。
「漸然山脈」は車酔いしてる気分になった。さっぱり分からなかったけど、お酒を飲みながら読んだら楽しかったと思う。たぶん。
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日本SF短編、2017年の編者が選ぶ代表作が17作。まだ読んだことのなかった作家さんの個性的作品に触れることもでき、毎年楽しみにしている本の一つです。