紙の本
大人向け
2019/03/04 23:32
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投稿者:ウッドチャック - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵本ですが、幼稚園児や低学年向けの内容ではありません。
原子爆弾を作る計画と実験がどのように行われていたのかが描かれています。
あとがきを含めて大変考えさせられる内容でした。
味わったことのない情けなさに、涙が出ました。
この感覚を麻痺させてはいけないし、絶えず伝えていかなくてはいけないことだと思います。
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投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は、原子爆弾がどのようなものであるのかについて、描いている物語です。独特な絵のタッチが読者を物語の中に引き込んでいきます。
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どこかでよい絵本だとみて、図書館で借りた。
砂漠の町に、ゆうしゅうな科学者たちがやってきた。
アメリカ合衆国にやとわれて、世界のあちこちから集められたのだ。
科学者たちは、ひそかに、〈ガジェット(小さな装置)〉を作ろうとしていた……。
おそろしいことは、ふつうの風景のなかで進行している。
同じ敷地内で働くひとたちも、敷地内で何をしているのか知らない。
なぞの科学者たちが町へ出かけるところにひやっとします。
カウントダウンのところでページを、本をとじても時間は止まらず、原爆は投下されました。
きのこ雲の絵が血肉を連想させます。
なぞの科学者たちは2年間、そして原爆投下後、どういう気持ちだったのだろう。
最後のページがそれだと信じたいです。
あ、『バスラの図書館員』っぽいなと思ったら、同じ画家、親子の作だそうです。
世界には、まだ核兵器が1万発以上あるそうです。
どうかしています。
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原子爆弾を作った科学者たちの話。
原爆というと、丸木夫妻や『ドームがたり』など、被害者となった広島・長崎がテーマの絵本を思い出すが、これはいわば裏側から見た原子爆弾。
怖い。人間の残酷さに絶望する。静かだけれどとても醜い。
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ちょっとミステリーのようなタイトルの絵本。
アメリカ合衆国の秘密の研究のために選ばれた、ニューメキシコの砂地の地域。
もとあった学校は立退き、世界中から、えらい科学者が集まって、実験や研究をくりかえし、暗号名「ガジェット」と呼ばれるものを作っていた。昼も夜も研究。
外のだれもそんな事は知らなかった。
おだやかな砂地の山や台地には。サボテンやコヨーテやプレーリードックが住み、画家が美しい絵を描いていた。
研究は秘密裏に行われ、原子を小さくし、ウランを使い、巨大な力を生み出すガジェットの研究がついに完成した。
ガジェットは、誰にも気付かれないように運び出された。広い砂地の真ん中に高いやぐら建て、そこから吊るされた。科学者たちは、その場所から離れ、半地下に作った観測室から、ガジェットの威力を調べる。
そう、原子爆弾はここで作られた。
絵本のあとがきに、
アメリカの多くの子どもたちは「広島と長崎への原爆投下は、戦争を終わらせるために仕方がなかった」と学校で習います。しかし最近では「原爆を落とさなくても戦争は終わっていたはずだ」「原爆ができたから落としてみたかったのではないか」という声があがるようになりました。そのアメリカに住む絵本作家ジャネット・ウィンターさんが息子さんのジョナと一緒に作ったのがこの絵本です。(後略)
・・・と、書かれています。
小学高学年の読み聞かせにも。
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息子7歳2ヵ月
息子が喜びそうな本を図書館から借りてきて読み聞かせ…最近は息子が一人で読むようになってきて、母はサミシイ。
〈親〉
絵が好き ◯
内容が好き ◯
〈子〉
何度も読む(お気に入り)
ちょうど良いボリューム ◯
その他
原子爆弾というものの存在を息子はおそらくまだ知りません。
そんな息子は「この本、おもしろい」と言っていました。
大人が集まって、秘密の計画・実験をし、実験をします。
実験は成功、大爆発。
戦争の歴史を学んでいない息子にとっては、爆弾大爆発が魅力的なのでしょう。
「この本、おもしろいんだよ。」
「『おもしろい』ってどういうことかな。そこに住んでいた人とかイキモノとか、死んじゃったんだよ」
「大丈夫だよ、だって、近くにはいないじゃん」
「でも、離れている人たちにも影響は出てるんだよ」
「ふーん。また読む!」
また何年か後に読ませたい本です。
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アメリカの原子爆弾の秘密裏に行われた開発についての絵本。大人の向けの絵本だと思った。
開発場所では1つの学校が立ち退きを余儀なくされた。
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第二次大戦中の米国の原子爆弾開発を描いた絵本。研究所開設から実験成功まで。広島と長崎に落とされた事は、著者あとがきで触れています。
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姪っ子ちゃん甥っ子ちゃんへプレゼントする絵本を探していたら、本書が雑誌ESSEに紹介されていたので読んでみました。
戦時中、科学者たちが政府に雇われ、原爆を作り、核実験をした、ということが書かれていました・・・
これをアメリカ人作家が描いたというところに意味を感じました。
というのも、原爆投下は戦争を終わらせるためには仕方がなかった、とアメリカの教科書では教えているそうなんですが、最近はこのような絵本も出てきて考え方も変わってきているそうです。
核兵器のない世の中を願うばかり。
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ファインマンさんのあの場面ですね。
説明文的絵本。
何があったのか知るための絵本ですね。
でも肝心な説明はないので、何も知らずに読んだ子は、「これなあに?」と尋ねるでしょう。
大人はそれに答える用意をしておかねばなりません。
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小学4年生の息子が図書館で借りてきて、薦められた本。まさかの原爆実験の話で、驚いた。
アメリカでは肯定的な意見が多いと認識していたが、やはり、良識と言うものはあるのだなぁと認識した。
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小学生中学年になったら、読んでほしい。技術とは幸せも不幸せも創造する。技術より大切なのは哲学なんだ、と改めて理解した
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正方形の額縁に入ったような絵で実験場ができる前の風景からはじまる絵本
絵が印象的
おだやかな砂地の山や台地は、サボテンや、コヨーテや、プレーリードッグの世界
先住民はホピ族 木彫りの人形をつくっていました。
〈ガジェット〉が出来上がると
枠は見開き2ページつづきて横長の場面も
「カウントダウンがはじまります。」で背景色が白からモスグリーンへ
カウントダウンの数字が左上から斜めに描かれます
徐々に大きくなるキノコ雲、4ページ
そして、真っ黒に
文)ジョナ・ウインター アメリカ在住の詩人、絵本作家 ジャネット・ウインターの息子
絵)ジャネット・ウインター 絵本作家
訳)さくまゆみこ
【著者あとがき(抜粋)】
1943年3月、アメリカ合衆国政府は、科学者をニューメキシコ州のへんぴな砂漠地帯に集めて、ひみつの計画にとりかかりました。〈ガジェット(小さな装置)〉とよばれるものをつくるためです。このへんぴな場所には地名がなく、政府には「サイトY」という暗号でよばれていました(もともとは、ロスアラモス・ランチ校という私立のエリート男子校があったところ)場所を示すものは、郵便を受けるための「私書箱1663」という数字だけでした。この計画のリーダーは、K・ロバート・オッペンハイマーという名高い科学者で、メンバーにはナチスドイツから亡命した科学者、ノーベル賞受賞者もいました。
そのチームがつくりだしたのが、最初の「原子爆弾」。完成すると1945年7月16日に「トリニティ・サイト」と名づけられたニューメキシコ州南部の砂漠で最初の核実験がおこなわれました。現在のホワイトサンズ・ミサイル実験場(ホワイトサンズ性能試験場)の一角にありました。
実験で起こった爆発は、太陽の1万倍もの熱を放出し、250キロくらい離れたところでもその熱が感じられたといいます。また、200キロ近く離れている建物の窓が爆風で割れました。キノコ雲は1万メートル以上の上空まで立ち上りました。火球におおわれた場所の砂は灰緑色のガラス状のつぶに変わり、放射線量が非常に高い「トリニタイト」という人工鉱物ができました。爆発地点から半径160キロの範囲で植物にも動物にも土にも、危険なほど高いレベルの放射線を発するプルトニウムが見つかりました。ここの放射能は、2万4100年後まで消えないと推測されている。政府は、ようやく2014年になって、実験の時ニューメキシコ州に住んでいて高濃度の放射線をあびた人々の調査を始めました。
「サイトY」で働く人たちの多くは、科学者たちが何を作ろうとしているのかまったく知りませんでした。極秘にすることを誓った科学者たちの多くは、ニューメキシコ州にくる前に名前まで変えていました。
【訳者あとがき】
トリニティ実験の3週間後、アメリカは二つの原子爆弾を日本に落としました。
1945年8月6日 広島 ウラン原爆(リトルボーイ)
直接の死者約14万人 負傷者約8万人
1945年8月9日 長崎 プルトニウム原爆(ファットマン)
直接の死者約7万4千人 負傷者約7万5千人
原爆死没者名簿 2017年現在
広島 30万319��人
長崎 17万5743人
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「マンハッタン計画」を描いた絵本の日本語訳版、『この計画はひみつです』が出版されました。
これは買い!
でしょう。
2018/09/06 更新
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読み聞かせに。高学年。8分。淡々とした文章と、正方形の淡いフラットなイラスト。誰が、何のために、がわからないまま、ミステリ小説のような不穏な気配の中、ラストは無言の見開きが6ページ。
あとがきを読むと原爆のことだとわかるが、あえて説明はせずに、この後どうなったか知りたい人はあとがきを読んでくださいと話す。
戦争、平和、歴史を考えさせられる。
読みやすい。