紙の本
サクセスストーリーと思ったら…
2019/08/15 22:56
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投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは一本釣りを生業とする荒くれ漁師のサクセスストーリー。とにかく個性溢れる5人の漁師が、鯛、鯖、鰤、時にはクエを釣る!釣る!釣りまくる!その日暮らしの雑賀衆の面々。ビジネスチャンスがあって、一獲千金でみんな、幸せになって良かったねと思いました……ん、あれ?……って、おい、サクセスストーリーにならんのかい(怒)まさかのとんでもない展開!エグいわ!人間の闇、欲望、醜さ、さらに狂気に走る瞬間を見てしまった。恐いわ~!そして男性諸君、怖いと言えば女も恐い。綺麗な女性にはトゲがあるよ。気をつけてね。
紙の本
意外に抵抗なく読めました。
2018/09/06 16:48
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投稿者:ガトン - この投稿者のレビュー一覧を見る
鯖というタイトルからして、若い世代の人間には取っ付きにくい物語なのかと思いましたが主人公の新一は35歳。 彼の目線で話は進みます。 内容も行ったり来たりはせず、流れに乗りながら読み進めることが出来ます。 活字でも皺の動きや生臭さ、温度など想像出来、瞬きを繰り返しながら読んでいくうちに本の世界に入り込めるほどの表現力。 期待感を抱き読み進めたは良いが、残りの100ページ程から絶望が生々しくそこにありました。 私は2日かかって読みましたが、最後はストンと落ちることなく後味が苦味を帯びていました。
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細々と漁で暮らしを立てていた一本釣り漁師の仲間たちが、中華系カナダ人の美女にビッグなビジネスを持ちかけられ、段々と歯車が狂っていく・・・。もてない男は結局金と女が身を滅ぼすってことか。荒削りだし、荒唐無稽だけど、漁のディティールとかやたら細かくて、知識がなくてもイメージできる。不思議な魅力のある話。
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「5時に夢中! 」で中瀬ゆかりさん絶賛していたので読んでみた。
なんの予備知識もなく読み始めたため、最初は海の男たちの話かと思っていたら、途中からの展開に時代の暗部が見え隠れしてくる。
映像化すれば迫力ありそうだが、登場人物たちは個性的ではあるが、なかなか癖が強く、キャスティングが難しそう。
鯖が食べたくなった。クエ三昧をしてみたい。
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紀州雑賀沖の無人島に住み、鯖の一本釣りで生計を立てる男たち。彼らは皆、陸の生活になじめずに流れ着き、地元の漁業組合にも属さない孤高の集団だ。そんな彼らに中国人のビジネスウーマンが目をつける。彼らの独特の漁業方法と所有する島を使った一攫千金の大事業が計画される。
社会からはみ出した個性的な漁師たちと、中国人事業家アンジー、それぞれの野心と狂気がぶつかり合うハードボイルド小説。後半、最初の死人が出たところから物語は一気にヒートアップする。
そして、本作は主人公の35歳童貞漁師、シンイチの成長の物語でもある。彼がしだいにダークサイドに堕ちていく過程は実にリアル。人間の弱さとズルさが痛々しく描かれる。
作者の赤松利市氏は62歳でデビューした住所不定作家。漁師の経験はなかったようだが、様々な修羅場を通過した作者の経験が、この物語にかなり活かされているのだろう。これから、追いかけたい作家だ。
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絶海の孤島に住み着いた荒くれ漁師たち。
男同士、孤島、共同生活。
何も起きないはずがなく。
一気読み。
底辺の中にも序列があり、一位から転落するともはや群れには残れず食われるしかない。
まさに獣の群れ。
そんな獣たちがビジネスに巻き込まれる。
一本釣りの鯖が金になり、カネに心がおかしくなっていく。
これは、群れの中で卑屈に生きている青年の、ある意味では成長譚である。
その先の破滅へと突き進んでいることに、本人だけが気が付かない。
和歌山県雑賀崎、ここから日本の漁法が広まったといわれる時代もあった。
しかし、現代では主流の網漁に対して一本釣りでは暮らしていけない。
普通の生活では生きていけない漁師が集まり、日本海の孤島をねぐらにした。
ここに住み着いた5人は、浜の料理屋を相手に商売をしていた。
そこへ、一本釣りの鯖に目を付けた中国系カナダ人、アンジが彼らに取引を持ち掛ける。
鯖のへしこは中国で売れる。
この島を鯖の一本釣りの一大拠点にする。
その計画に乗った漁師たちだったが、取引額に目がくらみ貧困は暴力へと暴走を始める。
鯖のへしこ旨いよね。
福井でへしこつまんで梵呑みたい。
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怒りに培われた悪は、行く手を阻むもの全てを捨て去る怪力を持っていた。時代の波に取り残された紀州雑賀崎発祥の一本釣り漁師達の極貧生活に、ビジネスで顔を隠した悪の手引きによって一条の光明が差し込むのだが、欲得と引き換えに待つものは狂気と崩壊だった。
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野郎ども、女たち、魚!ノワール好きなら必読の暗黒っぷりに、怒涛のラストにおどろけ!無名の役者をそろえて、映画化希望。ラース・フォン・トリアー、クローネンバーグ、ドゥニ・ヴィルヌーヴあたりの映像化を夢想する。
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99なかなかのバイオレンスでした。犬を先に読んでたので覚悟はしてたけどこれはこれでインパクトのある作品。作家さんの生きてきた経歴なんか知りたいです。
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日本海の孤島に住み一本釣りで暮らす漁師船団員たち。その日暮らしの生活をする。良質の鯖が取れることに目を付けたIT社長と中国人。役に目が眩んだ者たちのバトルロイヤルの行く先は・・・
なかなか面白かった。
言わば、破綻していく者たちの物語。破綻はしていくのだろうと思いつつ読むと、意外なストーリーの転がり方が。そしてグロさはかなりのもの。好物だった。
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「鯖」というインパクトあるタイトル。
どういったお話が展開されるのか皆目見当がつかなかったけれど
お金を手にするとこうまで人間は転落していくのか。
悪にまみれたアンジが怖すぎた。冷静沈着なのだろうけど、彼女に翻弄される男性陣が虚しすぎる。
漁師を題材とした物語もなかなか味があってとても面白い。だけど個人的には後半の転落劇はいただけなかったかな。
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大藪春彦賞作家第1作長編。脳に血が滾るとはこのことだ。憐憫嫌悪の天秤。卑屈にならないために、嫌悪をねじ伏せる。勇気がでる言葉だ。胸に突き刺さる。作者が私に訴えかけてきたものは…皆さんも是非体験しましょう。歯を食いしばって本を閉じる。私の人生は鯖になってたまるもんか 。
私は崩れ落ちそうになった。それは、自分自身に跳ね返ってきてはいけない強烈なものがある。
主人公はまさしく私だった。だからこそ余計に苦しい。悔しい。
短編も読まなければ。追わなければいけない作家である。
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藻屑蟹、ボダ子、らんちうの過去読んだ三作に比べるといまひとつ。描写はグロテスクでも人間の内面グロテスクがいまひとつ。恐いのは狡知に長けた者に知恵のない者たちが食い物にされていくこと。実際に中国人など外国人に国土を買われている現状を考えると、いつの間にか外国人に利用されたり、侵食されていく図はあるのだろう。
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一本釣りサバ漁の話
下っ端の青年の成長の話と思いきや 終盤で、話が大きく変貌。
遣り手の中国人美女に翻弄される話になる。
ホラー小説?
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2月-18。3.5点。
和歌山雑賀の一本釣り猟師たち。極貧の中、京都外れの料亭へ魚をおろす。
成金と中国女性が、新規ビジネスを持ち込むが。
ひとりの男の変わり様を上手く描いている。
一気読みした。次作も期待。