- カテゴリ:一般
- 発売日:2018/07/20
- 出版社: 文藝春秋
- サイズ:20cm/473p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-16-390872-4
紙の本
彼女は頭が悪いから
著者 姫野カオルコ (著)
【柴田錬三郎賞(第32回)】女子大に進学した美咲と、東京大学理科Ⅰ類に進学したつばさ。ふたりは恋に落ちたはずだった。渦巻く人々の妬み、劣等感、格差意識。そして起こった集団...
彼女は頭が悪いから
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商品説明
【柴田錬三郎賞(第32回)】女子大に進学した美咲と、東京大学理科Ⅰ類に進学したつばさ。ふたりは恋に落ちたはずだった。渦巻く人々の妬み、劣等感、格差意識。そして起こった集団わいせつ事件。しかし、世間に叩かれたのは被害者の美咲のほうだった…。【「TRC MARC」の商品解説】
私は東大生の将来をダメにした勘違い女なの?
深夜のマンションで起こった東大生5人による強制わいせつ事件。非難されたのはなぜか被害者の女子大生だった。
現実に起こった事件に着想を得た衝撃の書き下ろし「非さわやか100%青春小説」!
横浜市郊外のごくふつうの家庭で育った神立美咲は女子大に進学する。渋谷区広尾の申し分のない環境で育った竹内つばさは、東京大学理科1類に進学した。横浜のオクフェスの夜、ふたりが出会い、ひと目で恋に落ちたはずだった。しかし、人々の妬み、劣等感、格差意識が交錯し、東大生5人によるおぞましい事件につながってゆく。
被害者の美咲がなぜ、「前途ある東大生より、バカ大学のおまえが逮捕されたほうが日本に有益」「この女、被害者がじゃなくて、自称被害者です。尻軽の勘違い女です」とまで、ネットで叩かれなければならなかったのか。
「わいせつ事件」の背景に隠された、学歴格差、スクールカースト、男女のコンプレックス、理系VS文系……。内なる日本人の差別意識をえぐり、とことん切なくて胸が苦しくなる「事実を越えた真実」。すべての東大関係者と、東大生や東大OBOGによって嫌な思いをした人々に。娘や息子を悲惨な事件から守りたいすべての保護者に。スクールカーストに苦しんだことがある人に。恋人ができなくて悩む女性と男性に。
この作品は彼女と彼らの物語であると同時に、私たちの物語です。【商品解説】
著者紹介
姫野カオルコ
- 略歴
- 〈姫野カオルコ〉1958年滋賀県生まれ。「昭和の犬」で直木賞受賞。ほかの著書に「リアル・シンデレラ」「謎の毒親」など。
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電子書籍
ひたすらやるせない
2020/08/23 16:30
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おみず - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうしてそうなったかという「過程」の有無で、私達の心象は大きく変わる。過程がなければ、私達は私達それぞれの思想で、私達に都合のいいそれを勝手に想像し補完してしまう。それがSNSでの被害者バッシングに繋がったのだろう。
これが単に事件だけを綴ったものだったら、私は加害者に憤怒だけを覚えていただろう。
でも生い立ちから丁寧に語られていて、彼らが彼らの思想を抱くに至った経緯まで描かれている。
それだけで、加害者が最後まで被害者の気持ちの片鱗すら感じられなかったことが悲しくなる。
この事件の根底にあったのは選民思想なのだろう。そのような驕りは私の内にも存在する。しかし、それが誰かを傷つけることを防ぐことはできるはずだ。
彼らのような、感情の理由を無視し続ける、つるつるな心の持ち主になってはいけないと強く感じた。
紙の本
偏見か正解か。
2019/11/09 23:27
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:てつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
東大生は上から目線の人間か?これは偏見なのか?私は東大生をフォーカスするというより学歴社会への警鐘と受けとりました。もちろん女性への暴行は言語道断。社会に出ている人、学生、男性、女性など立場によって捉え方がいろいろある作品だと思います。読むべき作品です。
電子書籍
落ち込んだ
2019/03/24 11:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アヤナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これ程までに後味の悪い本は初めてでした。
ただ、可能かどうかは置いておいて裁判記録を閲覧したくなりました。
一つの事柄に対して様々な考え方があることは分かっているつもりでしたが、ただの【つもり】だったのだと思い知らされました。
もちろんフィクションなので、個々の心情は推測の域を出ないとは思いますが、学歴が高いというだけで(まだ卒業もしていないのに)こんなに傲慢になれるということは、劣等感の裏返しでもあるのかな?と感じました。
紙の本
東大生ってこんな感じなの?
2019/01/02 14:54
5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:スコット - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白かった。一気に読み切った。東大生のステレオタイプって、この本の通りなんだろうか?私の同級生も何人か東大に行ったが、この本の中の登場人物のような感じではなかったな。
紙の本
読んでいて辛かった
2021/01/19 09:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くらげ - この投稿者のレビュー一覧を見る
現実の事件を元にした物語。描かれる事件はあまりに卑劣で酷く、また被害者がバッシングを受ける描写も読んでいて辛かった。
フィクションとして描かれる部分では事件に至るまでのそれぞれのキャラクターの生い立ちが、加害者の東大生たち、被害者の美咲ともに細かく描かれており、人間関係の中で彼らがお互いの人となりをどのように認識していたのかを掘り下げて描写している。
その中で印象的なのは、最も強調されている「学歴」だけではなく、美醜や貧富、運動能力など、様々なコンプレックスがそれぞれのキャラクターについてまわっていたことだ。誰かを卑下しマウントを取り始めたら自分が優位に立ち続けていないと耐えられなくなるのだろうか、と感じた。
また、自分はこの程度の人間だ、と位置付けて周囲の空気を読み、存在感を消したり道化に徹したりすることで自分の居場所を確保してきた美咲の気持ちはとてもよくわかる。そこに加害者達が付け入る様な形で、飲み会から暴行事件へと発展していく様子が、読んでいてあまりに心が痛くなった。
紙の本
最後の教授とのやりとりが救い
2019/04/03 12:14
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にわなずな - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んでいるのがつらい本でした。もう読むのを止めようかと何度も思いました。
しかし、最後の被害者と教授のやり取りに涙が出て、救われたように思います。このやりとりが本当にあったものでほしいと思いました。
とはいえ、つばさには何もわからなかった、理解できなかったということに、愕然とし、絶望も感じました。
運が悪かったのかもしれませんが、本当に気をつけて生きていかないと後悔しきれない出来事に遭遇してしまうかもしれないのだと思いました。