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商品説明
【宮日出版文化賞特別大賞(第29回)】旅と酒の歌人・若山牧水は、恋の歌人でもあった。若き日をささげた恋人の持つ秘密とは。高校時代に牧水の短歌に出会って心から共感した著者が、牧水の恋の絶頂から疑惑、別れまでの秀歌を味わいつくす評伝文学。【「TRC MARC」の商品解説】
この秋、没後90年を迎える歌人・若山牧水。その短歌は教科書にも取り上げられ、ひろく愛誦されている。
白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ
けふもまたこころの鉦をうち鳴しうち鳴しつつあくがれて行く
幾山河越えさりゆかば寂しさのはてなむ国ぞけふも旅ゆく
これらの名歌が生まれた背景には、小枝子という女性との痛切な恋があった。
早稲田大学の学生だった牧水が若き日をささげた恋人には、秘密があった。彼女は実はすでに人妻で、郷里に二人の子どもまでいたのである。
恋の絶頂から疑惑、別れまでの秀歌を、高校時代から牧水の短歌に共感し、影響を受けてきた人気歌人が味わいつくす、スリリングな評伝文学。【商品解説】
著者紹介
俵万智
- 略歴
- 〈俵万智〉1962年大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部卒。「サラダ記念日」で第32回現代歌人協会賞、「愛する源氏物語」で第14回紫式部文学賞、「プーさんの鼻」で第11回若山牧水賞を受賞。
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紙の本
若き日の若山牧水の恋と短歌を中心にした評伝文学
2022/02/25 16:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:パミチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「白鳥は哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよう」
「幾山河超え去り行かば 寂しさのはてなむ国ぞ 今日も旅ゆく」
「白玉の歯にしみとおる 秋の夜の酒はしずかに 飲むべかりけり」
等で知られる若山牧水の短歌をその技巧や、表現の仕方を中心に解説するのではなく、その歌が生まれた背景や牧水の思い、生きざまにまで切り込んで解説している。著者(俵万智)の牧水への強い思い(愛情)が伝わってくる。
「白鳥は~」の歌の白鳥は牧水でなくはなく恋人の小枝子であり、この歌が孤独ではなく恋を詠んだ歌であると知ったのは恥ずかしながら本書読んで初めて知った。著者(俵万智)の牧水への思いがこもった心に響く評伝文学である。
紙の本
『牧水の恋』
2018/10/24 19:18
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
“旅と酒の歌人”若山牧水の恋をたどった評伝
白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ
人口に膾炙したこの短歌には牧水の恋した小枝子という女性がかかわっていた
山を見よ山に日は照る海を見よ海に日は照るいざ唇を君
成就したかに見えた恋も小枝子の抱える重大な秘密によって暗転
なほ耐ふるわれの身体をつらにくみ骨もとけよと酒をむさぼる
海底に眼のなか魚の棲むといふ眼の無き魚の恋しかりけり
小枝子への思いが断ち切れぬ牧水は酒と女におぼれていく
白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり
そして“この一杯にたどりつくまでの葛藤と悲しみ”(俵)が凝縮された歌に結実する
『文學界』2017年5月号~2018年5月号の連載を単行本化
実作者ならではの視点で牧水を読み解いた好著