紙の本
衰えていた頭が活性化する。原理原則を実際の問題に応用して、効用を体験してみること
2010/07/04 16:21
20人中、18人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
数学の問題を解こうとする、高校生、大学生、教師を対象とした、ハウツウもの。学ぶ人より教える側の人により参考になろう。一般論的、抽象的な表現であるため、一読しただけではよく解らないという印象を受ける人も多いのではないか。逆にそれだからこそ数学だけでなく、社会問題などを考える場合にも応用できる。
高校生では、実際に数学の問題を解くのに何度か苦労した経験がないと、ここに書かれているノウハウの実効性は感じられないのではないか。逆に教師にとっては、その有効性がすぐに実感できるであろう。
数はすくないが、数学的感覚がやしなえる面白い例題もある。パズルやクイズ的な問題もあり、衰えていた頭が活性化する。原理原則を実際の問題に応用して、効用を体験してみることである。
問題解決の過程は以下の事項である。
「第一に問題を理解しなければならない。
第二にデータと未知のものとの関連を見つけなければならない。
関連がすぐにわからなければ補助問題を考えなければならない。
そうして解答の計画をたてなければならない。
第三に計画を実行せよ。
第四にえられた答えを検討せよ。」
第一の過程の詳細事項は下記である。
「問題を理解すること
◇未知のものは何か。与えられているもの(データ)は何か。条件は何か。
◇条件を満足させうるか。条件は未知のものを定めるのに十分であるか。、又は不十分であるか。又は余剰であるか。又は矛盾しているか。
◇図をかけ。適当な記号を導入せよ。
◇条件の部分を分離せよ。それをかき表すことができるか。」
第二の過程にはさらに多くの項目があるが、あとは本書の見返しを読んで下さい。
紙の本
数学本を超えた本です
2017/05/23 12:17
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こぶーふ - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルに惹かれて読みました。確かに、数学的な考え方を説明した本ですが、本書はこれを超越してます。物事の考え方、教えるとはどういうことか? いろいろ参考になります。表紙の裏に著者の考え方が図式化されてますが、これが非常によくできてます。数学アレルギーの方にもおすすめです。
電子書籍
最悪の翻訳
2022/12/21 15:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まだら猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
原書はおそらく良書だと思われます。ただ本書は英語をそのまま直訳した表現で書かれており、数式を見てやっと日本語の表現がわかるという本末転倒の内容です。例題もけっして難しいものではないのにこれでは数学嫌いを増やすだけです。この本を手に取らずとも良質な数学入門書や問題解決法の書籍は探せばいくらでもあるのでそちらをおすすめします。英語ができる方は原書でもいいと思います。
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出版社コメント
2003/04/02 17:12
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:丸善 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著名な数学者ポリア教授が、やさしい数学を例にとって、人が未知の問題に出会った際にどのように考え、対処すればよいのかを提示します。
「数学」分野に限らず、全般的に創造性や発想力、物事の捉え方を学ぶ事が出来る1冊です。
■目次
第1に・・・
問題を理解しなければならない
●問題を解決すること
第2に・・・
データと未知のものとの関連を見つけなければならない
関連がすぐにわからなければ補助問題を考えなければならない
そうして解答の計画をたてなければならない
●計画をたてること
第3に・・・
計画を実行せよ
●計画を実行すること
第4に・・・
得られた答を検討せよ
●ふり返ってみること
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問題解決を大きく4つのフェーズに分類。
1. 問題を理解すること
2. 計画を立てること
3. 計画を実行すること
4. 振り返ってみること
問題を整理・分解し、似たようなものを解いたことはないか等を確認、持てるものを総動員して解決にあたる。
1.2.のフェーズを中心に書かれてて、そのへんの具体的なやり方がよく書いてある。
よくできるひとの行動パターンをこれに当てはめてながめると、この本の内容がよくわかる。
アクセス解析なんかがまさにそれで、
課題を整理→解決→それがアクセス解析で確認できるか
っていうやつ。
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私のせい。高校数学が苦手であることに加えて、歴史的名著ならではの古めかしい表現により、前半で挫折。まったく意味が理解できなかった。いつかは理解できるようになるのだろうか。一緒に購入してしまった実践活用編は、気持ちを切り替えて一度は挑んでみよう。
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名著という事で。数学科という事で。問題を理解する、計画を立てる、計画を実行する、ふりかえる。独特のフォント。斜め読み。
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さすがに一流の数学者の著作だけあって、「言語の思考への束縛」についての記述はすばらしい。C++(コンピュータ言語の一種)のデザインパターンの本にも同じようなことが書いてあり、「一流の頭脳は似ていること」もしくは、「進化の収斂」を再確認させられた。
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いろいろな問題解決の本を読みましたが、本書を読んでついに核心に辿り着いた心境です。起業家は本質にぐぐっと近づけると思います。古典の力はやっぱ結構すごいな。当社でも読ませよう。
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本書は数学の問題を解こうとする人のために書かれた本ですが、実際には、数学に限定されない一般的な問題解決に役立つ考え方が書かれています。問題解決のための考え方は、本書の表紙の裏に印刷された「問いや注意に関するリスト」に凝縮されています。リストによれば、最初に問題を理解し、次に計画を立て、その後に計画を実行し、最後に振り返ることが、問題解決に必要となります。なかでも、重要なのは問題の理解と計画であり、「リスト」にあげられている項目はほとんどが理解と計画に関するものです。
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数学の本なんだけど、問題に対するアプローチはすべてのことにつかえそう。表紙裏の1ページだけでいい。おもしろかった。
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正直眠くなる。眠れない夜にはうってつけ。
しかし、1944年にこのような本がでていたことは驚きだし、
実際他人に説明の難しい数学の解き方というか道具立ての考え方は非常に珍しいし、大学時代に数学と戦っているときに読みたかった。
第一部が本書の根幹の大半であり湛然に読む必要がある。
本書にある解き方の考え方は数学にかぎらず社会に出てからも問題を解く進め方は役に立つ。
1.問題を理解する
・未知のものは何か、与えられているもの(データ)は何か、条件は何か
・条件を満足させうるか、条件は未知のものを定めるのに十分であるか、又は不十分であるか、又は余剰であるか、又は矛盾しているか
・図をかけ、適当な記号を導入せよ
・条件の各部を分離せよ、それをかき表すことができるか
2.解くための計画を立てる
・前にそれをみたことがないか、又は同じ問題を少しちがった形でみたことがあるか
・似た問題を知っているか、役に立つ定理を知っているか
・未知のものをよくみよ、そうして未知のものが同じか又はよく似ている見慣れた問題を思い起こせ
・似た問題ですでに解いたことのある問題がここにある、それを使うことができない、その結果をつかうことができないか、その方法を使うことができないか、それを利用するためには何か補助要素を導入すべきではないか
・問題を言い換えることができるか、それを違った言い方をすることができないか、定義にかえれ
・もしも与えられた問題が解けなかったならば何かこれと関連した問題を解こうとせよ、もっとやさしくてこれと似た問題は考えられないか、もっと一般的な問題はないか、もっと特殊な問題はないか、類推的な問題はないか、問題の一部分を解くことができるか、条件の一部を残し他を捨てよ、そうすればどの程度まで未知のものが定まり、どの範囲で変わりうるか、データを役立たせうるか、未知のものを定めるのに適当な他のデータを考えることができるか、未知のものもしくはデータ、あるいは必要ならばその両方を変えることできるか、そうして新しい未知のものと新しいデータとが、もっと互いに近くなるようにできないか
・データをすべて使ったか、条件のすべてを使ったか、問題に含まれる本質的な概念はすべて考慮したか
3.計画を実行する
・解答の計画を実行するときに各段階を検討せよ、その段階が正しいことをはっきりと認められるか
4.振り返る
・結果をためすことができるか、議論をためすことができるか
・結果をちがった仕方で導くことができるか、それを一目のうちに捉えることができるか
・他の問題にその結果や方法を応用することができるか
ただし、社会では実際には問題がなんなのか分からないことの方が多いのだけれど。そして問題を正しく見つけ・定義できれば、ほとんど解決するのだけれど。
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ポリアの壺など、確率論や組み合わせ論など多くの面で多大なる業績を上げたG.ポリアの著書である。
この本は、(数学の)問題を解こうとする人々を対象とした、(数学の)問題の解き方の方法論を記述したものである。
問題を考えるステップを分けると、4ステップとなる。
?問題を理解すること
?計画を立てること
?計画を実行すること
?ふり返ってみること
まず、?問題を理解すること、とは何か?それは、(1)未知のもの(=求めたいもの) (2)与えられたデータ (3)条件 の3つを整理することである。
例えば、「縦・横・高さの3つが既知である直方体の対角線の長さを求めよ」という問題を考える。
(1)未知のもの …直方体の対角線の長さ(xとおく)
(2)与えられたデータ…直方体の縦・横・高さ(それぞれを、a,b,cとおく)
(3)条件 …xは縦a, 横b, 高さc という長さの直方体の対角線の長さである。
となる。
つづいて、?計画を立てること、を考えてみよう。ここでの思い付きのためには、(1)類似した問題を解いたことのある経験 (2)知識 が必要となる。
すなわち、いかに関連した問題を知っているのか?ということでまとめられる。先ほどの例で言うならば、「底面の対角線を底辺、直方体の高さを高さ、そして求めるxを斜辺とする直角三角形」
を思い浮かべることとピタゴラスの定理とが思い出すべき事項となる。
さて、前項で立てた計画に沿って、?計画を実行すること が次にすることである。例では、底面の対角線y=a^2+b^2 からx^2=y^2+c^2=a^2+b^2+c^2を求め、最終的に
x=(a^2+b^2+c^2)^(1/2)と求める。
忘れてはいけないのが、?ふり返ってみること である。検算は勿論、他にも点検できる事はたくさんある。例えば、c=0とおいてみよう。すると、この問題は立体幾何から平面幾何の問題になる。一つの問題から実に多くの事が得られるのだ。
この本が伝えたいメッセージは、この4ステップの実施が問題を解くために必要なステップである、ということだけである。
数学ができる人というのは、これらを自然とできる人のことを言うのだろう。そしてこれは数学のみならず、あらゆる自然科学、いや科学に当てはまるのはなかろうか?
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問題を解いていく思考過程をテーマにした本。具体的な題材として数学の問題がいくつか用意されている。
このような思考過程を意識化して考える為のいい材料になると思う。
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野口悠紀雄教授が推す発想と発見に関する基本文献ベスト5のひとつ(『「超」発想法』巻末の参考文献参照)