紙の本
日本社会の闇を感じる一冊
2019/04/13 20:06
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投稿者:タラ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
4年生大学を出て非正規社員で働き始めた愛だが、3年たったら正社員という約束が守られなかったことから人生が一変する。
お金がない女性を襲う社会の闇。彼女たちの神さまの正体を知ったときはゾッとした。
貧困は本人の責任。果たしてそうだろうか?
この物語を読んでいるとそんな無責任で他人事のような考えは到底うかんでこない。
紙の本
働き方とか安全とか
2018/12/27 21:03
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
派遣切りで無職になり、貯金も底をつきホームレスに、日雇いでと出会い喫茶でその日暮らし。
働く意欲も健康な身体もあるのに働き口がない・・・「職を選ぶからだ」とかでは片付けられない問題です。
この本の中で、家のない女性でも安全に暮らせるのが日本だ、みたいな内容のところがあって「そっかー」って納得した。
そこは救いようがある面かもって思いました。
電子書籍
貧困とは
2018/11/25 18:27
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投稿者:真太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ただお金がないだけの貧困では昨今なくなってる時代。問題的している節も見られます。特に女性は昔よりも自立、自活しやすくなったかもしれないけど、それはほんの一握りの話。裕福そうに見えても、家庭問題、家族問題による貧困は多く、文章中でも本当の貧困は頼る人がいないことを言う主人公に凍り付きました。人とのつながりが希薄な現代に覚悟して読んでほしいです。
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生々しい。
社会の現実なんだと思う。
でもね。
いくら父親と関係が悪くてもここまで落ちて、頼らないのはわからない。
最後にお金をせびるのもわからない。
父親がここまで冷たいのもわからない。
勇気がこんないい子になるのもわからない。
雨宮がこんなに心配してくれるのがわからない。
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貧困女性。仕事。就職活動。派遣。
『きらら』2019.3にて。
貧困女性、タイプ様々。
人生は自分一人でどうにかすべきと考えている。
救えないんだったら手を差し伸べないで。
貧困はお金がないことじゃなくて頼れる人がいないことっていうのが刺さった…。
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豊かな国であるはずの日本で、
若い女性があれよあれよという間にホームレスになってしまう。
しかも大卒で本人には就労する意欲も能力もあるというのに、、、
色々な理由でホームレスになる女の子たちが出てくるのだが、窮状をを訴える術さえ知らぬ彼女たちにも主人公にも共通するのは、
『助けて』と言える相手がいないことだ。
『貧困というのは、お金がないことではなく、頼れる人がいないことだ』と気づく主人公。
行くあてのない少女たちが安全に眠れる場所として
変な話だが、漫画喫茶という存在があって良かったなぁと、しみじみと感じたのでした。
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大学卒業後、派遣社員として働いていた愛。正社員になれる予定が会社の業績悪化でなることが叶わず、失業保険を得ながら求職活動をするも再就職が出来ないまま、ホームレスとなった。
日雇いをしながら、歓楽街の漫喫で暮らすようになる愛。貧困女性のリアルを描く作品。…
なぜ、再就職が叶わなかった時にバイトででも働かなかったのか、住む所を捨てたら、更に再就職は難しくなるのにと歯がゆく思っていました。
でも、その時の心情は本人にしか分からないのでしょう。
女性の場合、身体を売るという安易な逃げ道がある為、最後はそこに堕ちてしまうことが多いのだと思います。
ただ、普通の感覚を持ち続けていた愛は、そちら側に行かなかった、行けなかった。
そちら側の人達の気持ちに沿うのは難しいけれど、愛の気持ちは理解が出来るので、キツかったです。
愛は雨宮と再会出来て良かった。
でも、雨宮の様な人がたくさんいる訳では無いので、まだまだ難しい問題だと思いました。
貧困とは頼れる人がいないこと。
家族の問題であると、しみじみ思いました。
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現代貧困女子のお話。難しい話じゃないけど結構社会派だった。貧困を生み出すのは仕事うんぬんより、彼女たちの家庭環境や日本は安全という社会によるもの。相談できる、頼れる人がいないことが貧困の原因。
なんだか切ない。
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全く誰からも選ばれなかったわけじゃないからこそ、
自意識が肥大に育って、
その自意識によって支えられている反面、縛られる原因にもなっている。
一つが叶えば全てが上手くいくはずと思ってしまうけど、
多分問題はもっと複合的で
何かが解決しても次の問題は出てくる。
愛にとっての神さまは何かを与えてくれたり助けてくれたりする人ではなくて、いくら縋ってもそれを受け入れてくれる人であるように感じた。
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文春文庫さんのツイートで冒頭部分を読んだら続きが気になったので。
気がつくとこんなふうに貧困は私たちの近くで口を開けているんだな、と怖くなった。今は住む家があって明日のご飯に困らない生活ができているけど、それはたぶん何かのきっかけでなくなるもの。
子供の頃は知らなかったけど(バブル期やから貧困自体レア?)今考えたら、主人公と同じような選択肢をする可能性はわたしにもあった。誰だってホームレスになる可能性はあるし、そうなった時に助けを求める場所がちゃんとすぐに見つかるのかな……。
この本はフィクションだから、ラストが綺麗にまとまっているけど、実際は多分「マユ」や「サチさん」や「山本さん」の視点の方が多いんだろうな、と思うと、本当にやるせなくなる。
なぜ行政機関の手続きはあんなにもややこしいんだろうね。とか考えた。
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26歳女性。大学を卒業したが就職ができず、正社員登用を約束され派遣社員として働いていたものの、あっさりと派遣切りにて失業。実家は頼れず、友人も頼れず、結果住む家もなくなり、漫画喫茶で夜を明かすホームレスになるという、貧困という言葉のイメージには似つかわしくない女性があっという間に貧困に陥っていく姿と、同じように貧困に苦しむ女性と知り合っていく過程にこの国の闇を感じた。
もっと早く助けを求めたらいいのに!って読んでイライラしそうになるけれど、そもそも簡単に助けを求められる人だったらこんなに苦しんでいないし、たぶんそういう人の方が実際に多いんだと思う。
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就職難から転げ落ちるような生活。あまりにリアルで実体験をしているかのような感覚。最後に雨宮くんが助けてくれるだろうという予感はあったけど、もっといい形のラストで未来を感じた。
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真面目な派遣社員が契約を打ち切られ、正社員に拘ったため就職活動も難航し、あれよあれよという間にホームレスに。家もお金も、頼れる人もいない。様々な意味での貧困。誰が、何が、どう悪かったのだろうと考えずにはいられない作品。
ラストがちょっとうまく行き過ぎな感じなのは、作者の願望だったのだろうな。
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10代20代の貧困女性たちの話。畑野さんの作品の中にはこういうシビアな現実を突きつけられるものがある。若いから働けばいいのに、と単純に考えていた自分は読みながらどんどん居心地が悪くなるので、読後感はよくない。
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始まり方が秀逸で、何かグッと親近感を覚えた。
テーマは思ったよりも重かったけれど、
とてもリアリティがあり、どんどん引き込まれて行った。
少し前にネットカフェ難民という言葉が流行った時に、
正直他人事と言うかあまりピンと来なかったんだけど、
一歩間違えたらこういうこともあるんだな…と思った。
社会的なセーフティーネットの整備や理解はまだ不十分。
人との繋がりも希薄になっているこのご時世、
一人で転げ落ちるように貧困に陥る人は実際にいるんだと思う。
それを今までは本人のやる気の問題とか思っていたけれど、もっと根深い問題だなと思った。
「貧困とは、お金が無いことではない。
頼れる人がいないことだ。」
この言葉に尽きると思う。
主人公には頼れる人が居て本当に良かった。
お金の大切さよりも、
人との繋がりの大切さを感じた。