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- カテゴリ:一般
- 発売日:2018/10/20
- 出版社: 弦書房
- サイズ:19cm/212p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-86329-181-2
紙の本
踏み絵とガリバー 鎖国日本をめぐるオランダとイギリス
著者 松尾 龍之介 (著)
スウィフトはなぜ「ガリバー旅行記」に踏み絵の話を書いたのか。第3篇の踏み絵とオランダ人をめぐる物語を中心に、18世紀のオランダ・イギリス・ポルトガル・スペイン各国間の外交...
踏み絵とガリバー 鎖国日本をめぐるオランダとイギリス
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商品説明
スウィフトはなぜ「ガリバー旅行記」に踏み絵の話を書いたのか。第3篇の踏み絵とオランダ人をめぐる物語を中心に、18世紀のオランダ・イギリス・ポルトガル・スペイン各国間の外交戦略と日本の交易の実態を読み解く。【「TRC MARC」の商品解説】
イギリス人作家のスウィフトはなぜ、『ガリバー旅行記』(1726刊)に、日本の踏み絵とオランダ人の話を登場させたのか。
あの夏目漱石も愛読し、誰もが知っている『ガリバー旅行記』に、踏み絵とオランダ人の話が出てくることはあまり知られていない。漱石もその〈第3篇〉は正当に評価していない。
全4篇からなる『ガリバー旅行記』の中で、特異な構成をもつこの〈第3篇〉に注目し、18世紀の江戸期(鎖国)日本とオランダの交易の実態、さらにイギリス・ポルトガル・スペイン各国間の外交覇権争いを多角的に描く異色の歴史書。【商品解説】
目次
- 【目次より】
- 第1章 舞台は東半球
- 漱石と『ガリバー旅行記』
- 第2章 ガリバーを生んだ大航海時代(1)
- マニラと長崎の開港
- 第3章 ガリバーを生んだ大航海時代(2)
- オランダとイギリスの台頭
- 第4章 『ガリバー旅行記』第3篇
- 踏み絵を嫌がるガリバー
- 第5章 「踏み絵」千里を駆ける
著者紹介
松尾 龍之介
- 略歴
- 〈松尾龍之介〉昭和21年長崎市生まれ。北九州市立大学外国語学部卒。主に「漫画社」を中心に仕事をする。洋学史研究会々員。著書に「小笠原諸島をめぐる世界史」「幕末の奇跡」など。
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覇権主義の歴史までが理解できるスグレモノ。
2018/11/12 20:06
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投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る
踏み絵とガリバー?
タイトルを見て、疑問に思わない人はいないだろう。あの隠れキリシタンを摘発する「踏み絵」と子供の頃から親しんだガリバー旅行記のガリバーと、何が、関係するのか。
そう思うのも仕方ない。多くの日本人にとって、ガリバー旅行記といえば、小人の国、巨人の国の印象が強いからだ。
しかし、意外だったのは、ガリバーは日本を訪問していた。
そして、ガリバーが日本を訪問した時代は「踏み絵」をしなければ入国できない。けれども、ガリバーは「踏み絵」など、断じてやりたくない。
そこには、江戸時代、日本との交易を独占するオランダを揶揄するイギリスの意図が隠れていた。この遠大な策略を考えだしたのが、原作者のスィフトだった。
この「踏み絵」の背景について、スィフトの作品を絶賛した文豪夏目漱石も見落としていた。
著者は、この複雑怪奇なスィフトの深謀遠慮を簡明な言葉で解説していく。実に、読み聞かせのように構成された全7章を読了した。
本書で感心するのは、鎖国時代の日本について、学校で教えられる事々は日本国内が中心。しかし、その江戸時代、欧州ではすさまじい覇権争いから新大陸発見、新大陸の侵略という歴史があったことだ。その事々が、簡明にして、謎解きのように説かれている。
今、日本を取り巻く環境、外交について、その論じられるフィールドは狭い。しかしながら、本来、なぜ、鎖国政策が打ち破られたのか。
なぜ、日本市場を欧米が求めてきたのか。
その背景が分かれば、現今日本における外交問題の焦点がズレていることがわかるだろう。
外交問題を解決するには歴史を遡らなければならない。しかし、世界史、日本史を含め「面白くない」の一言で日本社会は歴史を軽視する。本書は、「踏み絵」と日本人が慣れ親しんだ「ガリバー旅行記」を組み合わせることで、歴史に興味を抱かせてくれる。
さて、文豪漱石が、本書を読んだら、どんな感想を抱くだろうか。
「行秋や歴史の紐の解け易き」とでも、詠むのだろうか。