この世にたやすい仕事はない （新潮文庫）

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軽妙なようで重い。
へらへら飄々としているようでなんか暗い。

なんとなく読み進められなくて、最初に読み始めてから半年くらいあけて、最後まで読んだ。

後半もなんだか飄々としながら暗い。
けど何となく温かい。
温かすぎず、優しすぎず、感情的じゃない、低体温だからこそ、リアルっぽくて、身につまされるも、これが人生ってもんかもねー、と思う。

どうやったって生きていけるし、今のレールを外れても良い。でも、今のレールでがんばることだっていい。


20200502

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面白かった！

仕事を辞めた主人公が、5つの短期業務に就くお話。
誰にでもできる業務ばかりだけど、
主人公はきっと実力があるんだろうな。
どの現場でも、1つ快挙といえるような成果を残していく。
でも仕事と「相思相愛」になると病んでしまう主人公。
その場その場で、職を転々としていく。
その中で出会った人々との繋がりが、
最後に主人公に忘れていた気持ちを思い出させる。

ただ働いているだけだけど、
主人公と街を冒険しているような、わくわくする一冊。

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ニッチな仕事内容はどこまで嘘かホントか分からないけれど、そこに居る人たちの細かなディテールが絶妙なバランスで描かれていて「あ、こういうちょっと変な職場ありそうー」という気持ちで気づくとついつい読み進めている。

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2021/8/6
ずっと同じ仕事してるとどうしても飽きてしまう。
1か月ぐらい違う仕事がしたい。
大きい声を出したいので販売でもいい。
通販の倉庫で出荷作業とかもちょっとやりたい。
そういう制度あったらリフレッシュになる人もいるだろうに。
戻った時にありがたみがわかったり。
そういう気分で読みました。
みんなちょっと休憩しよう。おつかれ！

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ユニークな仕事、仕事、仕事。「さみしいのはいけないことだろうか」という問いが心に残る。たとえさみしさ、であっても、となりにいてくれるのなら、孤独ではないのかもしれない。

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「さびしくない」の仕事は結構くるものがあった。
今まで淡々と仕事をしてきたのに突然盛永さんとさびしくないの事情を知った時の衝撃というか呆然というか言い表せない気持ち。
でも一緒に仕事をしている人が本当は何を考え何を思いどう生きているかなんて与り知らぬことだし、だからこそ世の仕事というものは円滑に回っているのかもしれないな。
あと森のお仕事のまた来てくれたらいいよみたいな言葉もたいへん良かった。ああいう場所で心を再生していくことの大切さをあの人も分かっていて、良いなあ。

しかし津村さん好きすぎるな私…
淡々と真面目に真剣に仕事をする主人公も好きだし素敵。
文章もテンポも少し不思議なできごとも全部まるごと好き。
この世にたやすい仕事はない、見事なタイトル。

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読了 20151103
「コラーゲンの抽出を見守るような仕事はありますか?」燃え尽き症候群のようになって前職を辞めた30代半ばの女性が、職業安定所で出した条件、そこから仕事を少しずつ変わっていって…

1.ある怪しいものを棚に隠された作家の1日の録画を見続ける、みはりのしごと
2.バスの中で流すCMを考える仕事
3.おかきのパッケージの裏の読み物を考える仕事
4.怪しい団体が貼っているポスターをグラフィックがカッコいい非営利なポスターに貼り替える仕事
5.とても大きな森林公園で小屋の番と迷子を探したりしながら森の地図を作っていく仕事
どれも作者のこんな仕事あったらいいな
という仕事らしいけど、時々起こる不思議だったりドキッとする場面もありつつ、最初の仕事で燃え尽きてしまった主人公が少しずつ仕事に慣れていく話。

やっぱりこの作家の話はいい！ので、どれを読んでも面白いけど、バスの話と最後の森の話が特に好きでした。

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10年以上勤めた仕事で燃え尽き退職した主人公の仕事遍歴。自分に負荷をかけない為の唯一の仕事選択基準が「単純で簡単な仕事」。
主人公が選ぶ仕事は、一見すると単純な仕事ばかりなのですが、この主人公の好奇心と観察眼、良い意味でおせっかいな気性が、それぞれの仕事で一見とは違うパラレルワールドの口を開けていく。
それは、主人公の心の癒しの遍歴として完結していく物語。楽しく読了。

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いわゆる「お仕事小説」というものをイメージして買ったつもりだった。楽しいことも辛いこともあるけど、何だかんだで皆頑張ってる。自分が今置かれた環境に不満があることもあって、そんなメッセージを求めて手に取った。ところが開いてみたら何とも不思議な雰囲気の空間に迷いこんだ気分になった。仕事どうこうというよりは世にも奇妙な物語みたいな味わいがあって、かと思いきや最後まで読み切ったらちゃんと自分の求めていたものが手に入っていた、みたいな。まさしく新感覚というか、自分にとっての新たな扉をまた一つ開けてくれたような小説だった。
主人公はどちらかといえば気弱なタイプで、長年続けてきた仕事からドロップアウトした直後だからか自分に自信があまりなくて、おいおい大丈夫か……と思わせるような人物でありながら、仕事というものへの姿勢について時々もの凄くハッとさせられるようなことを言ったりするので、完全に油断した状態から日本刀で袈裟斬りにされるみたいな衝撃がある。「辛いならこうしちゃえばいいのに」と思ったことが直後に「それはあまりにもクズすぎる」とか書いてあると、「あ、俺クズなんだ……」みたいなことが何度かあった。
個人的に一番好きなのは「路地を訪ねる仕事」です。さびしくない。