電子書籍
東北大震災
2020/01/03 09:41
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投稿者:serike08 - この投稿者のレビュー一覧を見る
あの地震の影響を感じさせてくれる作品。
日頃の自分の態度や生活を見直しをさせてくれた。感謝。
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真田、如月、比紗也の3人を巡り、恋と共に成長を描く物語。
とにかく登場人物に癖があり、それぞれのバックグラウンドがそれぞれの価値観、特に恋愛観を独特なものにしている。
真田は非常に男らしく、恋愛に関しても自信を非常に持っている。しかしながら、それゆえに自分の感情に嘘をついている、いいかえれば、そもそも自分が本当に人を好きにならないようにコントロールしている。それが真田にとって、自分が真田であることの照明に近いものを意味していたのだが、それを貫いては手に入らない存在、比紗也と出会う。
如月は、昔女性に対してひどい仕打ちをしたことを悔やみキリスト教に帰依したが、いまだにそれを引きずっており、恋愛に関しては非常に奥手になっている。自分は本当は比紗也のことが好きだが、それでも積極的にアプローチできない。
比紗也はまた特殊で、今までずっとモテてきた。何もしなくてもモテていた彼女だが、彼女は彼女で過去に男に裏切られてから男性を信じることができないまま人生を歩んできた。そんな中で真田と出会い、変化していく。
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一人で子供を育てる比沙也、会社経営者真田と神父の如月と出会う。大人の恋愛模様。恋心等様々な思いが行き交う中、それぞれが過去と向き合い決断をしてゆく。
どの人にも共感しなかった。しかし、三人それぞれを浮き立たせ、悩みを描き、素晴らしい作品に仕上げたと思います。ぶつかったり、ごつごつしてたり、人間なんだなあ、そんな感じを味わいました。比沙也は深い傷がある人、以後、真田がしっかりみててくれるといいと思いました、みてくれるんじゃないかなあ。
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島本理生の書く女性っていうのは、なんというか女の生きづらさとか綺麗事ばかりを押し付けられないのが読んでて好きなので島本理生作品は結構読むのだが、作品数を重ねるごとに女性のメンヘラ具合に拍車をかけているなと思う。読み始めたら一気に読めたし、文書の書き方とか構成には引き込まれるものはあるのだけど、登場人物には感情移入できなかったな。
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最後の最後で涙が出た。
最終的に比紗也が幸せになれることが分かって、ほっとした。
あたしは島本理生さんの書くセリフとか、言葉が、好きだなぁ〜と改めて思いました。
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大人な恋愛小説が読みたい!と手にとった一冊。
如月と真田の対比により「愛」って難しいなと感じた。
女と男でやはり体の関係に対する認識のずれって大きいなと思う。
体の関係があるからこそ大事にされていないと感じる女側とこんなに大事に扱っているのにと思う男側と。
素直になれない比紗也の気持ちは長女気質の私には痛いほどよくわかった。
好きと言えない、信用できない、自己嫌悪、このループ。
もちろん比紗也は特殊な環境で育ったからあの考え方なんだろうけど、甘えベタな私にはよくわかる!と思う言動が多々あって、最後は涙が止まらなかった。
強がっているけど結局は大切にして欲しくて、でもそれも言えなくて、頼れなくて。
号泣。笑
感情移入しすぎたかもしれない。笑
ちょっとNのためにの杉下のぞみに通じるところあるかも。
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男2人、女1人の間での三角関係を描いた作品であると簡単に言い表すこともできるが、できることならこの表現は避けたい。
究極にシンプルな構成としてはそれで間違えてはいないのだが、その三角形の中には三者の過去が密接にからみついている。
三者はその過去をうまく消化できないままに大人になり、「真実の恋」とも言えるものから身を遠ざけてきたという共通点を持っていた。
大人になったことによる恋に対する不便さを大人ながらに不器用に消化していくねっとりとした泥臭い内容。それは普段私たちがイメージする「恋」や「愛」の綺麗なイメージとはあまりに程遠いものであるが、社会にありふれている「恋」や「愛」により近いのは本書に描かれたそれなのではないかと感じた。
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文学(フィクション)は若さの感性も大切です。
島本理生さんの小説は、妙に危なっかしいところもありますが、確かに説得力があるのです。
危なっかしいところとは、主人公、徳永比紗也の過去からくる性格描写によって真田幸弘、如月観たちが振り回される雰囲気はわかりますが、それぞれ、偶然に再会し過ぎる点などはちょっと不自然かもしれません。でも比紗也のストイックな行動がそうさせる可能性もあります。
説得力を感じるのは、なにに比紗也は打ちのめされているのか、わからない男たちの描き方がうまいです。視点がするすると3人を行ったり来たりするところなど、行間を色濃く漂わせます。
所詮男性は女性を理解できない。その道のりは紆余曲折、正解はないのだと思います。
『Red』の結末と同じように『イノセント』の結末も安心してはなりません。
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生きることって難しいんだなって思った。誰もが心の中に闇を抱えていて、それと折り合いをつけながら生きていると思う。私も含め多くは折り合いがつく闇なんだなと思う。比紗也の闇は計り知れない。もし自分が比紗也だったら。考えるだけで怖い。だから比紗也の理解し難い様々な行動は防衛本能から来ているのだと思った。最終的に比紗也は全面的に愛を信じたのではなく、愛することに折り合いをつけたのかなと想像した。その折り合いを真実として今後は生きていくのかな。
本を通して島本さんの頭の中を覗いたような感覚になった。言語化が難しいが、綺麗と思った。
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島本さんの本はそんなに好きじゃなかったけど、これは良かった。主人公3人が、それぞれに魅力的。文体には少し違和感を感じたけど、最後まで一息に読み終えられた。
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ほっこりするエンディングでした。
島本理生先生の作品を過去に幾つか読みましたが
今回の作品は、不幸と幸福のバランスが絶妙でした。
性における女性特有の悩みの中にも、本物の愛を見つけることが出来たヒサヤは幸せものだと思います。
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困ったときに、ここまで助けてくれる異性がいるということに若干の怖さを覚えた。でも、私にはきっと助けてくれるであろう友人と、それから助けたいと思える友人の顔が思い浮かんで、恵まれているなぁ、と再確認した。
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島本さん小説の主人公の女性たちは、どうしてこうも重く辛い荷物を背負わなければならないのか。
比紗也も、もう名前からして不幸を貼りつけられたようなものだ。2人の男たちのそれぞれ異なる愛の形が、どのように結実するか、あるいは破壊されるのか後半はサスペンスを読んでいるようだった。
しかし、想像してたのとは違う結末でいい意味でよかった。
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島本理生さんのがっつり恋愛小説が読みたくて選んだけれど…確かに恋愛小説ではあるけれど、ちょっと特殊だった。
弱々しさを感じさせる美しいシングルマザーの比紗也と、彼女が息子を身篭っているときに偶然函館で出逢い、ひょんなことから食事をともにした真田。そして比紗也に助けられたことから彼女と知り合い惹かれてゆく神父の如月。この3人の、ある種三角関係と呼べなくもない内容。
でもそれは2人の男による1人の女の取り合いではなく、あくまで男と女が1対1でありながら、比紗也の生い立ちによる傷が影響してどちらとも丸いかたちの恋愛模様を描けず、歯痒いような苛立つような感情を覚える。
たぶん私は比紗也のことがあまり理解(共感?)できないのだと思う。
辛い生い立ちと、大人になってからもひどく辛い経験をして、彼女がこういう性質になってしまうのは理解できるけれども、それにしてもそのことに直接関係のない人物に対して横暴すぎるのでは…と感じる場面が多かったせい。病気のようなものなのだ、と言われてしまえばそれまでだけど。
それなのに2人の男は比紗也に身を捧げる勢いで尽くすのだから、彼女は女性としてとても魅力的なのだとも思う。
著者が女性だからこそ、その、同性の女から見ると理解できないけれど男性から見るとそうなのかも、みたいな感覚を味わえる。
正統派のがっつり恋愛小説が読みたくて読んだ身としてはある意味期待外れだったのだけど(笑)、内容はとても濃くて、とくに神父の如月が抱える罪悪感(神父を志すきっかけとなった少年時代の大きな過ち)に関してはとても興味深かった。心理学的な意味合いでも。
登場人物に癖がない人間が1人もいないせいか、内容のせいなのか、読んでいてとても疲れました。個人的には、一息つけるようなオアシス的存在がいれば、メリハリがあってもっと良かったのかもしれない。
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比紗也の辛さ、苦しさを理解してあげたい気持ちと、それでも深い闇に自ら進んでいってしまう弱さにもどかしさを感じる作品でした。
物語中盤まで簡単に体を許してしまう比紗也と会う度に体を求める真田の関係性に、このまま二人が結ばれるラストだったら少し嫌だなと思って読んでましたが、読み終わって考えると比紗也や紡、紗雪の将来を考えると真田と一緒になるのが幸せなのだろうなとも感じました。
自分は真田のような男にはなれないし、聖職者という立場はあるにせよ歓の想いこそが本当の愛のように感じられ歯痒さが残りましたが、歓はたまに思い出して胸がキュンと締め付けられることはあっても、きっと後悔はしないんだろうなと思いました。